ドコモにとっては「ahamo」も災難に
NTTドコモに関しては、dアカウントだけでなくオンラインストアや契約においても長年の継ぎ足し継ぎ足しで使い勝手が悪くなっている印象だ。オンラインでの不具合をコールセンターのスタッフの尽力で何とか解消している感もある。
こういう状況を見ていると「一度、作り直した方がいいのではないか」と進言したくもなってくるのだ。
NTTドコモにとってもうひとつ災難だったのが「ahamo」だろう。
ahamoは企画当初、ソフトバンクのワイモバイルやKDDIのUQモバイルのようにNTTドコモの「サブブランド」として開発されていたようだ。
本来であれば、過去のしがらみを断ち切り、シンプルでわかりやすい料金体系やサービスだけでなく、オプションもできるだけなくし、契約などのシステムもできるだけシンプルに構築できたはずだ。
ahamoのオンラインシステムを、既存のNTTドコモとは別に、ゼロから作り上げていけば、本当に使いやすいオンラインシステムができたのではないか。
しかし、ahamoが登場するタイミングで菅政権による値下げ圧力が起こった。KDDIやソフトバンクが、サブブランドの料金改定で値下げ圧力を交わそうとしたが、武田良太総務大臣(当時)が「サブブランド値下げは羊頭狗肉」として、メインブランドでの値下げを要求した。
急転直下、ahamoはサブブランドではなく、メインブランドの料金プランという方向転換が図られた。これにより、既存のシステムにahamaは組み込まれてしまった。
ahamoのシステムを既存のシステムとは全く別物として作り上げていたら「ahamoのオンラインシステムはめちゃ快適」と言うことになったかもしれない。
ちなみにソフトバンクでは、LINEMOのオンラインシステムは既存とは全く別物として開発し、オンライン契約のベンチマークとしており、ユーザーの声を聞きまくって徹底的に改善。「ショップでする手続きをオンラインで完璧に実現する」という目標のもと、機能強化を図り、その成果をソフトバンクやワイモバイルのオンライン契約システムに反映しているという。
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