エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のアート散歩 第30回

休館中のBunkamura(東京都渋谷区)だからこそ出来るストリート感が痺れるアートプログラムが開催中だぞ

文●写真●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

  • お気に入り
  • 本文印刷

 Bunkamuraは2025年3月13日から3月23日まで、休館中のBunkamura館内(東京都渋谷区)で期間限定のアートプログラム、SHIBUYA FASHION WEEK 2025 Spring × Bunkamura「Bunkamuraの未来を照らす新しいアート体験2025」を開催している。

 この企画は「渋谷ファッションウィーク2025春」と東急株式会社・Bunkamuraが共催し、東京で毎年3月に開催されるクリエイティブの祭典「Tokyo Creative Salon 2025」の一環として行われる。現在、休館中(オーチャードホールを除く)のBunkamuraは様々なエリアに活動の場を広げて発信を続けているが、原点である渋谷の“街(ストリート)”を再検証することで、そこにあるべき未来の姿の表出を試みている。

 筆者は3月12日に行われたプレス向け内覧会を訪れ、参加アーティストにも取材をしてきた。ザ・ミュージアムの取材はもちろん、現在も使われているオーチャードホールでのキング・クリムゾンの公演は忘れられないコンサートであり、現在、長期の閉鎖になっていて、今回の展示にも使われている「ドゥ マゴ パリ」はよく通って、ここでインタビューをしたり、ドゥ マゴ 文学賞のパーティーに参加するなど、Bunkamuraの思い出は尽きないが、今回の大胆な展開を楽しんできた。

*「ドゥ マゴ パリ」は2023年4月9日をもって、一旦営業を終了、同年6月より「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」内で小さなスタンドカフェ「ドゥ マゴ パリプチカフェ」として営業中

大山エンリコイサム《FFIGURATI #652》2025年 Artwork ©︎Enrico Isamu Oyama / EIOS  Photo ©Shu Nakagawa

河野未彩《【発光×干渉×鑑賞】者》の前で筆者

 Bunkamura館内を使ったアートプログラムの2回目となる今年は、渋谷の“街(ストリート)”に焦点をあてる。大型商業施設だけでなく、個性豊かな路面店がひしめき合い、アート、ファッション、音楽など、最新のカルチャートレンドを生み出しながら独自の街文化を形成してきた渋谷。Bunkamuraは開館以来、そんな渋谷の街と共にあり続け、文化・芸術の発信拠点として活動を続けてきたが、今年は、休館中であるBunkamuraだからこそ可能な、思い切った作品が並ぶ。

 Bunkamura館内では、SIDE CORE、LGSA by EIOS、河野未彩が新作インスタレーション等を展示。屋外では、隣接エリアの解体工事にともない新たに現れたBunkamuraの外壁に大山エンリコイサムが大型壁画を制作した。また、会期中はアオイヤマダによるパフォーマンスや、トークイベント等の関連イベントも開催される。

河野未彩(カワノ ミドリ)

■タイトル:【発光×干渉×鑑賞】者

■展示場所:Bunkamura1階 正面エントランス

 多くの来場者を迎え入れるBunkamuraの広いエントランス空間を使い、鮮やかな光と行き交う人々が交差する。このインスタレーションは、物理学の「二重スリット実験」を活用し、二重スリット実験では、光や電子が2つの隙間を通る際に干渉縞(インターフェアランスパターン)を形成する現象が観察されるが、河野氏はこれをアートに置き換え、光と影が重なり合うことで生まれる美しいパターンを可視化した。観賞者の視点や動きによって見え方が変わるため、一人ひとりが異なる体験を得られる設計になっている。

 作品では、RGBライト(赤・緑・青の3原色を用いた照明技術)を活用し、光が物体に当たることで生まれる影が単なる黒ではなく、カラフルに変化する現象を表現している。この技術を応用したインスタレーションは、観賞者が通路を移動する中で光と影のインタラクティブな体験を提供することが出来る。

 普段、私たちは都市の中で構造や光、影に囲まれながら生活しているが、それらを意識することは少ない。この作品は、シンプルな要素を分解・再構築することで、日常の見落としがちな美しさや発見を呼び起こし、都市の再解釈を提示しているようだ。

