ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第884回
Samsungが次世代CFETの試作に成功! IBMの10万ドル方式に対抗する、量産重視な「一括形成プロセス」のリアリティ
2026年07月13日 12時00分更新
2026 VLSIシンポジウム解説の3回目は、Samsungの"First demonstration of 3D Stacked FETs at Gate Pitch of 42 nm Featuring Triple Stacked Nanosheet Channels for Advanced Logic Applications"についてだ。Samsung FoundryによるCFET構築に関する発表である。
SF2の苦戦から復活へ
Samsungが次世代「CFET」に賭ける背景とロードマップ
SamsungはGAAの実装には一番乗りを果たしている。もっとも難産だったSF3は、残念ながら歩留まりが改善せず、ほとんど顧客を獲得できなかった。そしてその後継であるSF2(2nm)についても、やはり歩留まりが低いままであった。
GAAは2025年のIEDMで論じられており、連載857回で紹介している
そこでSamsung Foundryは2025年初頭にSF2の次にあたるSF1.4の開発を一度凍結。SF1.4の開発にあたっていた開発メンバーをすべてSF2の歩留まり改善に充てたらしい。その甲斐あって、SF2の改良版にあたるSF2Pは70%を超える歩留まりが確保され、十分大量出荷に耐える状況になったそうだ(SF2ではなくSF2Pで、というあたりが謎ではあるのだが)。これで遅ればせながらTSMCのN2追撃態勢が整い、Teslaからの大量受注獲得に成功しており、2030年度のFoundry事業の黒字化が見えてきたらしい。
SF2Pに一定の目途が立ったことで、2026年6月に凍結していたSF1.4の開発が再開されたらしい。ただ1年半のブランクを埋めるのは難しく、現状SF1.4の量産開始は2029年、改良型のSF1.4+の量産時期は2030年と伝えられている。Intel 14AやTSMCのA16と比べると1年ほどの遅れを背負うことになる。
さて今回はその次の世代の話である。次がCFET(Samsung用語では3DSFET)になるのは既定路線であり、連載882回ではIBMのCMOS 7Aを紹介したが、発表時期はVLSIシンポジウムの方が若干早い。
CFET(3DSFET)にする最大の理由は微細化しやすい、というその一点に尽きる。下の画像はNanosheetベースのFETとCFETの寸法を比較したもので、高さこそ倍にはならないものの大幅に増える一方、幅(というか奥行きというか)は半分とは言わないものの大幅に削減できることになる。
少なくとも現状高さ方向には十分に余地があり、一方で底面積の方はもうかなり厳しくなっているため、3D方向に展開するというのはNANDフラッシュを例にとるまでもなく合理的ではある。すでに2024年・2025年とSamsungは3DSFETを試作しており、今回は3回目になる。
2024年に最初の3DSFETを発表、2025年はこれを利用してインバーターとSRAMを試作している。
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