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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第550回

スズキ スイフトの「激レアMT」はエコでお財布にも優しい隠れた名車だった!

2025年08月11日 15時00分更新

文● 大音安弘 編集●ASCII

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クラッチを踏まないとエンジンがかかりません!

 それでは、ドライブに連れ出すために始動しましょう。その際にはひとつの儀式が必要です! そうクラッチペダルを踏み込むこと。MT車には、クラッチスタートシステムが装備されているため、AT車で行なう安全のためのブレーキペダルの踏み込みに加え、クラッチペダルも同様の操作が必要なのです。クラッチを踏み忘れると、エンジンは始動しません。

 MT乗りには常識となっていますが、今や知らない人も多いはず。ちなみに、クラッチスタートシステムは、始動時の誤発進の安全対策として、1999年以降の生産車より順次採用され、今ではすべてのMT車に標準化が義務化されています。

 エンジン始動時はエンジンスターターを使いますが、マイルドハイブリッド仕様のスイフトなので、エンジンの再始動はISGによるベルトドライブとなるので振動が少なく、静かなのがうれしいところ。

 クラッチペダルやシフトの操作は、軽やかでスムーズ。アナログ2眼式メーターパネルなので、エンジン回転数も分かりやすくなっています。MTは各ギアの守備範囲も広い5速なので、一般道では、3速や4速を多用したモノグサ運転も可能です。

視認性に優れる2眼式タコメーター。MT初心者も安心です

ショートストロークのシフトなので、操作も楽チン

残念ながら(?)スポーティーさはナシ

 スイフトのMTというと、スイフトスポーツをイメージするかもしれませんが、期待されるスポーツ性は、正直まったくなし。エンジン音やシフトフィールに官能的な部分もありません。極めて基本に忠実なMT車なのです。一気に5速までシフトアップすると、多少の加速と巡航ならばそのままでOKという感じ。個人的には、6速化でもうちょっと加速重視の設定とし、エンジンとの対話を楽しみたいところ。でも、これこそがスイフトMTの狙いなのです。

 MTの運転が苦にならないように、操作系は扱いやすさを重視。さらにシフト操作を必要最小限とするべく、あえての5速を選択しているのです。その意図を汲めば、確かに街中でも高速でもMT操作のわずらわしさは感じにくくなっています。しっかり、ヒルホールドコントロール(坂道発進のアシスト機能)も装備されていますから。

スポーツモデルの継承に期待!

 すでに高齢ドライバーの多くがAT車が当たり前となった今、ベテランドライバーでもMT派は少数となってきています。それでもMTを設定し続けることに、ユーザー想いのスズキのこだわりが表れています。そして、実用スペックだからこそ、日常運転の中でしっかりとMT運転の基礎を学ぶこともできます。

必要なホールド性とスムーズな乗降性を両立させたフロントシート

スポーツ性は薄めだけど、ドライバーに従順な走りを実現する運動性能を備えます

 しかし、新型スイフトの素性が良いだけに、伝統のスポーツモデル(スイフトスポーツ)の継承に期待してしまうのも本音。現行となる先代ベースのスイフトスポーツは、特別仕様車だけとなり、在庫もわずかと聞きます。一人のクルマ好きとしては、新型のニュースが待ち遠しばかり。でもスズキからは、スイスポに関する情報は一切ありません……。

 もし新型が出ない、時間がかかるようならば、先代同様、限られたパワーを欧州仕込みの足回りで楽しむ「RS」の設定をお願いしたいと切に願います。

 そして、直接的なライバルとなるトヨタ「ヤリス」は、なんと1.5Lエンジンで6速MT。軽さと燃費の良さは、スイフトの勝ちですが、近しい存在だけに、いつかライバル対決も試みたいと思います。

現時点で、次期スイスポの未来は不明。ならば、まずRSの復活を望みたいところ

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