Sora「YouTube」学習疑惑
一方で、大きな問題になっているのは、SoraがYouTubeなどを学習素材に使っているのかもしれないという疑いです。
きっかけのひとつは、3月のウォール・ストリート・ジャーナルのOpen AIのミラ・ムラティCTOへのインタビューです。Soraのトレーニングのためにどのようなデータが使われたという質問に、「公開されているデータとライセンスされているデータを使用した」とムラティ氏は答えました。追加で「YouTubeは?」と問われ、「実際にはわかりません」と言葉を濁しました。これはスクレイピングによってデータを収集して学習に使っていると受け止められました。グーグルはYouTubeの規約でスクレイピングや他の商用利用を禁じているため、規約違反に該当することもあり、批判が起こりました。
4月、ブルームバーグがグーグルのニール・モハンCEOへのインタビューでこの件について突っ込みました。ニール・モハンCEOは「YouTubeが使われたかもしれないという報告を見たことがある」と述べたうえで、もし使っている場合には違反行為であるとしました。ただ、すぐに問題として追求するという姿勢は見せていません。一方で、グーグルは自社の規約上認められていることから、自社の動画AIへの学習に、YouTubeの動画を使っていることが明らかにされています。
Open AIの立場はまだはっきりしていませんが、サービス開始に向けて、今後の焦点の一つとなってくるでしょう。
その一方で、アドビは4月16日、動画編集ソフト「Adobe Premier Pro」で動画生成AIを利用できるようにすると発表しました。RunwayやPikaといった動画生成AIの代表格のサービスとともに、Soraも利用可能になるとしています。
原理的には、Adobe Premier Proから各サービスのAPIを叩いているだけなので、それほど難しい仕組みではないと考えられます。サービス開始時期は「Coming soon」となっているのでいつから開始なのかはわかりませんが、結構攻めたことをやってきたなという印象です。アドビもまた、動画生成AIを開発中であると見られており、有力な動画データを1分3ドルで買い上げているという報道もありました(ブルームバーグ)。そのなかでの生成AIへの早めの対応ですから、Premier Proの市場での優位性を維持したいということなのでしょう。
また、4月27日には、中国のAIカンファレンスで、ShengShu-AIと精華大学が開発した「Vidu」という新しいSoraフォロワーの技術が発表されました。テキスト入力で、16秒間の1080pの動画が作成できるというもので、動画はSoraを意識したようなものばかりです。まだ、トレイラー的な動画のみで、技術的な詳細はまだほとんど明らかにされていませんが、急激にキャッチアップが進んでいる様子が伺えます。
生数科技牛批啊,不声不响整了个大活。
— 歸藏(guizang.ai) (@op7418) April 27, 2024
发布 Vidu 视频生成模型,支持长达 16 秒 1080P 视频直接生成。
从宣传片来看一致性、运动幅度都达到了 Sora 水准,就是时长上还差一些,不过已经吊打现在的所有视频生成模型了。 pic.twitter.com/P6SQgfScLE
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