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SAS HDD対応や搭載するストレージ機能の絞り込みで低価格化、AWSへのクラウドバックアップ機能も

NEC、プライマリストレージのエントリーモデル「iStorage V10e」発売

2023年10月11日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NECは2023年10月11日、同社プライマリストレージ製品「iStorage Vシリーズ」のエントリーモデル「iStorage V10e」(1機種2モデル)を発売した。SAS HDDへの対応や搭載するストレージ管理機能/ソフトウェアの絞り込みによって、価格を抑えている。

 また、V10eを含むiStorage Vシリーズの全機種で、新たにAWS(Amazon Web Services)へのシンプルなクラウドバックアップ機能を提供する。今回、クラウドバックアップ環境の導入支援サービスも販売を開始している。

NECが発売したエントリーモデルストレージ「iStorage V10e」

 NECでは2021年10月に、VDIや高負荷ワークロード向けのプライマリストレージ製品として、NVMe SSD搭載のオールフラッシュストレージ「iStorage V100」「同 V300」を発売した。希望小売価格(税抜)は、V100が514万6000円から、V300が1080万8000円から。

 今回発売されたiStorage V10eは、V100/V300と同じVシリーズのエントリーモデルとなる。2.5インチドライブ対応モデルではSAS HDD(10000rpm)に対応し、V100/V300よりも安価な構成を可能としている。そのほか大容量のニアラインSAS(3.5インチ)、高速なSAS SSD(2.5インチ)にも対応する(NVMe SSDは非対応)。ホストインタフェースはFibreChannel(16/32Gb×8ポート)またはiSCSI(10Gb×4ポート)に対応。

iStorage Vシリーズのラインアップ

 V10eのストレージ管理機能は、上位モデルのV100/V300が備える各種機能から、主要な機能(ストレージ管理運用とバックアップ)に絞って搭載している。本体内蔵の管理ソフトウェア「HA StorageAdvisor Embedded」によるサーバーレスでのシンプルな運用、外部サーバー「HA Device Manager -Storage Navigator」との連携による複数台の一元運用の両方に対応する。

 iStorage V10eには非暗号化モデルと、格納データを暗号化する暗号化モデルの2モデルがある。希望小売価格(税抜)は、非暗号化モデルが314万2000円から、暗号化モデルが394万2000円から(いずれも本体+SAS HDD×3台+10Tb iSCSI+標準搭載ソフトの最小構成時)。提供開始は10月27日から。

 なおV10eは、保守料込みの月額料金でストレージを利用できる「iStorage月額課金ストレージサービス」にも対応している。すでに同サービスを提供しているV100/V300では利用容量に応じた従量課金制だが、V10eでは基本容量契約に基づく月額固定料金制となっている(価格は個別見積もり)。

 また今回、iStorage Vシリーズ全モデルにおいて、筐体内コピー機能と外部ストレージ接続機能を用いた「AWS Storage Gateway」経由でのクラウドバックアップ機能が追加された。iStorage Vシリーズのデータを、シンプルな運用で「Amazon S3」クラウドストレージ上にバックアップすることができる。データのリストアは筐体内コピー機能で実行する。

 このクラウドバックアップ環境を構築する際の設定ノウハウの提供、設定内容の確認をNECがサポートする「クラウドバックアップ導入支援サービス」も発売する。希望小売価格は93万1000円からで、11月30日からの提供開始。

新機能を用いたiStorage Vシリーズのクラウド(AWS)バックアップの概要

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