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仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第51回

AIによる支援が加わったMicrosoft DesignerはSNS向けソリューション?

2023年04月18日 09時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回は「Microsoft Designer」に注目した。

AIによる支援が追加されたMicrosoft Designer

 筆者も早々に申し込んでいたMicrosoft Designerのプレビューだが、2023年3月に入ると待機リストを外れて使用可能になった。Microsoft Designerが一般法人向けMicrosoft 365 Appsに含まれるのか、Microsoftアカウントにひも付くので、家庭向けMicrosoft 365サブスクリプションのプレミアムサービスになるのか不明だが、ビジネスユーザーも関心をお持ちではないだろうか。

Microsoft Designerのトップページ

 上図はWebブラウザーでMicrosoft Designerにアクセスすると現れるトップページだが、ご覧のとおりAI(人工知能)による支援が加わっている。下図はMicrosoft Designerの提案に応じて、適当な英文を入力したものだが、それらしい画像を生成できた。さらに「Copilot」ウィンドウからは別のデザインも提案してくれる。Microsoft PowerPointの「デザイナー」もしくは「デザインアイデア」でおなじみの機能だが、デザイン能力に自信がない方もMicrosoft Designerで十分補えそうだ。

入力した英文に応じて画像を生成する

気に入ったものを選んで画像編集に取りかかる

 Microsoft Designerは、おそらくOpenAIのChatGPTを用いていると思うが、あちらの機械学習モデルは言語ベース。AIによる画像分析とタグ付けで処理しているのだろう。では、Microsoft Designerが業務向けソリューションであるかとの問いには「否(いな)」と述べたい。下図で示したようにMicrosoft Designerは下地となる画像選択に始まり、加工・共有と基本的なデザイン機能を備えている。ファイル保存機能もSNSへの投稿や、MP4/GIF/PNG/JPEG/PDF形式をサポートし、さらにURLベースの共有機能も用意した。なお、使用するホストはlive.comなので、やはり家庭向けMicrosoft 365向けなのかもしれない。それでも今後も拡大するSNS体験に寄与するのは確実だ。

デザイン系ツールでは定番のテンプレートも用意

作成した画像はPCやスマートフォン、各クラウドストレージに保存可能。あれ? OneDriveがない……

オブジェクトや画像を追加する「Visuals」。当然サイズは自由に変更できる

画像に文字を追加する際は「Text」を使用。ここでもCopilotによる挿入方法の提案が行われる

 MicrosoftはAIを通じて画像編集を行なうVisual ChatGPTの開発や、2023年3月9日から開始したAzure OpenAI ServiceのChatGPTプレビュー提供、OpenAIのGPT-4で稼働する新Bing、Windows 10/11、Microsoft Dynamics 365へのAI機能提供を鑑みるに、既存製品やサービスをAIで次のステージに押し上げようとしている。その成果がMicrosoft 365 Appsを通じて享受したい方は、同社の動向に注目すべきだ。すでに2023年5月開催予定のMicrosoft Buildも受付を開始しているが、まずは同社が3月17日に開催する「The Future of Work with AI(AIによる生産性の改革)」は注目株だ。

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