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ワコム「Wacom MovinkPad 11」

描き心地最高! iPad Proじゃないなら買うのはこれでしょう 6万円台のワコムのAndroid液タブ

2025年10月14日 18時30分更新

文● イチ/岡本/ASCII 編集⚫︎ASCII

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 これまでは「単体のタブレットでお絵描きするならiPadが無難」という風潮がありました。しかし、iPadはモデルによってはどうしても高価ですし、Apple Pencilの描き味が合わないと感じる人もいます。

 そこに「Androidベースの液タブ」という形で登場したMovinkPad 11は、まさに“iPadじゃない選択肢”として存在感を放っています。

 アプリはiPadほどは充実していませんが、イラストを描く人にとって必要な定番アプリはしっかり用意されていますし、お絵描き用タブレットとして迷う理由がほとんどない完成度で、特に「中途半端なものは避けたいけど、いきなり高額モデルはちょっと……」という人に刺さるはず。

 発売直後から品薄になるほどの人気も納得で、「デジタルで描くってこういうことか!」という体験を手軽に味わえる、待望の1台に仕上がっています。

Wacom MovinkPad 11を購入する3つのメリット

ポイント(1)ロ級のペンが標準付属で、価格は6万円台

 まず注目すべきは、標準で付いてくる「Wacom Pro Pen 3」です。8192段階の筆圧検知、傾き検知対応、そしてバッテリーレス仕様。ペン先の追従性も極めて自然で、紙に描いているかのような感覚をしっかり再現してくれます。これが6万円台の本体価格に含まれているのは、正直かなりお得です。

 これからデジタルで描いてみたいという人にとっては、最初からレベルの高い描き心地を体験できるのは大きなメリット。よくある「安いけど、描き味がイマイチだからすぐ買い替えたくなる」といった失敗を避けられるのは大きなポイントです。

 比較対象になりやすいのがiPadシリーズですが、iPad本体に加えてApple Pencilを購入すると結局かなりの金額になります。その点、MovinkPad 11なら最初からワコムの描き心地がセットになっており、追加投資なしで安心して始められます。

ポイント(2)PC不要で本格お絵描き。Androidタブレットとして独立して動作

 MovinkPad 11の大きな特徴は「単体で動く」ということ。PCに接続しなくても、Androidタブレットとしてアプリをインストールし、そのままお絵描きを始められます。人気アプリの「CLIP STUDIO PAINT」を入れれば、PCと同じ感覚でレイヤー管理やブラシ操作を駆使した本格的なイラスト制作が可能です。

 自宅のソファ、外出先のカフェ、学校、公園などでもこのタブレットさえあれば、すぐに絵を描き始められる自由度は大変うれしいです。

 さらには汎用のAndroidタブレットなので、イラストアプリだけでなく、ちょっとしたSNSチェックや資料参照も可能。後述するように決して高性能ではないものの、「描くことをメインにしつつ、最低限のこともできる(しかも比較的お手頃)」というちょうど良さが魅力です。

ポイント(3)ひらめきを逃さない「Quick drawing」機能

 「鉄は熱いうちに打て」ということわざもあるように、クリエイターは「今描きたい!」と思ったときにペンを取りたいですよね。

 MovinkPad 11は、その一瞬の感情を逃さない仕組みを持っています。それが「Quick drawing」機能。ペンを長押しするだけでスケッチアプリが立ち上がり、すぐに描き始められます。

 これは、スケッチブックを机の横に置いておくような感覚に近いもの。メモ帳にサッと落書きするような気軽さで、アイデアを残しておけます。ひらめきを記録するための「第二のノート」として使える点でも、他のタブレットにはない魅力を感じます。

購入時に注意するべき側面

ポイント(1)タブレット性能は“ほどほど” 用途を選ぶ

 MovinkPad 11はあくまで「描くこと」に特化した端末です。そのため、タブレットとしての性能をiPadや高性能Android機と比べると、処理速度やアプリの動作に物足りなさを感じることがあるかもしれません(CPUはMediaTek Helio G99とエントリークラスのAndroidタブレットでは定番のものです)。

 特にA3より大きいサイズでの印刷を前提にしたようなイラストデータの扱いや大量のレイヤーなど、負荷が大きい作業を考えている人には向いていない可能性があります。とはいえ「描くことに集中できる」ことを前提に作られているので、用途をしっかり絞れば不満は少ないでしょう。

ポイント(2)iPadと比べても「描くことに特化」しているのが強み

  結局のところ、「iPadとどっちがいいの?」と考える人は多そうです。iPadはタブレットとしての万能性が強みで、特にiPad Proであれば、飛び抜けて高い性能と充実したアプリで日常用途も快適にこなしてくれるはずです。

 一方でMovinkPad 11は、基本は「描くための道具」として設計されているのが特徴。得意分野がはっきりと分かれています。

 そのため「1台で全部やりたい」人にはやや物足りなさが残るかもしれません。しかし、「描き心地を最優先にしたい」人にとっては、iPadよりも満足度が高くなるでしょう。Apple Pencilを別途購入して総額が上がるiPadに対し、MovinkPad 11はペン込みの価格で本格的な描き味を手に入れられる点でも優位性があります。

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