人気を集めるトヨタの高級ミニバン「アルファード」と「ヴェルファイア」。なかでもアルファードは政治家やセレブの足として人気を集めています。そのアルファード/ヴェルファイアにPHEV(プラグインハイブリッド)モデルが登場。
これぞ本命でしょ! ということで、取材陣の中では最もセレブに近い、アイドルの寺坂ユミ(ゆみちぃ)さんとともに紹介します。
トヨタのショーファーカー戦略の一翼を担う
アルファードPHEV
話は2023年9月にさかのぼります。それは新型センチュリー発表会でのこと。SUVライクなエクステリアに誰もが驚きましたが、次に驚いたのはトヨタのショーファーカー(運転手付きクルマ)戦略でした。センチュリーをトップに、クラウンFCEV(水素燃料自動車)とアルファードPHEVのプロトタイプが展示されていたのです(新型「センチュリー」は日本のおもてなしと匠の技が融合した選ばれし者の車)。
これはトヨタがセンチュリーを頂点とするショーファーカーラインアップのお披露目であるとともに、その分野に力を入れていくという意思表明であるのは、その場にいた誰もが感じたことでしょう。
次は2024年6月。ゆみちぃは2.4L 直4ターボエンジンを搭載したヴェルファイアを試乗しました(トヨタの高級ミニバン「ヴェルファイア」は2列目が眠り姫になるほど快適すぎた)。
意気揚々と試乗取材を開始したのですが、ゆみちぃは「居住性は最高だけれど、エンジンがウルサイ」とバッサリ。トヨタ的に「ヴェルファイアはドライバーズカー、アルファードは2列目重視」というすみ分けがあり、それゆえターボエンジン搭載車が用意されているわけで……という言い訳は、アイドルに通じるわけがありません。
「今度、アルファードのハイブリッドをご用意しますので」とお約束してから約1年。待望のPHEV仕様が用意できたので試乗することになりました。
数字に表れない魅力があるアルファードPHEV
アルファードPHEVの価格は1065万円~。同グレードのハイブリッドモデルが860万円~なので、ざっくり200万円アップ。そのコストのほとんどがPHEV代であるのは想像に難くありません。
エンジンは2.5L 直列4気筒にモーターの組合せ。ですが、エンジンの最高出力はハイブリッドと比べて10馬力ダウンの177馬力。最大トルクも22.3kgf・mと、0.8kgf・mダウンしています。ちなみにモーターはプラグインハイブリッドもハイブリッドも同じものが使われています。
燃費もWLTCモードで約1km悪化の16.7km/L、さらにガソリンタンクはバッテリーを搭載するために、ハイブリッドと比べて13Lも少ない47L。長距離移動をするならハイブリッドが正解といえそうで、プラグインハイブリッドは、値段は高い/パワーない/途中で給油しないとダメ、と良いところナシです。数字の上では……。
ですが、数字に出ない部分で良いところがいっぱいあります。まずは「バッテリーだけで走行可能なこと」。最大73km、電気の力だけで走行可能です。つまり「短距離移動時は静かに移動できる」というわけ。
静かで振動が少ない状態で移動できることは、ラグジュアリーにとって必要な要素。それゆえ昔はセンチュリーにV型12気筒を搭載したわけですし、クラウン・セダンFCEVがトヨタのショーファーカーラインアップに加わっているわけです。
また、電気で走行できるということは、補助金が出ることも意味しています。CEV補助金(令和6年度補正)が48万円、グリーン化特例で翌年度の自動車税が約3万2500円減税、そしてエコカー減税として、自動車重量税が3万7500円減税の優遇額は約55万円! ハイブリッドよりは高いことに代わりないとはいえ、ちょっとうれしい話だったりします。
そしてトドメが「エンジンを動かさなくても電気が使える」ということ。最近のトヨタ車はハイブリッド車でもエンジンを動かせば100Vの商用交流電源が取り出せますが、PHEVならより大電力であったり、エンジンを発電機として使うことだってできます。
たとえば災害時、首長の公用車がアルファードPHEVなら、避難所での電力供給ができますし、キャンプ場で家電が使える、ロケ先でドライヤーや大型ストロボ、デスクトップPCが使えるといいことづくめです。
室内は基本的にアルファード・ハイブリッドの最上位グレードと同様。ですが、6人乗りという点が異なります。具体的には2列目はそのままで、3列目が2人掛けになっており、そのぶんだけ快適さがアップという印象。
その3列目ですが、アクセスするのはかなり大変。この手のエグゼクティブミニバンの場合、3列目は秘書や付き人が乗るのが通例らしく(助手席ではない)、秘書や付き人はいちいち、この椅子を動かして後ろに座るのか……と思った次第です。
2列目シートは、トヨタとしては初となるオットマンもアームレストもヒーター付き。寒い冬には実にウレシイ、まさにラグジュアリーな装備です。このキャプテンシートにゆみちぃは大満足。USB Type-Cもありますから、移動中にスマホ充電ができます。椅子のリクライニングなどはタブレット端末で行ないます。手元で集中コントロールできるのはとても便利ですね。さらにセンターテーブルもあったりで、本当に至れり尽くせり。
後部座席はあっという間に眠りにつけるほど快適
今回、ロケ先が御殿場だったため、ゆみちぃは後席へ。「すごく快適ですし、めっちゃ静かで最高!」と、お姫様モードです。驚いたのは、この日に取材したメルセデス・マイバッハの電気自動車よりも、乗り心地が良かったこと。「マイバッハよりも柔らかくて、振動が少ない印象です」というわけで、気づけば眠り姫モードに。
お姫様がお目覚めになられた頃、御殿場に到着。さっそく運転してもらいました。「なんかトラックみたいですね」とゆみちぃ。ドライビングポジションが普通のクルマとは異なりますので、たとえば車庫入れや出庫などでは、少し慣れが必要だったりします。
気になるのは高速道路でのパワー感。思いっきりベタ踏みすると、相応にエンジンが唸りを上げますが、威勢のよい音の割は加速しない印象。ワインディングの上り坂で攻めたいのなら、ヴェルファイアがありますので、そちらをどうぞ、というわけです。
「とても良かったです。最初からコレを持って来てくださいよ」とゆみちぃ。いえいえ、本命はいつも最後にやってくるものです。そしてトドメとなる本命として、アルファードPHEVの4人乗りがあるのだとか! こちらもいつか、お借りしてみたいと思います。

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