デザインに注力したスマートフォンを提供している新興スマートフォンメーカー、Nothingのサブブランド「CMF」を冠して発売された「CMF Phone 1」は、背面パネルを交換できるなど、ボディーデザインのカスタマイズができる仕組みを備えているのが大きな特徴だ。
一方で、価格は4万4800円と低価格モデルに分類されることから、機能・性能が抑えられているのに加え、ドコモとauのプラチナバンドである800MHz帯に対応していないという、日本で利用する上での大きな弱点も抱えている。日本で満足して利用できるのか? という点を中心に、実機からレビューしたい。
横幅の大きさとと角張ったデザインが影響し
片手持ちは少々疲れやすい
まずは本体に関してだが、ディスプレーサイズは6.67型で、サイズは約77×164×8mm、重量は197gとなる。ただし、ブルーとオレンジの2色はカバーがヴィーガンレザー仕様となっており、こちらを選ぶと高さが9mm、重量が202gになる。
スペック上のサイズ感は一般的なスマートフォンという印象なのだが、実際に手にすると、とりわけ片手で長く使っていると手が疲れてしまう感がある。そこには横幅がやや広めであることに加え、ボディーデザイン自体も大きく影響していると感じる。
実際CMF Phone 1のボディーは、四隅の角を除くと全体的に角ばっている。側面に丸みがないことから手のフィット感が弱く、それが片手で持っているときに思いのほか大きく感じ、疲れやすい要因になっている。
こうしたデザインになっているのは、カバー交換ができるギミックを実現するためと考えられる。海外で販売することを考えると、ディスプレーを大きくするのは必要不可欠なのだろうが、日本のユーザーが利用するうえではもう少しディスプレーを小さくしてでも、片手で持ちやすいサイズ感にしてほしかったと感じてしまう。
一方で背面を確認すると、カメラに加えカバーを留めるネジが目立つデザインが特徴的で、カラーや質感は背面カバーを取り替えることで変えられる。先にも触れたように、ブルーとオレンジのカバーはヴィーガンレザー素材なのでややしっとりした触感だが、ブラックとライトグリーンのカバーはマットでサラサラした質感となっている。
側面を確認すると、右側面には電源キー、左側面には音量キーと、Android端末としては珍しくiPhoneに近い配置となっている。また、底面にはUSB Type-C端子とSIMスロットが備わっており、それ以外のインターフェースは備わっていない。
背面カバーの着せ替えは
往年の携帯電話を思い起こさせる
CMF Phone 1の最大の特徴は、やはり別売りのカバーを交換してデザインを変えられることだ。フィーチャーフォン時代にはカバーやパネルを交換して“着せ替え”ができる携帯電話が多く存在したが、スマートフォンになると姿を消してしまった。そうしたことからCMF Phone 1は、その着せ替えを現代によみがえらせたモデルともいえるだろう。
CMF Phone 1のパネルはネジ留めされており、1つを除くと手で外すことはできないので、交換するにはドライバーが必要になる。ただ着せ替え用のカバーにはドライバーとネジ、そしてカラーに合わせたSIMスロットと、交換に必要なパーツがすべて付属するので安心だ。
実際に交換する手順も簡単で、まずSIMトレイを外したあと、手で右下のネジを外し、ドライバーで残り4つのネジを外して装着しているカバーを外す。
続いて新しいカバーを装着してネジを付け、SIMスロットを交換すればよい。ネジもカバーに合わせた色となっており、こうした点はNothingのこだわりが感じられる部分でもある。
またCMF Phone 1にはカバーだけでなく、ストラップやスタンド、カードホルダーといったオプションも用意されている。カードホルダーは右下のネジに加えネジ3箇所を外して交換する必要があるが、それ以外は右下の手で外せるネジを交換するだけでよい。
ただいずれにしても、カスタマイズにはネジの付け外しが必要になる。その分しっかり装着できるのがメリットではあるのだが、頻繁にカスタマイズするとなるとやや手間に感じてしまう。
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