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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第504回

最新世代のポルシェ「911」とEVの「タイカン」を乗り比べたらタイカンが圧倒的に恐怖だった

2025年02月15日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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ポルシェ

 ドイツの老舗スポーツカーメーカーのポルシェも、電動車のラインナップが増えています。EVの「タイカン」に続き、ポルシェの象徴である「911(TYPE 992.2)」もGTSグレードはハイブリッド(T-ハイブリッド)へと踏み出しました。さらに電動化の旗頭であるEVのタイカンもアップデート。人気SUVのマカンもEVになりましたし、今後はボクスターやケイマンといった2シーターモデルもEV化されます。

ポルシェ

 そんなポルシェの最新911とタイカンが、プレス向け広報車よりも先に千葉県木更津市のブランド体験施設「ポルシェエクスペリエンスセンター東京」で走れるとのお誘いを受けて、意気揚々と体感してきました。

出力が上がった911で急発進やドリフトを堪能

 まずお断りしなければならないのは、今回試乗した911は「カレラ」と呼ぶベーシックグレードであること。つまり冒頭で紹介したハイブリッドモデルではなくガソリンエンジン車です。「なんだ話が違うじゃないか」と言いたい気持ちはわかりますが、逆に「最後のガソリンエンジン搭載911はコレになるのかも」と思うと、非常にレア感が増してきます。

ポルシェ

 そんな新型911のエンジンは、従来と同じ3Lの水平対向6気筒のツインターボ。ですが、上位グレードの「GTS」に採用されていたエンジンを乗せたことで、最高出力が385馬力から394馬力に高められているといいます。つまり、ちょっとお買い得になったということです。

ポルシェ
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 911の最新モデル「TYPE 992.2」をパッと見たところ、ウィンカーがヘッドライトユニット内に内蔵され、エアインテークがリデザインされた程度。リアのテールランプとポルシェのロゴが一体化し、ディフューザーのデザインも変わった様子。ナンバープレートの位置も少し高くなりました。

ポルシェ
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ポルシェ
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 インテリアではフルデジタルディスプレイが採用され、ドライバー正面には7つのメニューが選べる12.6インチのカーブドディスプレイ、ダッシュボード中央には10.9インチのセンターディスプレイがレイアウトされたのがポイント。そしてイグニッションがついに回転式スイッチ(キーをひねるようなスイッチ)からプッシュボタン式に変更されました。

 またソフトウエアもアップデートされ、Siriボイスアシスタントなど、Appleエコシステムによるダイレクトな操作が可能になりました。

ポルシェ
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 それでは試乗開始です。ポルシェエクスペリエンスセンター東京のハンドリングトラックは、その舗装がサーキットとは違って一般公道とほぼ同じ路面μで作られているので、現実的な環境でのダイナミックテストができます。

ポルシェ
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 ウェット路面のドリフトサークルを走らせればESC(横滑り防止装置)の制御をOFFにして911の挙動を知ることができますし、場所をダイナミックエリアに移せば、ローンチコントロールを作動させる全開加速やフルブレーキング、さらに連続スラロームでハンドリングを安全に確認できます。

ポルシェ
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 残念ながら前モデルとの比較は叶わなかったので、この911を乗った感想しかないのですが、一通りこの施設をドライブしたスピーディー末岡は降車後、興奮した面持ちで「911は難しいけれど最高」と、あまり参考にならないコメントしか出ず……。

ポルシェ

 ちなみに今回試乗したクルマは、後輪操舵などのオプションがないので素の状態に近く、それゆえ911らしい挙動が楽しめるといえそうです。速さを求めるなら四駆モデルになるでしょうけれど、後輪駆動(RR)こそ911であり、しかもガソリンエンジン搭載モデルは、あと数年で購入できなくなる可能性が高いとなると、素の911を選ぶのはアリな話だと思います。

 空冷→水冷→電動化と、ポルシェは常に時代に合わせたクルマ作りをしていることがわかります。

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