本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Microsoft 365 Apps(Office 365 Apps)」に関する話題を紹介する。今回は「Microsoft Copilot for Microsoft 365(以下、Copilot for Microsoft 365)」のダッシュボードに注目した。
Copilot for Microsoft 365の利用動向を可視化する「Copilot Dashboard」
そろそろ組織内でもCopilot for Microsoft 365を検証が終わり、その管理についても検討され始めている頃だろう。マイクロソフトは、Ignite 2023で「Copilot Dashboard」を発表していたが、2024年3月27日(米国時間)の公式ブログ にて、Microsoft 365(Office 365)を2500シート以上契約している企業を対象に、一般提供を開始したことを表明した。
Copilot Dashboardは、Microsoft Viva Insightsの下部に実装され、Microsoft 365の各種情報を収集しながら、数字やグラフで可視化してくれる。はじめに表示される「Readiness」は、組織のCopilot for Microsoft 365の導入動向や利用動向を表示するタブだ。
「Adoption」タブを開くと、さらに詳細な動向を確認できる。たとえば、組織内でCopilot for Microsoft 365を有効にしている従業員数やTeams経由の利用頻度などを、Microsoft 365 Appsの利用率と併せて把握することができる。
「Impact」タブは、Copilot for Microsoft 365の稼働率を示すタブだ。ユーザーやトークン、稼働率を数字で示しつつ、Teamsのオンライン会議やチャット、メール、ドキュメント作成の利用状況もわかる。さらに組織の正常性を可視化するMicrosoft Viva Glintと、チームの課題を浮き彫りにするMicrosoft Pulseを契約する組織には、事前に用意したテンプレートを用いて、従業員の意識も可視化できるという。
最後の「Learning」は、文字どおりCopilot for Microsoft 365の学習コンテンツを集めたタブ。スクリーンショットを見る限り、読み物や動画が並んでいる。マイクロソフトは、Copilot Labに学習コンテンツを集約させるとしていたものの、先頃Microsoft Copilot Academyの提供を開始するなど、コンテンツを分散させはじめている。それでも、同社ならコンテンツの融合など何らかの連携を期待できるだろう。
2500シートの契約は、筆者のような個人事業主や中小企業は難しく、Copilot Dashboardを目にすることはないと少々落胆していたが、別の公式ブログによると「2024年第3四半期からCopilot Dashboardは、すべてのCopilot for Microsoft 365利用者が追加費用なしで利用できる」という。Microsoft Viva Insightsライセンスも不要となるそうだ。11月に予定されているIgnite 2024における発表に期待したい。
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