河野未彩 《[ 発光×干渉×鑑賞 ] 者》2025

●プロフィール

 視覚ディレクター/グラフィックアーティスト

 音楽や美術に漂う宇宙観に強く惹かれ、2000年代半ばから創作活動を始める。多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業後、現象や女性像に着目した色彩快楽的な作品を多数手がける。多色の影をつくる照明「RGB_Light」は、日米特許取得から製品化までを実現。最近の展覧会に「海老坐禅展」(PARCO MUSEUM TOKYO、2025)、「宙 飛ぶ リンゴ」(HARUKAITO by ISLAND、2024)、ART SQUIGGLE YOKOHAMA 2024(山下埠頭、2024)、TOKYO GENDAI(パシフィコ横浜、2024)など。

ウェブサイト https://md-k.net/
インスタグラム @midori_kawano

河野未彩氏

SIDE CORE

■タイトル:rode work shibuya

■展示場所:Bunkamura 地下1階 吹き抜け

 rode workシリーズの大型新作インスタレーションを展示。また、休業中のドゥ マゴ パリ店内でも新作の展示を行っている。

 新作インスタレーション『rode work shibuya』 は「SIDE CORE」が手掛ける「ロードワーク(rode work)」シリーズの最新作で、大型インスタレーションとしてBunkamura地下1階の吹き抜けに展示されている。このシリーズは、ストリートカルチャーを背景に、都市の風景や構造をアートとして再解釈を試みている。

 今回は渋谷の「街」をテーマに、ダイナミックな空間演出をしている。休業中の「ドゥ マゴ パリ」店内でも、追加の新作が展示されている。吹き抜けの大型作品とは異なり、店内の親密な空間を活かしたインスタレーションが楽しめる。

SIDE CORE《柔らかい建築の為の習作》2025。ドゥ マゴ パリ内

SIDE CORE《day by day》2025。ドゥ マゴ パリ内

 SIDE COREは、今回の展示について「渋谷は何度も訪れている場所ですが、毎回その空気感や音に特別なものを感じます。例えば、飛行機の航路が上を通るときの音や、車の音が一瞬だけ響いてくる瞬間があって、まるで街の中に大きな穴が空いていて、そこに都市の断片が落ちてくるようなイメージが浮かびます。それを拾い上げて作品に仕立てたのが今回の展示です」と語っている。

 吹き抜けの印象的な照明のオブジェについて、「シャンデリア(立体作品)は『ロードワークシリーズ』の一つで、道路工事現場の照明を使ったシャンデリアです。この照明は東日本大震災後の復興工事で全国に流通したもので、都市の再開発現場でよく見かけるものです。特徴的なのは、電波時計を受信して光が同期する仕組みで、福島から発信される電波がここ渋谷で揃って光っているという状況を作り出しています。外の風景と繋がっている感覚をテーマにしていて、震災以降の時間が経つ中で照明自体が古びてきて、点灯がまばらになってきたのも面白い変化だと思っています。素材には工事現場の足場パイプを使い、街で積み上がっていく建築や構造物を表現しています」と説明している。

SIDE CORE《rode work shibuya》2025。地下1階吹き抜け

●プロフィール

 2012 年より活動を開始、東京都を拠点に活動。メンバーは高須咲恵、松下徹、西広太志。映像ディレクターは播本和宜。個人がいかに都市や公共空間のなかでメッセージを発するかという問いのもと、ストリートカルチャーの思想や歴史などを参照し制作する。ときに他ジャンルの表現者を交えたプロジェクトとして、 都市の死角や隙間となる場所で多彩な作品を展開。近年には、個展「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」(ワタリウム美術館+屋外、2024)開催、第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」(横浜美術館ほか、2024)参加。

SIDE COREのメンバー

大山エンリコイサム

■タイトル:FFIGURATI #652

■展示場所:Bunkamura外壁(※東急百貨店本店跡地に面したBunkamuraの壁面)

 新たに解放されたBunkamuraの外壁に大型壁画を制作。多くの人でにぎわう文化村通りの景観をダイナミックに変容させる。 ◎特別協力:Takuro Someya Contemporary Art、株式会社中川ケミカル

