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Mr.ウォーカー玉置泰紀が厳選! おすすめスポット/アイテムベスト5 第6回

【決定版・東京ミズベリングベスト5】江戸の情熱と物語が交差する“水辺”が面白すぎる! GWに行きたい東京「ディープな水辺・水門」を厳選!

2026年05月02日 12時00分更新

文● 玉置泰紀(エリアLOVEウォーカー総編集長)

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東京・御茶ノ水の聖橋から秋葉原方面を望む(筆者撮影)

東京の水辺をマニアックに楽しもう!

 いよいよ、やってきたゴールデンウイーク。遠出するのも良いが、今年のGWは都内でゆったりと、いつもとは違う視点で街歩きを楽しんでみたい。

 この連載では、アニメ聖地や昭和歌謡など、地域の物語を掘り起こしてきたが、今回のテーマは「水辺」。それも単なる公園ではなく、水門や橋、上水といった都市のインフラに刻まれた「物語」を読み解く、マニアックな散策を案内したい。

 筆者自身、「外濠水辺再生協議会」や「外濠市民塾」の活動を通じて、東京の歴史的な水辺がいかに都市のアイデンティティーであるかを肌で感じてきた。今回は、徳川幕府の街づくりから江戸の浮世絵、現代のアニメ、特撮、文学、さらにはゲームまで、何層もの物語が重なる「メタ観光」的な視点で、新緑の季節に足を伸ばしたくなる東京の血脈とも言えるスポットを厳選した。

東京のディープな水辺巡りが「時空を超える体験」になる3つのポイント

1. 「水の都・江戸」の遺伝子をインフラから読み解く

 東京はかつて、縦横無尽に水路が張り巡らされた、ベネチアにも匹敵する世界有数の水運都市だった。法政大学名誉教授の陣内秀信氏が提唱する「水都学」や「空間人類学」の視点を通せば、アスファルトの下に今も江戸のDNAが脈々と流れていることがわかるはずだ。

 NHKの人気番組『ブラタモリ』が幾度も解き明かしてきたように、家康による神田山の切り崩しや日比谷入江の埋め立てなど、地形そのものを大改造して築き上げたのが江戸という都市である。今も残る水門や上水、お濠といったインフラは単なるコンクリートの塊ではない。自然の猛威と戦い、水辺を「文化の基層」や「自由空間」として使いこなした先人たちの、壮大な都市設計の情熱の結晶なのだ。

1880, Japanese Meiji Woodblock Map of Tokyo, EDO

2. 浮世絵とアニメが重なる「メタ観光」の醍醐味

 同じ場所でも、江戸時代の浮世絵や明治に入ってからの新版画に描かれた風景と、現代のアニメや特撮のロケ地としての風景が重なり合う。ここで意識したいのが、「東京スリバチ学会」会長・皆川典久氏が着目する「地形の凸凹(高低差)」がもたらすドラマだ。

 江戸の絵師たちが好んで浮世絵に描いた崖や谷、水辺のダイナミックな地形は、現代のアニメクリエイターや映画監督にとっても「劇的な背景」として最高に機能する。だからこそ、時代を超えて「同じ場所」が作品の聖地になり得るのだ。地形という変わらぬキャンバスの上に、歴史、インフラ、そして最新のポップカルチャーという複数のレイヤー(層)を同時に投影して楽しむ。これこそが、見慣れた景色を劇的に変化させる「メタ観光」の最大の醍醐味である。

井上安治, 小林清親 画『東京名所』[4],福田熊二良,明治10. 国立国会図書館デジタルコレクション (参照 2026-04-23)

3. 外濠や上水に見る、市民が愛し再生する水辺の価値

 筆者は「外濠水辺再生協議会」や「外濠市民塾」「水都東京・未来会議」などの水辺活動に関わってきた。水辺は単なる過去の遺物ではない。高度経済成長期に多くの川が暗渠(あんきょ)化され、高速道路の下に隠されてしまった東京だが、近年は国土交通省が推進する「ミズベリング」のように、市民・企業・行政が三位一体となって水辺空間をパブリックスペースとして再評価・活用するムーブメントが全国的に盛り上がっている。

 隅田川の親水テラスや亀島川の社会実験など、具体的な取り組みが水辺に新たなにぎわいを生み出しているのだ。歴史的なお濠や上水は、窮屈な都会に残された貴重な「余白」である。『ブラタモリ』的な知的好奇心で街の成り立ちを面白がりながら、同時にそこを現代の私たちが愛し、守り、未来へ繋いでいく。水辺とは、過去と未来の物語が交差する「生きた都市のオアシス」なのである。

隅田川テラス(筆者撮影)

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