このページの本文へ

大谷イビサのIT業界物見遊山 第83回

「サーバーはプールに沈めるのが当たり前」時代も近いか 液冷技術がデータセンターで主流に

2024年10月21日 17時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

NTTコミュニケーションズの液冷サーバー

 エクイニクスのデータセンターに行ってきた(関連記事:エクイニクスのTY15は低遅延も電力密度も液冷も全部入り 安定の横綱相撲だった)。久しぶりの見学会だったので、面白いトピックはいろいろあったが、驚いたのはサーバーを液体で冷却する液冷技術がすっかりメジャーになっていたことだ。

 想像に難くないと思うが、電気機器のある場所に水は御法度である。大量のIT機器を収容するデータセンターであれば、ましてそう。サーバールームの前には、「水分の持ち込みはご遠慮ください」の注意書きが書かれているのが普通だ。しかし、現在ではそのサーバーの冷却にもはや水を使わないと、AIの計算処理で用いられるサーバーはすでに十分に冷却できない。サーバー自体をプールに沈めてしまう「液浸」という技術もあるが、最初にその写真を見たときは、こんなことして大丈夫なのかと、不安になるくらいだった。

 液体は気体に比べて熱伝導率が3000倍も高いと言われている。液冷が当たり前になると、効率の悪い空冷はもはやナンセンスなものに見えてくる。もちろん漏水のリスクもあるし、技術的にも未成熟な部分はあるが、データセンターにとっても省エネと冷却は収益に直結する喫緊の課題。冷却効率は高いが、運用が大変と言われる液浸も、この先ワンチャンあるかもしれない。5年後くらいにはマトリックスのようにサーバーが巨大なプールに並んでいるのが当たり前の風景になるかもしれない。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    トピックス

    思い切った慶應義塾 全教職員にNotion導入で168年分の知的資産をAIに食わせるプロジェクトが始動

  2. 2位

    TECH

    訓練だとわかっていても「緊張で脇汗をかいた」 LINEヤフー、初のランサムウェア訓練からの学び

  3. 3位

    ビジネス

    管理職こそ大事にしないとまずくないか? 約4割が「続けたい、と答えない」現実

  4. 4位

    データセンター

    液冷技術の最先端が集うイノベーションラボ「DRIL」、印西のデータセンターに現わる

  5. 5位

    ITトピック

    若手が言わない“本音の退職理由”上位は/「データ停止は景気後退よりも企業の脅威」6割/クライアントに告げずAI活用するフリーランス、ほか

  6. 6位

    ビジネス・開発

    最悪のシナリオは「フィジカルAI」による基幹産業の衰退 日本の勝ち筋は、“同期技術”と“ドメイン知識”

  7. 7位

    ビジネス

    廃校がAIの心臓部に!? 地方の遊休施設を「AIデータセンター」に生まれ変わらせるハイレゾの挑戦がアツいぞ

  8. 8位

    Team Leaders

    ファイル名が命名規則に合っているかの自動チェック、Power Automateのフローで実現しよう

  9. 9位

    TECH

    合成ゴムが及ばない天然ゴムの高性能のメカニズムを、現象発見から100年後に解明

  10. 10位

    ビジネス

    なぜか「決裁権者」と「学生」がこぞって聴いてるポッドキャストの謎

集計期間:
2026年04月13日~2026年04月19日
  • 角川アスキー総合研究所