 約20年間続けてきた「クイックターンストラクチャー」という、白と黒を基調にしたストリートアートから影響を受けたモチーフを使ったもの。今回は特に、大山氏の作品の中でも最大級のサイズで、地上約30メートルの高さに達する壁画になっている。

 制作はゴンドラに乗り込み、チームで2週間という限られた時間の中で、天候を見ながら進めた。渋谷の街中という環境もあり、さまざまな角度から見えるのも特徴。例えば、前のビルと同じ高さから見たり、地上から見上げたり。現在隣で工事が進行中で、本来隠されていた壁面がむき出しになり、凹凸があったり整備されていない状態がユニークなキャンバスになった。大山氏は「都心にありながら非日常的な空間が生まれた作品になったのではないかと思います」と語る。

大山エンリコイサム《FFIGURATI #652》2025年 Artwork ©︎Enrico Isamu Oyama / EIOS

■タイトル:小展示 「資料でひもとくストリート LGSA by EIOSの視点から」

■展示場所:Bunkamura 地下1階 旧Bunkamura Studio

 2025年夏に渋谷にて資料室の開室を予定するLGSA by EIOSが、先行して書籍資料を展示している。今年の夏頃に渋谷の桜ヶ丘エリアに、物理的な展示スペースを設ける予定で、そこでは、大山氏が個人的に所有していた約500冊のストリートアート関連資料を基に資料室をスタートさせる。

 ただ、大山氏の個人的な所有物を公開するだけでなく、利用者の視点に立って、より公共的で学術的な関心を持つ人々に役立つ場所にしていきたいと考えている。

 今回はBunkamuraのスペースを借りて、現在ある資料の中から書籍12点と映像資料1点、計13点を展示している。パネルにタイトルが記載されており、奥に行くと各資料の横に詳しい解説があります。映像資料は2006年の映画で、渋谷を舞台に、平成の若者グループがストリートアートを通じて葛藤や成長を描いた作品が流されている。

 大山氏は「ストリートアートは約50年の歴史を持ち、元々は若者文化やファッション寄りのものとして見られていましたが、今では美術館での展覧会や研究が進み、成熟した文化になりつつあります。この資料展示も、そうした文化の可能性を社会に伝える試みです。この映画は約20年前の過渡期を切り取ったもので、アートを描く人々の内面も面白く描かれていると思い、渋谷が舞台という縁で選びました」と展示の理由を語った。

 LGSA by EIOS (ラグサ バイ エイオス)は、大山エンリコイサムスタジオが運営する資料室/ギャラリー。 ストリートアートとエアロゾル・ライティング、および隣接する文化領域について、社会理解の浸透と向上を目的とする。

 文献の収集・管理・公開を主務に、展覧会やトークイベントなど複合的なプログラムを実施し、ストリートアートをめぐる言説環境の整備に従事する。2025年夏 渋谷にて開室予定。

X @lgsa_by_eios
インスタグラム @lgsa_by_eios

「資料でひもとくストリート LGSA by EIOSの視点から」展示風景、2025年 Bunkamura 地下1階、旧Bunkamura Studio(渋谷、東京) ©EIOS

●プロフィール

 美術家。ストリートアートの一領域であるエアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開。イタリア人の父と日本人の母のもと、1983年に東京で生まれ、同地に育つ。

 2007年に慶應義塾大学卒業、2009年に東京藝術大学大学院修了。2011-12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。これまでに大和日英基金(ロンドン)、マリアンナ・キストラー・ビーチ美術館(カンザス)、ポーラ美術館(箱根)、中村キース・ヘリング美術館(山梨)、タワー49ギャラリー(ニューヨーク)、神奈川県民ホールギャラリー、慶應義塾ミュージアム・コモンズ(東京)などで個展を開催。『アゲインスト・リテラシー』(LIXIL出版)、『ストリートアートの素顔』(青土社)、『ストリートの美術』(講談社)、『エアロゾルの意味論』(青土社)などの著作を刊行。2020年には東京にもスタジオを開設し、現在は二都市で制作を行なう。

