ASRock初の電源ユニットから感じるただならぬ気配! マザーで培った技術と高耐久部品をふんだんに取り入れた逸品だった
提供: ASRock
ASRockというとマザーボードやビデオカードで著名だが、実際に同社の製品のパーツを使用している人も多いことだろう。そのASRockから新たに電源ユニット「SL-1000GW」が登場した。ASRockによると、市場に納得できる電源ユニットがなく、それであれば自分たちで作ってしまおうと、電源ユニットを手掛けたとのことだが、果たしてSL-1000GWはどのような製品なのだろうか。SL-1000GWのサンプルを拝借できたので、開封してその機能をじっくり見てみよう。
ケーブルにいたるまですべて真っ白
Steel Legendシリーズに属するモデル
SL-1000GWは製品名からも察することができるようにATX 3.1に対応した定格出力1000Wの電源ユニットだ。同社のラインナップでは、マザーボードやビデオカードで見られるSteel Legendシリーズに属し、ASRockの説明では、このSteel Legendは岩のように堅牢な耐久性と素晴らしい外観の哲学的な状態を表しているとのこと。
つまり、デイリーユーザーおよびメインストリームのエンスージアストを対象とした堅牢な材料とコンポーネントにより、高耐久そして高品質を目指したモデルというわけだ。
なお、同社のラインナップではマザーボードとビデオカードと同じようにTaichi、Phantom Gaming、Steel Legend、Challengerの4つのシリーズが用意され、このSL-1000GWは上から3番目のセグメントに置かれているモデルだ。
外観を見て最初に目につくのがその小ささ。本体サイズは実測で150×150×86(W×D×H)mmしかなく、成人男性が手を開いた大きさとほぼ同じ。電源ユニットというと細長い直方体をイメージする人が多いと思うが、このSL-1000GWは立方体に近いといえば、その小ささが分かるだろうか。そのため、比較的コンパクトなPCケースでも導入しやすく、PCケースの選択肢の幅が広がる点はありがたい。また、重量も実測で約1748gで、それほど重くない。
そして、カラーリングはボタンやコネクターを含めて真っ白で、最近の同社のマザーボードなどでは白色モデルが多く、それにマッチした配色と言える。電源ユニットをシュラウドで覆ってしまうPCケースが多いものの、電源ユニットの一部が見えてしまう場合に、内部まで完全に白色で統一したいと考える人にとって、このSL-1000GWは魅力的なモデルではないだろうか。
そして、背面はSteel Legendのロゴと同じ形の通気孔が配置され、上方に設置された135mm角相当のファンで排気する、後方から上面へとエアーが抜ける構造で、このあたりは一般的な電源ユニットと同じ。
ただ、ユニークなのはこのファンは、エアフローの向上を図るため、ブレードに3本の線状の突起物が設けられ、内側と外側で角度が変えられているStriped Axial Fan仕様となっている。これは同社のビデオカードのGPUクーラーで見られるもので、角度を変えることでエアーの静圧を、突起物でバラつきを抑えることで整流性をそれぞれ高めているのだろう。
さらに、「iCool Intelligent Fan Control Mode」という独自機能を搭載。このモードをオンにすることによって、電源ユニットに負荷が掛かっていない、いわゆるアイドル状態でファンの回転を停止するようになる。ASRockの説明では、回転を停止するしきい値は電源ユニットに対する負荷が40%とのこと。
なお、低負荷時でもファンの風を当てて電源を冷やしたいという人のために、iCool Intelligent Fan Control Modeはユーザーが任意でオフにできるようになっている。オフではアイドル状態でもファンは12%程度の回転数が維持される。モードの切り替えは背面のロッカースイッチで行なうため、PCの背面に手を回しこませる必要はあるものの、切り替えは容易にできる。
そして、各電源ケーブルは脱着可能なモジュール形式のフラットタイプで、ケーブルだけでなくコネクターまですべて白色だ。
唯一、GeForceシリーズで採用されている16ピンの補助電源コネクターが緑色になっているが、色分けしている理由について、ASRockは正しく接続できているか簡単に確認できるようにするためと説明している。
つまり、多少浮いているとその緑色が見えるため、簡単に接続不良が分かるというわけだ。
ASRockはこの16ピンコネクターに使用しているケーブルは、耐熱温度105度で信頼性が高いものと説明している。さらに、コンセントに接続する電源ケーブルまで白色のものが付属するこだわりようだ。
同梱されているケーブルの内訳は、メインのATX 20+4ピンケーブルが1本にCPU補助電源となる4+4ピンのEPS 12Vケーブルが2本、それぞれ長さは実測で約600mmと約650mm。それに、長さが約650mmで600Wまで給電可能なPCIe 5.1対応の12V-2×6ケーブルが1本と、長さが約600mmの6+2ピン構成のPCI Express(以下、PCIe)補助電源ケーブルが3本、それに約70mmのSerial ATA用ケーブルが3本と、約65mmの4ピンのペリフェラルケーブルが1本という内容だ。
なお、4ピンのペリフェラルコネクターは3つ、Serial ATA用5ピンコネクターは9つ用意されている。Serial ATA用のケーブルとコネクターが多めに入っているため、古いSSDやHDDを活用する場合でもケーブルが足りなくなることはない。また、Serial ATA以外に簡易水冷クーラーのハブで使用する場合もあり、柔軟に対応できる点は評価できよう。