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最新PCゲームチェッカー 第87回

クリアまでプレイした上で評価!

求めよ、さらば与えられん――『終天教団』伏線が1つに収束するカタルシスは唯一無二の面白さ!【PCゲームレビュー】

文●Zenon/ASCII

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●さよなら終天教団【クリア後感想】

 クリアまでかかった時間は約45時間。たっぷりどっぷりとこの世界観に浸ることができた。まず5つのルートで最も印象に残ったのは恋愛アドベンチャー(?)。濃すぎる3人の女の子を口説き落とすルートだが、「全員ヤンデレじゃねぇか!」と全力でツッコミたい。放っておくと爆弾がさく裂してゲームオーバーとか、古き良き学園恋愛ADVの伝統を持って来たのにはちょっとクスッとした。

告白後の女の子はもれなくヤンデレ化。定期的にかまってあげないと“死”あるのみ

 ほかだとやはり推理アドベンチャーは安定のおもしろさがあった。トリックの内容もなかなかぶっ飛んでいて、話の流れで「あぁそういうことだったのか!」と上手く気付かせてくれるシナリオの運び方はお見事。このルートについてはぜひプレイをオススメしたい

周囲から疑われるメイドさん。可愛い子が疑われてるときは、表面上かばいながらもつい「じつは黒幕では…?」と疑いの目を向けてしまう

 ただ、極限脱出アドベンチャー、マルチ視点ザッピングノベル、ステルスアクションホラーはそれぞれ「苦手な人」には詰まりそうな要素があるのがネック。ヒントや助け舟は用意されているものの、全ルートやらないと物語の真相がわからないという仕様上、避けては通れないのがやや苦行に感じた。

筆者、ステルスホラー苦手なんですよ……。安全地帯のロッカーに隠れても刺されてゲームオーバーになるし(早く隠れれば大丈夫)

 全ルートを攻略し、すべての伏線が1つに収束する瞬間のカタルシスは筆舌に尽くしがたい。緊張感のある選択、知恵熱が出そうなほど悩むパズル、狂気を感じる演出、それらを乗り越えた先に待つ解放感。クリア後は思わず「さよなら終天教団…」とつぶやいてしまうほどには没頭できた。

 これは本作だからこそ味わえる、バラエティに富んだ唯一無二のアドベンチャー体験だと言えるだろう。ぜひ、その目で「教祖殺害事件」を含むすべての謎の真相を確かめてみてほしい。

たびたび表示される「世界の終焉まで残り●●●」。このカウンターの数字が意味するところも、ぜひプレイして「理解」してほしい

筆者のイチ押し「黒四館 仄(こくしかん ほのか)」。水瀬いのりさん演じる狂気の叫びが、耳から離れてくれない。あぁ、我には終天教のご加護あり!(洗脳済み)

 

【ゲーム情報】

タイトル:終天教団
ジャンル:マルチジャンルアドベンチャー
販売:DMM GAMES
開発:Tookyo Games
プラットフォーム:Nintendo Switch/PC(DMM GAME PLAYER/Steam)
発売日:2025年9月5日 ※Steam版は16時より配信予定
価格:
 通常版:6980円(パッケージ版/ダウンロード版)
 豪華版:1万3580円(パッケージ版)
 デジタルデラックス版:9180円(ダウンロード版)
CERO:D(17歳以上対象)

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