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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第150回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 9月7日~9月13日

今後は「マルチモーダル生成AI」に注目、インボイス制度導入と処理時間増加の実態、ほか

2024年09月17日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2024年9月7日~9月13日)は、国内企業におけるデータプラットフォームの運用成熟度調査、生成AI分野のハイプ・サイクル最新版、インボイス制度開始後の請求書処理業務への影響、派遣形態で働く60歳以降のプロフェッショナル人材についてのデータを紹介します。

[データ管理]データ基盤の運用成熟度は上昇、ただしAIの活用は容易ではない(IDC Japan、9月11日)
・国内におけるデータプラットフォーム運用の成熟度は上昇
・前年比で「第3~第5段階」の企業割合が増加
・ITリテラシーが高いユーザーも「AI技術のタイムリーな取り組み」には苦心

 国内企業のデータプラットフォーム運用に関する成熟度調査。IDCでは企業の取り組みステージを、第1段階「未整備」、第2段階「途上前期」、第3段階「途上後期」、第4段階「要件充足」、第5段階「迅速な適応」と5段階で分類し、さらに「データ活用/管理の業務への貢献度」「データ活用や分析の能力/人材などのリソース」といった6項目から成熟度を分析している。今回の結果では、成熟度が高めの第3~第5段階にある企業が増えた。ただし、さまざまな環境変化に迅速な適応ができる第5段階の企業はわずかな増加にとどまり、急速に進化するAI技術の取り入れは容易ではない様子だと指摘している。

データ管理におけるユーザー成熟度分布の推移(出典:IDC Japan)

[AI]生成AIのハイプ・サイクル、今後数年で「マルチモーダル化」が加速(ガートナージャパン、9月10日)
・大規模言語モデル(LLM)は「幻滅期」入り、ただしOSS LLMはこれから注目
・2027年までに生成AIソリューションの40%がマルチモーダルに
・10年以内には「ドメイン固有の生成AIモデル」や「自律エージェント」が主流に

 「生成AIのハイプ・サイクル:2024年」より。テキストだけでなく、画像/動画/音声など複数種のデータを処理するマルチモーダル生成AIは、2023年には生成AIソリューションのわずか1%だったが、人間とAIのインタラクションを強化し、ソリューションの差別化ポイントだとして、2027年までには40%を占めるようになると予測する。ガートナーではこの「マルチモーダル生成AI」と「オープンソース(OSS)LLM」について、「早期に採用することで顕著な競争優位性と市場投入までの期間短縮をもたらす可能性があるテクノロジ」としている。

生成AIのハイプ・サイクル:2024年(出典:ガートナージャパン)

[インボイス]インボイス、電子帳簿保存法への対応で担当者の負担増、半数以上が「処理時間が増加」(TOKIUM、9月12日)
・インボイス制度の施行後、53%が「請求書処理にかかる時間が増えた」
・処理時間増加の原因は「インボイス対応の確認」「不備への対応」などが多い
・改正電帳法への対応も、55%が「請求書処理の業務負担が増加」と回答

 2023年10月に施行されたインボイス制度について、請求書の受領/処理業務に携わる従業員1100名に影響を聞いた。制度開始後の請求書処理の時間は、57.0%が「増加」、40.1%が「変わらない」、2.9%が「減少」だった。処理時間増加の原因については「発行する請求書/受領した請求書のインボイス対応確認」(49%)や「不備への対応」(48%)などが挙がった。また、2023年12月末に宥恕期間が終了した改正電子帳簿保存法(電帳法)対応についても、55.8%が「請求書処理の業務負担が増えた」と回答している。

※訂正:掲載当初、請求書処理時間が「増加した」という回答の数値が誤っていたため修正しました。(2024年9月18日 16:00 編集部)

インボイス制度導入以後、57.0%は請求書処理の時間が「増えた」(出典:TOKIUM)

処理時間増加の原因は「発行する請求書/受領した請求のインボイス対応の確認」(49.6%)が最多(出典:TOKIUM)

[仕事]60歳以上の派遣プロフェッショナル人材が急増、経験・スキルを活用(リクルートスタッフィング、9月11日)
・プロフェッショナル人材の派遣就業者、60歳以上は2018年の5倍超に
・60歳以上プロ人材が理想とする働き方は「自分のスキルを活かせる」(66%)
・実際に83%が「これまでの経験や専門スキルを活かして働いている」

 60歳以降の経験やスキルを生かした就業について分析した。60歳以上のプロフェッショナル人材派遣就業者数は、2023年には2018年の5.14倍に達している。60歳以降のプロ人材の就業について、理想の働き方は「自分のスキルを活かせる働き方」(66.8%)が最多。また、61.4%が「今後、今あるスキルを磨く/新しいスキルを身につけることを目指している」と回答している。

60歳以上のプロフェッショナル人材派遣就業者数が増えている(出典:リクルートスタッフィング)

60歳以上の回答者の「理想とする働き方」(出典:リクルートスタッフィング)

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  • 角川アスキー総合研究所