極小PCを組めると大人気のベアボーン「DeskMini X600」に最適なCPUクーラー6選
提供: ASRock
ファンの動作音をチェック
まずは各CPUクーラーのファン動作音をチェックしてみた。回転数は10~20%程度ズレることがあるので、実運用時とは回転数が異なることがあるが、ここでは回転率30%、40%、60%、80%、100%時の騒音値を、ファン軸から30cm離れた位置で測定した。
騒⾳値はいづれも40dBA後半。ファンの口径サイズが小さいため仕方がないが、標準付属CPUクーラーの最大回転時は耳障りな高周波音を感じ、騒音値以上に気になってしまう。
そのほか6種類のなかでは、Noctua「NH-L9a-AM5 chromax.black」と、be quiet!「PURE ROCK LP」が優秀と予想通りの結果だ。
とは言え、最大回転時はいずれも44~48dBAと、それなりにうるさい。92mm角ファンを採用するロープロファイルCPUクーラーで、静音性を期待してはいけないところだ。静音性を重視するなら、用途に合わせてRyzenのPPTやリミット温度を調節するのが良いだろう。
ストレステストを実行して冷却性能を確認
Ryzen 7 8700Gが備える16スレッドがフルロードされる「CINEBENCH R23」と、GPUに高負荷をかける「3DMark Steel Nomad Lite Stress Tests」を実行した際のクロックや温度などを確認していこう。モニタリングには「HWiNFO64 PRO」を使用し、ログからCPU温度「CPU (Tctl/Tdie) [°C]」、動作クロック「Core 5 Clock (perf #1) [MHz]」などを抽出した。
まずは「CINEBENCH R23(10分間)」実行時からチェックする。いずれのクーラーもUEFIで設定されているリミット温度の90度に達することになるのは同じだが、ヒートシンクの吸熱、放熱効率の違いで90度に達するまでの時間に差が出ている。最も短いのは標準付属CPUクーラーで、テスト開始からわずか17秒で90度に達している。
そのほかはヒートシンクのサイズ、ファン風量、素材の影響で「IS-40X-V3」、「IS-47-XT-WHITE」、「PURE ROCK LP」、「NH-L9a-AM5 chromax.black」、「AXP90-X47」、「AXP90-X47 FULL」の順に優秀で、「AXP90-X47 FULL」はテスト開始から162秒後に90度に達している。付属品からは、90度に達するまでの時間が10倍近くに伸びている。
87W前後のCPU消費電力で動作するなど、CPUがフルロードされていたテスト中5分間のCPU温度などを抽出してグラフで確認していこう。テスト開始から1分間の最大と平均をみると、「AXP90-X47 FULL」が最大84.6度、平均80.18度と文句なしに冷えている。
次点は最大85.6度、平均81.1度を記録した「AXP90-X47」で、続いて開始1分間の最大でも90度を下回っていた「NH-L9a-AM5 chromax.black」と「PURE ROCK LP」が並んでいる感じだ。
付属品はテスト開始からわずか17秒で90度に達し、そのまま90度台での推移となっている。そのため動作クロックは、テスト開始から30秒ほどで、ほかのロープロファイルCPUクーラーから100MHzほどダウンした4500MHz台の動作に。さらにテストが進むとともに、4400MHz台にまでダウンしている。
ほかのCPUクーラーも、リミット温度の90度台に達するため、クロックダウンはみられるが、高冷却を発揮した「AXP90」シリーズは、おおむね4600MHz台を維持できている。
動作クロックにも影響するCPUクーラーの冷却性能。テスト実行時の「CINEBENCH R23」のスコアを確認すると、付属品は6種類のロープロファイルCPUクーラーがマルチコア17000台のところ、16579と若干低くなっていた。大きくはないが、パフォーマンスに差が出るのが間違いない。