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パートナーと共に“全方位”で届けるクラウドの可能性

AWSの2025年のパートナー戦略は? 生成AI・クラウド移行に加え、マーケットプレイスを本格展開

2025年05月12日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は、2025年5月8日、2025年のパートナー戦略に関する説明会を開催した。

 同社が今年、パートナー支援で注力していくのは、「生成AI」「マイグレーション・モダナイゼーション」「AWS マーケットプレイス」「AI・クラウド人材の育成」という4つの領域。説明会では、各領域での最新の取り組みや成果が披露された。

 同社のパートナーアライアンス事業統括本部 常務執行役員 事業統括本部長である渡邉宗行氏は、「我々は、あらゆる業種や地域、企業規模のお客様に、全方位でクラウドのメリットを届けていく。これに共感してもらえるパートナーと、特に4つの領域で取り組みを推進していきたい」と説明する。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン パートナーアライアンス事業統括本部 常務執行役員 事業統括本部長 渡邉宗行氏

生成AI:「ビジネス創出」と「開発生産性向上」を支援

 まず、「生成AI」におけるパートナー支援は、パートナーの売上を伸ばすための「ビジネスでの活用」とパートナーのシステム開発を効率化する「生産性向上のための活用」の2軸で展開される。

 ビジネスでの生成AI活用において注力するのが、「生成AIコンピテンシー」だ。これは、2024年にグローバルで開始したプログラムで、生成AIでの開発・インフラ構築を支援する能力を有したパートナーを認定する制度になる。日本では、業界・タスク特化型LLMを開発する野村総合研究所とAmazon Bedrockでの業務効率化を推進するアイレットの2社が認定を受けている。今後、認定パートナーを増やすべく、技術支援を展開する。

生成AIコンピテンシー

 AWSの生成AIスタックでビジネスを創出するパートナーも紹介された。NTTデータは、複数のAIエージェントが連携しながら業務を抜本的に改革する「SmartAgent」構想を推進中だ。その第一弾である営業領域の「LITRON Sales」は、AIエージェントの構築基盤「Amazon Bedrock Agent」が活用されている。今後展開される「マーケティング業務エージェント(仮)」にも、画像生成のAIモデル「Amazon Nova Canvas」が用いられる。

 また、日立製作所では、運用管理SaaS「JP1 Cloud Service」の生成AIアシスタントの実装に、生成AIアプリケーションの開発基盤「Amazon Bedrock」を活用している。

NTTデータの事例

日立製作所の事例

 一方、パートナーの生産性向上において中核となるサービスが、ソフトウェア開発向けの生成AIアシスタントである「Amazon Q Developer」だ。多様なツールが登場するコーディングアシスタントのひとつであり、ソフトウェア開発の設計から開発、テスト、運用までを包括支援する。渡邉氏は、「日本の開発を担ってきたインテグレーターの生産性を、Amazon Q Developerのようなエンドツーエンドの開発支援ツールによって向上させる」と強調する。

 その他にも、日本の独自プログラムである「内製化支援推進 AWS パートナー」では、生成AI活用の内製化を伴走支援するサービスも追加している。同プログラムに参画する7社(アイレット、SCSK、クラスメソッド、シーイーシー、ジェーエムエーシステムズ、野村総合研究所、豆蔵)との協力の下で展開される。

内製化における生成AI活用支援サービスオファリングを提供するパートナー

マイグレーション・モダナイゼーション:メインフレーム・VMware・SAPの移行支援に注力

 「マイグレーション・モダナイゼーション」の領域では、クラウド移行を支援する日本独自プログラム「ITトランスフォーメーションパッケージ(ITX)」を提供する「MCP(Migration Competency Partners)パートナー」を拡充していく。現在、認定パートナー企業は11社に上っている。

ITトランスフォーメーションパッケージと認定パートナー

 その1社であるSCSKは、沖電気工業のデータセンター閉鎖に伴うマイグレーションを、ITXを通じて支援。オンプレミスで運用する約300のシステムを、AWSおよびSCSKのUSiZE&データセンターへと移行を進めている。当初より6カ月早くAWSへの移行を完了させ、2025年度内には完全移行する予定だ。

SCSKのマイグレーション支援事例

 また、特に注力するクラウド移行の領域として、「メインフレーム」「VMware」「SAP」「.NET」の4つが挙げられた。

 メインフレームでは、2024年に、富士通とモダナイゼーション推進に関する協業を発表し、「非常に多くの問い合わせがあり、実際にプロジェクトが進んでいる」(渡邉氏)という。VMwareに関しては、仮想化基盤の見直しにおいてクラウド移行が選択肢のひとつになる。

 SAPについては、SAP ERP 6.0の標準サポート終了に伴う「2027年問題」が追い風となっているという。.NETについては、リファクタリングでのライセンスコストの低減を推進していく。

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