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サッカーとテクノロジー〔FIFAワールドカップ2026〕 第7回

SAOT、VAR、全選手の3Dスキャン―― 審判をサポートする技術にもイノベーションが

ワールドカップ2026で実現 より速く、正確なオフサイド判定テクノロジーの裏側

2026年06月27日 13時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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SAOTシステムやVARルームは“あくまでも補助”、最終判断は人間

 それでは、上で述べた「明白なオフサイド」はどう定義されているのか。

 ホルツミュラー氏は、「オフサイドラインを10センチ以上オーバーしており、システムの確信度(confidence score)が高い場合に限り、通知が直接ピッチに送られる」と説明する。3年間にわたり、ユース大会などでSAOTのテストを重ね、当初の50センチから現在の10センチという精度まで絞り込んだという。

 もちろん、最終判断の権限を持つのは人間の副審である。「SAOTはあくまでも補助ツール。通知を受けても、ボールが中盤にあるならば副審は当然旗を上げない」。また、カメラ映像で選手が重なり合っている場合は、システムの確信度が下がるため、引き続きVARルームが確認を行ってから副審への通知が行われる設計だ。

 明白なオフサイドならばシステム判定も簡単だが、ルール上は、たとえ1ミリでもオフサイドラインを超えていればオフサイドになる。この「明白ではないオフサイド」の判定は、引き続きVARルームがサポートする。ただし、ボールを蹴った瞬間の映像が複数コマあり、どちらを基準にするかで判定が変わるというケースもまれにある。それに備えて、ボール内蔵センサーが記録する「足がボールに触れた瞬間」を確認するアラートも組み込まれている。

 なお、ピッチに直接判定通知が送られるのは「位置的なオフサイド」、つまりパスが出た瞬間の選手の立ち位置に関する判定に限られる。実際にプレーへ干渉したかどうか(ボールに触れた、相手の視界を遮ったなど)の判断は、これまでと同じく審判の解釈に委ねられる。

今大会は選手の全身を3Dスキャン! その目的は?

 今大会では、判定精度をさらに向上させるもうひとつの取り組みも始まっている。あらかじめ、すべての選手の身体を「3Dスキャン」してデータをSAOTに取り込み、選手ごとに異なる身体のサイズをオフサイド判定に反映するのだ。

 そして、このスキャンデータはもうひとつの目的でも使われる。選手本人にそっくりな「3Dアバター」の生成だ。この3Dスキャンとアバター生成が、VAR映像を大きく変えている。このテクノロジーについては、次回記事で詳しくご紹介したい。

今大会では、選手ごとのリアルな3Dアバターを使ったVAR映像も登場

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