AWS Fargateを使った大規模常時接続に立ちはだかった壁の数々
「1億台の常時接続」を実現せよ! Nintendo Switchのプッシュ通知システム全面刷新の裏側
2024年06月27日 15時00分更新
数々の問題を乗り越え、サービス無停止で無事リリースは完了
これらの数々の課題を乗り越えて構築されたシステムは、サービス無停止で無事リリースが完了し、順次移行が進んでいる。
今回は、全面的なリプレイスだったため、別のAWSアカウントに新規でシステムを構築、接続先システムを切り替える方式をとっている。初回アクセス時に旧システムから新システムに対して、接続デバイス情報の移行処理が行われる。
2024年前半にNintendo Switchに配信されたシステムバージョン更新から、順次リプレイス先のシステムに接続され、既にネットワークに接続している多くのデバイスが移行を完了しているという。
Amazon EKS(Elastic Kubernetes Service)を利用したk6による本番規模負荷試験やAWS FIS(Fault Injection Service)を利用した障害試験などで備えたこともあり、リリース後も安定運用を達成しているという。
今後の展開としては、Fargateを次世代プロセッサーであるGravitionベースに移行することを検討中だ。常時接続サービスのインフラ費用が占める割合が大きく、大幅なコスト削減につながることを期待しているという。坂東氏は、「これからも様々な改善を通じて、お客様の体験をよりよいものにしていきたい」とセッションを締めくくった。
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