フラッグシップモデル「V310/V110」で性能強化、管理サーバー機能内蔵による効率化など
NEC、プライマリストレージ「iStorage Vシリーズ」2製品を強化
2024年05月17日 16時40分更新
NECは2024年5月17日、プライマリストレージ製品シリーズの「iStorage Vシリーズ」において、新モデル2機種「iStorage V310」「iStorage V110」の販売を開始した。データ転送速度を約2倍(理論値)に向上させるPCI Gen4接続のNVMe SSDへの対応、ストレージ管理機能の内蔵による管理サーバーレス運用への対応といった強化点がある。
2つの新モデルは、V310が1TBのキャッシュメモリを搭載した高性能モデル、V110が100V電源対応で価格を抑えたモデルと位置付けられている。V310は、ホストインタフェースとして最大32ポートのFCポート、最大16ポートのiSCSIポートを備える(V110はそれぞれ16ポート、8ポート)。いずれのモデルも64GbのFCポート、25GbのiSCSIポートをサポートし、本体サイズや搭載可能なドライブ数、最大物理容量などそのほかのスペックは同じだ。
V310/V110では、従来モデル(V300/V100)からの高性能/高機能化、運用管理の効率化などを目的とした機能強化が行われている。
高性能化/高機能化ではまず、PCIe Gen4を新たに採用し、NVMe SSDドライブのデータ転送速度を高速化した。ドライブあたりのデータ転送帯域幅は6GB/秒と、PCIe Gen3対応だった従来モデルの3GB/秒から2倍に拡大している。
また、スナップショット機能ではRoW(Redirect on Write)方式を採用し、従来のCAW/CoW(Copy After Write/Copy on Write)と比べてデータ更新時のストレージ負荷を軽減している。
さらに、対応するRAID方式として、新たにRAID 6を拡張する「Advanced Dynamic Provisioning」が追加された。これまで独立したドライブを用意していたスペア領域を全ドライブに分散し、ドライブ容量の有効活用やI/O負荷の効率的な分散を実現する。また、リビルド時の負荷も全ドライブに分散され、リビルド時間は最大2分の1に短縮される。初期構築時には、9~32台まで任意のドライブ台数で構築が可能であり、投資コストも適正化できる(この機能のみ、2024年度第2四半期に対応予定)。
運用管理の効率化においては、ストレージ管理機能を内蔵ソフトウェア「HA Storage Manager Embedded(HSME)」に集約したことで、外部のストレージ管理サーバー導入が不要になった。これにより導入コストを低減し、運用管理が効率化される。これに伴ってストレージ管理画面も統合、刷新されている。
なお、NECではiStorage Vシリーズにおいて、クラウドバックアップ機能を提供してきたが、新モデルのV310/V110もこれに対応している。これは、筐体内コピー機能と外部ストレージ接続機能を用いて、「AWS Storage Gateway」サーバー経由で「Amazon S3」へのバックアップを行う機能。
希望小売価格(税抜)は、iStorage V310が1509万2000円から、同 V110が857万2000円から(いずれも最小構成:本体+SSD×3台+32GB FC 8ポート+標準搭載ソフトウェア 時の価格)。出荷開始日は2024年5月31日。