ウェブサイト https://enricoisamuoyama.net/
X @enrico_i_oyama
インスタグラム @enricoisamuoyama

大山エンリコイサム氏

アオイヤマダ+河野未彩

■トーク&パフォーマンス 「光と身体で街を記述する」

 観るものの身体感覚に訴えかける新しい表現のあり方を探求してきたアーティスト、河野未彩と、ダンサーのアオイヤマダ。視覚芸術とパフォーマンスという異なる表現が交差する数々のコラボレーションを行ってきた二人が、視覚と身体を通じて街を記述していくこと、その実践から生まれる新しい視点の可能性について対話する。

 また、パフォーマンスでは音楽家の千葉広樹も参加し、3者による特別コラボレーションを展開する。

トークセッション:河野未彩×アオイヤマダ

パフォーマンス:河野未彩(インスタレーション)×アオイヤマダ(パフォーマンス)×千葉広樹(音楽)

会場:Bunkamura 地下1階 特設会場(※休業中の「ドゥ マゴ パリ」店内) ※パフォーマンスはBunkamura館内展示の周辺を予定

開催日時:2025年3月16日

トークセッション/15:30~16:30

パフォーマンス/17:00~17:30

料金:無料(要予約)

イベントの予約サイト:https://artsticker.app/events/66860

●アオイヤマダ・プロフィール

 パフォーミングアーティスト。東京2020オリンピック閉会式ソロパフォーマンス、ダムタイプ『2020』パフォーマンスの他、ヴィム・ヴェンダース 作品『PERFECT DAYS』やNetflixドラマ『First Love初恋』に俳優としての出演や、宇多田ヒカル「何色でもない花」のMVを振付。NHK『ドキュメント72時間』のナレーションなどに携わるなど、身体と声で活動を広げている。ポエトリーダンスユニット アオイツキ、生き様パフォーマンス集団『東京QQQ』としても活動中。所属するクリエイティブコレクティブ"海老坐禅"の作品集『EBIZAZEN』が刊行された。

3月12日のレセプションで披露されたパフォーマンスのエキシビション

東急百貨店跡地の「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」がついに起工、「Bunkamuraザ・ミュージアム」を新施設の7階へ拡大移転する

 東急株式会社、L Catterton Real Estate、株式会社東急百貨店は3月12日、3社が出資を決定している渋谷西開発特定目的会社を通じて東急百貨店跡地で推進する 「Shibuya Upper West Project(渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト)」において、株式会社東急文化村が運営する「Bunkamuraザ・ミュージアム」を新施設の7階へ拡大移転することを発表している。このプロジェクトは2025年3月11日に起工式を執り行い、着工しており、2029年度に竣工予定だ。

 プロジェクトのデザインアーキテクトを担当するノルウェーの建築・デザイン事務所「Snøhetta(スノヘッタ)」が、新施設の7階へ拡大移転する「Bunkamuraザ・ミュージアム」についてもデザインを担当する。

 このプロジェクトによって、洗練されたライフスタイルを提案するリテール、スモールラグジュアリーホテルとして日本初進出となるホテルブランド「The House Collective(ザ・ハウス・コレクティブ)」、都市型居住を実現する賃貸レジデンスを有しており、ミュージアムの移転・開業をきっかけとして、Bunkamuraとのさらなる融合を推進し、新たな大型文化複合拠点として誕生することになる。

 「Shibuya Upper Westエリア」とは、多様な開発が進む渋谷の中で、渋谷スクランブル交差点を中心とした渋谷駅周辺と東京を代表する高級住宅地・松濤の結節点である東急百貨店本店跡地から、富ヶ谷、上原、駒場などに向かって西側へと広がるエリアを指す。なかでも松濤は、明治時代以降、文化人や要人が居を構える住宅街となり、また現在では周辺にBunkamura、松濤美術館、戸栗美術館といった文化施設を擁する文化の集積地となっている。

 キーコンセプトは「Tokyo’s Urban Retreat」。渋谷の喧騒から離れ、自らのエネルギーが落ち着きを取り戻し、創造的な発見が出来る都心のオアシスとして、身体的、精神的、知的にも満たされ、包括的なウェルビーイングを体験できる空間の創造を目指す。

 「Snøhetta(スノヘッタ)」は、オスロ、ニューヨーク、サンフランシスコ、インスブルック、パリ、アデレード、メルボルン、香港、深圳という9つの都市にスタジオを持つ国際的なデザイン事務所。

