このページの本文へ

新清士の「メタバース・プレゼンス」 第163回

無料の画像生成AI「Krea 2」が話題 実写もアニメもこなす新勢力

2026年07月06日 07時00分更新

文● 新清士

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

弱点克服のためワークフローを自作

 ただ、弱点としては、そうした複雑な英文を用意する必要がある点が挙げられます。テキストエンコーダーのQwen3 VLは日本語にも対応しているのですが、英文に比べるとその理解力は決して高くないため、プロンプトは英文で用意するのが望ましいです。そのため、プロンプトはAIに作成させて、それを修正して使うのが、望む結果を得やすくなります。

 筆者はこれを実現するために、ローカルLLM用のアプリ「LM Studio」と連携するComfyUI向けワークフロー「Krea 2 Stylebridge for ComfyUI」をCodex GPT-5.5を使って作成しました。このワークフローでは、LM Studioを立ち上げておけば日本語テキストや画像を解釈して、Krea 2用のプロンプトを作成したうえで画像を生成してくれるというものです。デフォルトでは「Qwen3 VL 8B」を指定していますが、画像の解釈ができるLLMであれば動きます。筆者のRTX 4090を搭載したPCを前提としているため、VRAMサイズに合わせて調整してください。

 例えば、日本語の入力欄に「夏に子猫が縁側で、ボールと遊んでいる。実写風」と入力して生成すると、それを適切な長文の英文プロンプトに変換して、出力してくれます。「夏に子猫が縁側で、ボールと遊んでいる。日本のアニメスタイル」とすると、画像のスタイルがアニメ調で出力されます。

同じプロンプトによる実写風と日本アニメ風

カスタムプロンプトの中央部分に日本語を入力すると、LM Studioを通じて英文プロンプトが作成される

 また、画像の分析機能も追加してあり、画像を2枚まで登録でき、LM Studioがほどよく混ぜ合わせたプロンプトを作成してくれます。1枚であれば似たような画像を生成してくれますし、2枚だとそれなりに混じり合ったような画像を生成してくれます。

 ただし、画像生成AIモデルの限界として、NanoBananaやGPT Imageのような、人物の一貫性を担保できません。Krea 2で完結させるには、キャラクターLoRAなどを別途作成する必要があります。i2i(Image-to-Image)には対応しているのですが、筆者が試した印象では追従性はそれほど高くありません。また、ControlNetも、コミュニティでの実装は始まっているものの、現状は公式には開発されていないため、ポーズ指定といったことも現状ではできません。

左上のGPT Image 2で作成したこの連載のモデル明日来子さんの画像をリファレンス画像として作成したもの(中央)、中央と猫の画像を混ぜて生成したもの(右)

 また、Krea 2の最大の売りであるスタイルトランスファー機能は、公式提供のものが有償機能となっており、ローカルPCのComfyUIで利用する場合でも、専用Nodeを組み込んでAPIを通じて利用する必要があります。

 しかし、このスタイルトランスファーは類似の機能で代用できます。BigStationWさんが開発した「ComfyUi-Untwisting-RoPE」は、画像のスタイルのみを抽出して、画像に反映させることができるという今年2月にカナダのサイモンフレーザー大学などが開発した研究をComfyUIで動かせるようにしたものです。Z-Image TurboやAnimaでの利用を想定したものですが、Krea 2でも動作するため、Krea 2 Stylebridgeにも組み込んでいます。

 女性と猫の写真風の画像を指定し、Untwistingにアニメ風の画像を適用すると、右側のようにアニメスタイルの絵柄に大きく引き寄せられています。こうした効果を得られます。

右下のアニメ調の画像を参照することで、写真を参照していても、その画風が大きくアニメ調に影響を受けて生成されている

 また、このワークフローには、ぶるぺん/blue.pen5805さん(@blue_pen5805)のカスタムノード「ComfyUI Krea 2 NegPiP」も組み込んであります。Krea 2には、ネガティブプロンプトの効果がほとんどなく、ポジティブプロンプトにマイナス値を与えると効果があることが分かっているため、それをリスト化して登録することで、ネガティブプロンプトに近い働きをしてくれるものです。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
ピックアップ