Radeon史上最大の出来栄えでは? AMD Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GBレビュー これで12万8800円前後はお買い得!
提供: ASRock
AMDはRDNA 4アーキテクチャーに基づく「Radeon RX 9070 XT」(以下、RX 9070 XT)を発表し、搭載ビデオカードがさまざまなメーカーから発売され始めた。ASRockの「AMD Radeon RX 9070 XT Steel Legend 16GB」(以下、RX 9070 XT Steel Legend)も、GPUにRX 9070 XTを採用したモデルだ。では、このRX 9070 XT Steel Legendはどのようなビデオカードなのだろうか。そのスペックを紹介するとともに、実際にテストを実行し、その実力を探ってみたい。
白色が特徴的なモデル
Striped Ring Fanを3基搭載したGPUクーラー
RX 9070 XTは、RDNA 4世代のNavi 48コアを採用したGPUで、AMDによると1440pから4Kまでのゲームプレーを想定したモデルだ。そのため、Radeon RX 7900 XTとRadeon RX 7900 GREの間に置かれるモデルとAMDは説明している。また、RX 9070 XTは、PCI Express 5.0をサポートするほか、メモリーには16GBのDDR6が組み合わされる。
ASRockはこのRX 9070 XTを採用したカードをラインナップにTaichiシリーズが1製品、Steel Legendシリーズが2製品の計3モデルを用意している。その中で、真っ白な外観が特徴的な製品がこのRX 9070 XT Steel Legendだ。最近は、白色のケースが流行っており、それにそろえて白いビデオカードの需要が高まっているが、このRX 9070 XT Steel Legendはそれに応えた形だ。
RX 9070 XT Steel Legendの動作クロック設定は、ゲームクロックが2400MHz、ブーストクロックが最大2970MHzとリファレンスと同じだ。リファレンス仕様と言えども、3GHz近い動作クロックが保証されている点はトピックの1つと言えよう。また、メモリークロックは20Gbpsで、こちらもリファレンスどおりの仕様だ。
カード長は298mm(※突起部除く)で、比較対象に用意した「Radeon RX 7900 XTX」を搭載した「AMD Radeon RX 7900 XTX Taichi White 24GB OC」(以下、RX 7900 XTX Taichi OC)が345mmだったので、それより50mm弱短い。ただし、基板自体は200mmほどしか長さはなく、カード後方にGPUクーラーがはみ出す形だ。また、マザーボードに装着した際、22mmほど背が高い形状をしており、全体のサイズ感は大きめだ。
さらに、重量は1155gで、RX 7900 XTX Taichi OCが1900gだったのと比べると、700g以上も軽くなっている。それでも、GPUクーラーには金属製フレームを用いることで剛性を高め、基板が歪むといった故障を防いでくれる点はありがたい。
GPUクーラーは2.9スロット占有タイプで、90mm径相当のファンを3基搭載している。これらのファンは「Striped Ring Fan」と呼ばれるもので、2本の線状の突起物が設けられているのが特徴的だ。また、ブレードの端側は研磨され摩擦が少なくなっており、ASRockによると、これらの工夫により横方向からの吸気が可能となり、エアフローの整流性が改善されるという。
そのほか、「0dBサイレントクーリング」という機能により、GPUに負荷が掛かっていない、いわゆるアイドル時にファンの回転を停止し、静音性を高めている。なお、筆者の主観であることを断ったうえで、RX 9070 XT Steel Legendの動作音について触れると、非常に静かな印象を受けた。テストはケースに組み込まないバラック状態で行なっているのだが、ケースに入れてしまえば動作音が聞こえてこなくなるほどだ。
さらに、「エアデフレクターフィン」というV字型のカッティングを施したフィンには、V字型の通気孔を設け、空気の流れを規則的にすることで、冷却効率を高めている。また、このフィンは、カード前方と後方の2つで構成され、その間を7本のヒートパイプが結ぶ構造だ。なお、これらのヒートパイプはGPUに密接するようになっており、GPUからの熱伝導を高めている。
そのほか、側面の「STEEL LEGEND」のロゴと3基のファンにはLEDを搭載。設定アプリケーションである「ASRock Polychrome SYNC」(Version 1.0.43)を用いることで、色や光り方の制御が可能だ。さらに、補助電源コネクターのすぐそばにディップスイッチが実装され、それを切り替えることでLEDを消灯することもできる。また、同じ場所にはARGB用のピンヘッダも用意され、それをマザーボードに接続することで、マザーボード側の設定ツールからLEDを一括制御することも可能だ。
電源回路には最大50Aの電流を制御可能なDr.MOSを採用。さらに、等価直列抵抗が低い高導電性高分子コンデンサーや飽和電流を最大3倍に増加させる新世代のプレミアムパワーチョークを使用し、電源回路はかなり豪華な仕様を誇っている。
補助電源コネクターは8ピンが2基用意されており、ASRockは本製品を搭載したPCでは定格出力800W以上の電源の使用を推奨している。また、前述したように基板が短いため、補助電源コネクターはカードの中央付近に実装されている。
映像出力はDisplayPort 2.1a×3、HDMI 2.1b×1という構成。最近のビデオカードではよく見かけるタイプだ。