連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第144回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 7月20日~7月26日
9割超のCISOが「AIは専門家より優秀」、「仕事より余暇」意識が3年連続で強まる、キャッシュレス決済の世代差、ほか
2024年07月29日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2024年7月20日~7月26日)は、「仕事と余暇」に対する現在の日本人の意識、セキュリティチームの人材不足を埋めるAI、日本のオンライン/店舗決済手段の最新動向、急伸する国内プロセス・マイニング市場、世界12都市における「エアコン」の利用実態の違い、についてのデータを紹介します。
[生活]「仕事より余暇を重視」が34%、3年連続増加(日本生産性本部、7月22日)
・65%が仕事/勉強/家事よりも「余暇を重視」
・余暇活動参加率のトップは2年連続の「国内観光旅行」(48%)
・「潜在需要」(希望率と参加率の差)は1位が「海外旅行」、2位が「国内旅行」
同団体の余暇創研が秋に発行予定の「レジャー白書 2024」速報版。2023年の余暇活動に関する個人の意識などを、15歳~79歳の男女3303人を対象に調べた。仕事と余暇のどちらを重視するかを尋ねたところ、65.7%が「余暇を重視」と回答。「仕事より余暇に生きがいを求める」は2021年以降上昇しているという。余暇活動の参加率では「国内観光旅行」が48.7%で前年から6ポイント増、2年連続で増加した。それでも、コロナ禍前の54.3%は下回っている。各種目の希望率と参加率の差を「潜在需要」として算出したところ、1位は「海外旅行」となった。
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仕事と余暇では「余暇を重視」の傾向が続く(出典:日本生産性本部)
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余暇活動の参加率トップ10。1位は2年連続で「国内観光旅行」(出典:日本生産性本部)
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余暇活動の潜在需要トップ10。2年連続で「海外旅行」「国内観光旅行」がそれぞれ1位、2位(出典:日本生産性本部)
[セキュリティ][AI]91%のCISOが「AIはセキュリティ専門家より優秀」(Bugcrowd、7月22日)
・CISOの91%が「AIの方が人間の専門家よりパフォーマンスが優れる」または「近い将来そうなる」と予測
・「AIは潜在的なメリットよりもリスクが大きい」と考えるCISOは58%
・56%が「セキュリティチームは人材不足」と回答
世界数百人のセキュリティリーダー(CISO)を対象に、「AIの脅威」などへの認識を調査し「Inside the Mind of a CISO」としてまとめた。87%が「セキュリティ専任者を雇用している」一方で、56%がまだ「セキュリティチームは人材不足」と回答。またAIについては、91%が「AIはすでにセキュリティ専門家よりも優れたパフォーマンスを発揮している/近い将来そうなる」と回答し、70%は「AIの採用で5年以内にセキュリティチームの人員を削減予定」だとしている。
[生活][決済]店舗やオンラインでの決済手段、クレカが最多だが若年層は“スマホ”志向(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル、7月23日)
・2023年の国内「キャッシュレス決済」比率は39%(約126兆円)、過去最高
・オンライン、店舗ともに「クレカ」使用率が最も高いのは50代
・20代では「モバイルアプリ」(オンライン44%)、「QRコード」(店舗58%)が人気
日本に住む18歳~64歳の消費者約1000人が対象の「デジタル決済に関する実態調査」より。2023年、国内の決済における「キャッシュレス比率」は過去最高の39.3%、約126.7兆円だった。決済手段としては、「クレカ」がオンライン(71%)、店舗(54%)とも最多。ただし、若年層に限ってみると「スマホで注文や支払いができるモバイルアプリ」「QRコード決済」の割合も高い。「Apple Pay」などモバイルウォレットの未使用率は70%。未使用の理由は「導入していない」(35%)など。
[プロセスマイニング]2023年度のプロセス・マイニング市場、前年度比47%増の急成長(アイ・ティ・アール、7月23日)
・2023年度のプロセス・マイニング市場は25.7億円、前年度比47%増
・引き続き、2024年度の成長予測も38%増 ・2023~2028年度のCAGR(年平均成長率)は23%
国内プロセス・マイニング市場の成長推移および予測。2023年度の同市場は25億7000万円(前年比46.9%増)を売り上げた。続く2024年度も38.9%増の高い伸びを予測している。急成長の要因として、業務プロセスの効率化・自動化を目的に、大企業を中心として導入が拡大していることがあるという。2023~2028年度のCAGRは23.9%で、2028年度には75億円規模に達すると予測している。
[生活]世界12都市のエアコン事情、設定温度が最も高いのは「東京」(ダイキン工業、7月25日)
・冷房の設定温度、最も高いのは東京(平均26.2度)、最も低いのはナイジェリア・ラゴス(平均21.9度)
・米国のヒューストンはおよそ40%が「暑い時季は24時間エアコン使用」
・エアコンの購入時に最も重視するポイントは「省エネ性」、12都市中11都市
東京など世界12都市で、エアコンの使い方や空気環境に対する意識を調べた。冷房の設定温度が最も高かったのは東京で、ほかにもバンコク(25.1度)、上海(25度)など、アジア圏は温度が高い傾向があった。東京は、エアコンの使用時に「電気代を気にする」人が最多の92%であり、これが設定温度にも関係していると見ている。エアコンの「家庭への普及率」は東京が91%と最多、最も低かったのはインドの5%。なお12都市中11都市で、「10年前と比較してエアコンがより必要になった」という設問に「とてもそう感じる」という回答が最多だった。
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