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循環型社会の実現に待ったなし Viva Tech 2024で見られた企業の動向

Viva Technology 2024ブースレポート

特集
ASCII STARTUP イベントピックアップ

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 ◆ 現地取材者による VivaTech2024報告会、開催決定!◆
【ASCII STARTUP Meetup #12ー「Viva Technology 2024」報告会】
詳細・お申し込みはこちらから  日時:2024/6/14 (金) 19:00~

 フランスのパリで世界最大のオープンイノベーション、最新テクノロジーの展示会「Viva Technology 2024」が、2024年5月22日から25日にかけて開催された。8回目の開催となった今回は、世界中から約16万5000人の来場者を集め、参加者を含めて1万3500社以上のスタートアップと、2000人以上の投資家、投資ファンドが参加し、会場内外で多くのビジネスネットワークが繰り広げられた。会場は歩くのも困難、LVMHグループやロレアルなど人気のブースは満員電車状態で入室もままならないという状況だった。まさに世界最大のスタートアップ、テクノロジーイベントとなったことを証明した。

LVMHグループのブースに日本企業が2社出展

 Viva Tech最大の特徴はフランスの大手企業、世界を代表するテクノロジー企業が大きなブースを構え、共創先、投資先、また事前にテーマを決めたコンテストを開催し、そこに応募したスタートアップを選抜してブース内にスタートアップのブースも設置していることだ。自社の取組のみを展示している大企業ブースもあったものの、ほとんどは大企業とスタートアップがブースで共存する。Viva Techの象徴ともいえる、ラグジュアリーブランドを多数抱えるLVMHグループは「LVMH イノベーション アワード」として、「オムニチャネル」、「ブランドイメージ」、「没入型体験」、「持続可能性、グリーンテック」などといった6つのカテゴリーのテーマでスタートアップを募集。今回、89ヵ国1545社のエントリーの中から18社のスタートアップ企業をファイナリストとして表彰し、ともにブース展示、日本からもヘラルボニーとジカンテクノの2社の企業が選出されていた。

 とくに知的障害のある作家が描くアートのライセンス管理、ビジネス、製品化などを展開するヘラルボニーは「EMPLOYEE EXPERIENCE,DIVERSITY & INCLUSION」部門で、5月23日に行なわれたAWARDの表彰式でファイナリストの中からさらにウィナーに選ばれカテゴリー賞を受賞していた。日本企業としては初の快挙で、今後はフランス法人を設立し、フランス最大のスタートアップ支援拠点「StationF」に入居して、LVMHグループの支援も期待される中でワールドワイドでビジネスを展開していく。

 大阪のジカンテクノは日本酒をつくる過程で出る農業残渣からバイオマス由来のカーボンやシリカといった素材を精製とサプライチェーンを自ら構築することで、サスティナブルな社会の実現を目指す企業だ。同社もAWARDのファイナリストに選らばれ、LVMHグループのブースにて自社のソリューションを紹介した。

 もとより、環境問題の提起が数多くなされてきたViva Techという展示カンファレンスだが、エコデザイン規則案の施行など、持続可能性要件を消費者に提供することが求められるなど、各企業で急務となっている中、同社だけでなく、循環型社会の実現に向けた各要素要素を技術、サービスとして出展するスタートアップ企業がより目立っていたように感じられた。

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