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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第581回

フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台

2025年11月09日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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ゴルフ史上最強のエンジン性能とぜいたくな価格設定

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Honda/シビック TYPE-R

 日本を代表するホットハッチであるHonda「シビックTYPE-R(FL5型)」は、全長4595×全幅1890×全高1405mmと、ゴルフGTIよりひと回り大きかったりします。なぜシビックTYPE-Rの名を出したのかというと、エンジン形式が似ていること、前輪駆動車であること、そして……。

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試乗車の価格

 このゴルフGTIの値段が、シビック TYPE-Rよりも高い約550万円だから! しかもオプションを含めると600万円を超えるというではありませんか。これにはさすがに驚きました。今の時代のボーイズレーサーは、ボーイズが手を出しづらいぜいたくなクルマになってしまいました……。

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 エンジンは2L 直4ターボで、最高出力は265馬力、最大トルクは370N・m。言うまでもなくゴルフGTI史上最強。ガソリンはもちろんハイオクで、気になる燃費は街乗りメインでリッター8km程度。高速道路を使うとリッター10km超えの数字が出てきました。これはほかの2L 直4ターボエンジン車と遜色ありません。

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 ホットハッチ、いやスポーツカーといえばエンジンのメカノイズや排気音が重要。ゴルフGTIのマフラーからは、野太いイイ音がします。ですが、音圧レベルは小さめ。これは騒音規制ゆえ仕方のないところ。ですので基本的には車内スピーカーが出す疑似音で楽しむことになります。車両設定メニューには、そのエンジン音の大きさが3段階に調整可能です。

 ユニークなのは車外音も設定できるところ。パッと底面を見たところスピーカーの姿は見当たらないので、ひょっとしたらマフラーの中で何か処理をしているのかもしれません。

伝統と先進性を融合させた内装・機能

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 荷室容量は374リットル。運転席側に12Vアクセサリーソケットが用意されています。バックドアは自分の手で開けるタイプで、床面を開けるとスペアタイヤが置かれていました。

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 後席背もたれは60:40分割式なのは他社と同様ですが、長物を収納するのに便利なスキーホールが備えられていました。ちなみに倒したときの容量は1200リッター超えの大容量です。

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 後席のシートはGTI伝統のチェック柄。足元は狭めですが、運転席/助手席の下に足を入れるスペースがあるので、そこまで圧迫感はありません。エアコンの送風口のほか、USB Type-Cの充電ポートが2系統用意されています。

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 運転席は赤いステッチや差し色が控えめなスポーティー感。センターディスプレイは12.9インチで見やすいものです。

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 メーターパネルはフル液晶でGTI専用の表示も用意されていました。

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 走行モードはハザードスイッチの左隣下側のボタンで変更できます。モードはエコ、ノーマル、スポーツ、カスタムの4種類で、カスタムはエンジンレスポンス、ハンドルの重たさ、そして疑似排気音の大きさなどが設定できます。

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 ワイヤレス充電対応のスマホトレイの上に、車両と通信できるUSB Type-C端子を2ポート用意。Apple CarPlay、Android Autoの両方に対応しており、さらにワイヤレス接続もできます。

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 センターコンソールにパワースイッチとシフトセレクター、電子パーキングブレーキ、オートブレーキホールドを配置。トランスミッションは7速DCT(AT)のみで、MTが欲しかったなぁとも。

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 アームレストは背もたれに近い場所に配置。フタを開けると奥行きが深い印象を受けました。

走ってみると「楽しいヤンチャ」な乗り味

 8.5世代のVWゴルフは以前マイルドハイブリッドのeTSI Rラインを試乗し、滑らかな走りに「いつまでも乗っていたい」「コンパクトカーのお手本」と評したことがあります。

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 GTIを一言で言えば「楽しいヤンチャ」。クルマの動きがとても機敏で軽やか。ホットハッチというとガチガチの足という印象を抱きますが、適度な硬質さという印象です。街乗りも、首都高も楽しくて仕方なく、絶対的な速さは上位のゴルフRに譲るだろうけれど、誰でもコントローラブルで速いクルマに仕上げられています。

 適度に聴こえる排気音であったり、結構上までエンジンを回し、ちょっと溜めてのシフトアップ、ブリッピングしながらのシフトダウンといった演出が、クルマ好きには絶対刺さるハズ。ドイツ車なのにラテンのノリに思わずニッコリです。

【まとめ】オトナになったボーイズへの最適解

 ボーイズレーサーというには若い人が手を出せない高額車ですし、同じお金を出すならゴルフGTIより、絶対的性能の高い(速い)クルマに目が奪われることでしょう。ですが速いクルマ=楽しいクルマ、ではないのは誰もが知るところ。ゴルフGTIは、そのことをあらためて思わせる1台です。

 その昔、ボーイズレーサーに乗っていた人が、子育てを終えてミニバンを手放し、再び小さいクルマに戻る時に最適解という印象。クルマって楽しいことを教えてくれる、そんなぜいたくな1台だと感じました。

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