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2025年版の「生成AI実用化推進プログラム」は戦略策定までサポート

生成AIをどう実用化? ビジネス成果は? AWSと取り組んだ5社/組織が結果を報告

2025年04月21日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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NTTデータ:誰もがクリエイティブを作成できるAIエージェント

 NTTデータは、パーソナルエージェントが複数のAIと連携しながらオフィスワーカーの業務を改革する「SmartAgent」構想を推進している。SmartAgentは、ユーザーの直接的な窓口を担う「パーソナルエージェント」、専門知識を持ってタスクを実行する「特化エージェント」、単純・定型タスクを実行する「デジタルワーカー」、複数エージェントを束ねる「マルチエージェント」の4つの技術で構成。AWSの支援を受け、開発を進めているのが、クリエイティブやデザイン案を生成する特化エージェントである。

SmartAgentを実現する4つの技術

 この特化エージェントは、誰もが一定水準のクリエイティブを短期間かつ低コストで作成できることを目標としており、「Supervisor Agent」が、複数の機能を自律的に使い分けるのが特徴だ。

 NTTデータのテクノロジーコンサルティング事業部 課長代理である藤田森也氏は、「Supervisorが、画像生成やデザインの生成、ウェブ検索などの機能を駆使してユーザーの要望に応えるという、まさにSmartAgent構想で目指す仕組みをとる」と説明。改善点や不足する情報などを自律的に考え、ユーザーに問いかけてくる点も、AIエージェントならではだ。

NTTデータ テクノロジーコンサルティング事業部 課長代理 藤田森也氏

 同エージェントを、プログラムのMeetupイベントで発表したところ、その場でデザイン関連の企業とつながることできたという。今後は、マーケティング領域でのエージェント機能も拡充していく予定だ。

フリー:損益計算書を分析・解析するAI機能をリーン開発で

 フリーでは、クラウド会計ソフト「freee会計」の新機能として、損益計算書(PL)を分析・解析する「AIクイック解説」を開発した。フリーのAIプロダクトマネージャーである木佐森慶一氏は、「自分自身が突然、研究者から経営者になって、PLを確認するコツやポイントが分からなかったことが原体験」と説明する。

フリー AIプロダクトマネージャー 木佐森慶一氏

 同機能では、Amazon BedrockのFunction Calling機能である「Tool use」が、大量データから適切な関数と引数を取得、そのデータを基にClaudeの最新モデルが回答を生成する仕組みとなっている。リーン開発の手法を用いており、2日間の合宿でプロトタイプを作成した後に、壁打ちに協力してくれるユーザーと、ユーザー課題を徐々に解決しながら完成度を高めていった。

AIクイック解説の仕組み

 現在、大規模なβテスト中であり、「気軽に質問でき、準備を含めると10時間以上の工数削減になる」「経理業務が限られた中、分析業務を4~5時間削減できる」といった声が挙がっているという。2025年5月14日に開催される「freee TOGO World」では、AIクイック解説の進化版が披露される予定だ。

エイチ・アイ・エス:年間2万7000時間の業務削減を見据える店舗DX

 エイチ・アイ・エスの手掛ける旅行事業は、まだ半数近くが店舗での対面販売だという。そのため、店舗の業務効率化を目的にAI活用を推進中だ。

 同社が目を付けたのが、顧客に搭乗便の変更やキャンセル料といった「商品販売の条件を案内する」業務。オペレーターが条件書を目視で確認・理解するには、5分から10分の時間を要し、目視による人的ミスの発生やスキルや経験で差が出ることも課題だったという。

 そこで、ブラウザ経由で商品情報をリクエストすると、Amazon Bedrockが条件書から必要な情報を抽出・要約する仕組みを構築。その結果、条件書の読み取り作業は「4秒から5秒」にまで短縮され、特定商材では商品見積時間を20%削減したという。

商品販売条件書の読み取りのAI活用の仕組み

 本サービスは、試験利用を経て、2025年4月より関東の全店舗にて利用を開始しており、問題がなければ全国の店舗へと広がる予定だ。全国150店舗で1年間利用した場合には、合計で年間2万7000時間の業務削減効果が見込まれる。

 エイチ・アイ・エス DX推進本部 サービスプラットフォーム企画部の李章圭氏は、「AIを活用することで、今まで店舗の従業員が事務作業にあてていた時間を顧客に向き合う時間に変え、顧客満足度を向上させていきたい」と語った。

エイチ・アイ・エス DX推進本部 サービスプラットフォーム企画部 李章圭氏

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