ポルトガルは人口当たりのワイン消費量が世界一の“ワイン大国”。豊富な土壌を持つ土着ブドウ品種が多く、味わいの多様さは「万華鏡」と称されるほど、個性的なものばかりなんです。その魅力を確かめに、今回は仕事終わりに都会の地下に隠れた異国空間「マヌエル タスカ ド ターリョ 丸の内店」で、ポルトガル産のワインと伝統料理のペアリングを堪能してきました。
木の温もりが包む、丸の内のポルトガル酒場
「今夜はワインが飲みたい!」と仕事終わりに強烈に思い立ち、せっかくならちょっと珍しい国のものを、と探して辿り着いたのが、ワイン好きの隠れ家として多くのポルトガルワインを揃えている「マヌエル タスカ ド ターリョ」。魚介料理のバリエーションも豊富で、日本人の舌に合うと評判らしい・・・これは間違いない! ということで、上司を巻き込み、足取り軽くお店へ向かいます。
店内は木の温もりを感じるインテリアと控えめな照明が印象的。カウンターやテーブルは木製で統一され、温かみのあるカジュアルなバル空間が広がっています。
まずは100年以上の歴史を持ち世界60か国以上で愛されている「ヴィーニョ ヴェルデ ガタオ」で乾杯! ラベルに描かれた猫がなんとも愛らしいワインは、爽やかな酸味とほのかな果実の甘みが感じられ、まさにポルトガルらしい、軽い飲み心地の白。金曜夜の幕開けにぴったりです。
ポルトガルは多彩で素朴な郷土料理が魅力の国。中でも魚介類を使った料理は種類豊富で、日本人の口にも合うものが多いそうなので、今回は海の幸を中心に選んでみました。
まずはポルトガルの家庭料理を代表する「干しタラとじゃがいもの卵炒め」から。塩漬けにして乾燥させたタラ「バカリャウ」と細切りポテト、卵をシンプルに炒め合わせた料理です。大航海時代に保存食として重宝された歴史的背景を持つバカリャウは、ポルトガルの国民食。1年365日、バカリャウで毎日異なる料理が作れると言われるほどレシピが豊富で、中でもこの卵炒めは定番中の定番なのだとか。ひと口頬張ると、塩気の効いた干しタラの旨みとホクホクのじゃがいも、そしてとろりと絡んだ卵が三位一体となり、素朴ながら奥深い味わいです。どこかホッとする優しい塩味とタラの風味がどことなく駄菓子のような懐かしさを感じ、夢中で食べすすめてしまいました。
2杯目は、次の料理と相性抜群と言われて選んだ「キンタ・ドス・ロケス エンクルザード」。エレガントな果実味と樽熟成による優しい風味が調和した辛口の白ワインです。フレッシュな果実味があり、柔らかな酸味と余韻の長さが心地いい!
名物カタプラーナは旨みの宝庫
ワインと一緒に運ばれてきたのは、お店の名物料理でもある「カタプラーナ」。ポルトガル南部アルガルヴェ地方の郷土料理で、二枚貝のような形をした円盤型の銅鍋を使って作る蒸し鍋料理です。店員さんがパチンと蓋を外すと、湯気とともに魚介の濃厚な香りが一気に立ちのぼり、思わず歓声! エビや貝、ジャガイモなどがゴロゴロ入ったスープには、魚介の旨味が凝縮されており、まさにポルトガル版ブイヤベース。赤みを帯びたスープは、最初に甘み、その後に深いコクが押し寄せる複雑な味わい。魚介はそれぞれがふっくらと蒸し上がり、スープを吸い込んで滋味深く、噛むほどに海の香りがじんわり広がります。余ったスープにバゲットを浸せば、最後の一滴まで余すことなく堪能できました。
締めにいただいたのは「タコの雑炊」。カタプラーナのスープを思わせる濃厚な魚介出汁を使い、お米をことこと煮込んだ一皿です。口に運ぶと、弾力あるタコとふっくらした米が一体となり、魚介の深い旨みがじんわり広がります。日本の雑炊に似ていながらも、香味野菜の爽やかさとオリーブオイルの風味が異国を感じさせる味わいでした。
ポルトガルワインと伝統料理に浸った丸の内の夜。まるでリスボンの食卓を訪れたかのようなひとときに、心もお腹も満たされました。次は同僚たちとも訪れて、さらに多彩なワインと料理を楽しんでみたいなと思います!次回の「丸の内Friday Night」もどうぞお楽しみに!
マヌエル タスカ ド ターリョ 丸の内店
住所:東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル B1F
電話番号:03-5222-5055
営業時間:11:30〜14:30(L.O. 14:00)、18:00〜22:00(L.O. 21:00)
土・日:11:30〜15:00(L.O. 14:00)、18:00 - 22:00(L.O. 21:00)
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