 「Bunkamuraザ・ミュージアム」は、プロジェクトとシームレスにつながる開かれたミュージアム空間が特徴である。複数の展示室から構成されるユニークなスペースの展示面積は約1000㎡、展示室の一部は最大約6mの天井高で計画している。展示面積の拡大と最新の展示設備の導入により、幅広い分野の大型展覧会の開催が可能となる。移転するミュージアムでも、これまでBunkamuraザ・ミュージアムで開催してきた西洋近代美術、日本美術、写真、デザイン、ファッションなどの展覧会テーマを継承しつつ、現代アートなど今取り上げるべきアートを新しい切り口でキュレーションし、心を揺さぶる体験価値を創出していく。

<Snøhettaコメント>

 「新施設の7階に移転するBunkamuraザ・ミュージアムのデザインアーキテクトを務めることを光栄に思います。

 本プロジェクトのデザインコンセプトは、渋谷の脈動するエネルギーを象徴する一筆書きのイメージからインスピレーションを得ています。このコンセプトは、地上から天空へと優雅に螺旋を描きながら上昇する渋谷の躍動感と興奮を表現しています。もう一つの渋谷エリアから次世代の文化を牽引する存在として構想された本プロジェクトでは、東京の新たなランドマークとして、自然と景観にも配慮した持続可能な文化複合拠点となることを目指しています。本プロジェクトのデザインは様々なプログラムやコミュニティを一筆書きのようにつなぎ、ミュージアムにおいてもリボンのような壁が複数の展示室を蛇行しながら、アートを愛する人々を誘います。オープンプランのデザインは、多様なニーズに応える柔軟な展示システムに支えられ、あらゆる芸術表現やパフォーマンスを可能にします。

 新しいミュージアムのデザインにおける私たちのビジョンは、都市と空、近代と幽玄、過去と未来、デジタルとフィジカル、商業と文化といった二元性が融合する空間を創造することです。この融合が、異なるそれぞれの特徴をより際立たせ、本プロジェクトと渋谷全体の文化的環境が高まることを期待しています」

<株式会社東急文化村社長、嶋田創氏の「Bunkamuraの未来を照らす新しいアート体験2025」へのコメント>

「Bunkamuraは現在、オーチャードホールの一部を除き、営業を休止している状況です。また、工事が開始され、これから本格化していく予定です。このタイミングだからこそ、私たちは再開業に向けた新しいチャレンジに着手しています。

 チャレンジにはいくつかのテーマがあります。一つ目は、Bunkamuraが開業以来30数年をかけて培ってきた「Bunkamuraらしさ」、つまり伝統と革新の融合です。例えば、古歌舞伎のような伝統的な文化と現代的な要素を組み合わせ、これをさらにブラッシュアップしていくことを目指しています。

 二つ目は、Bunkamuraを単なる施設の集合体ではなく、もっと豊かな空間に変えていくことです。ここには劇場、ホール、ミュージアムなど多様な施設がありますが、例えば今日のような雨の日でも、公共空間として芸術や文化を楽しめる場所にしたいと考えています。

 すべての空間を磨き上げ、皆様に楽しんでいただける場を提供することが目標です。アーティストの皆様が制作された作品や空間は、まさに私が申し上げた二つのテーマを具現化したものだと感じています。この取り組みの成果を、再開業にしっかりと活かしていきたいと考えています」

嶋田創氏

新施設の外観イメージ(Image by Mir, Copyright Snøhetta and NIKKEN SEKKEI LTD)

用途配置図

■開催概要

イベント名:SHIBUYA FASHION WEEK 2025 Spring × Bunkamura 「Bunkamuraの未来を照らす新しいアート体験2025」

会場:Bunkamura館内 東京都渋谷区道玄坂2-24-1

開催期間:2025年3月13日~3月23日

開館時間:13:00~20:00 ※最終日のみ~18:00まで

料金:観覧無料

公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/event/lineup/20250313.html

過去記事アーカイブ

2025年
01月
02月
03月
2024年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
02月
05月
11月
12月
2019年
05月
2018年
03月
2016年
01月
09月
11月
2015年
11月