太っ腹すぎ! アウディ、EV向けにメーカー問わず使える150kW充電器を都内に設置

文●会田 肇 編集●ASCII

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世界で7番目! アウディの超急速充電機が使えるように

 アウディジャパンは4月26日に都市型充電施設「Audi charging hub 紀尾井町」(東京都港区)をオープンした。これは最大150kWの急速充電ができる4口の充電ポートを備えた都市型充電施設で、アウディ全体で7番目、ヨーロッパ圏以外では初の拠点となる。

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東京・紀尾井町にオープンした都市型充電施設「Audi charging hub 紀尾井町」

 タワーマンションなど集合住宅が多い都市部では、施設内に充電設備がないことで不便を感じている電気自動車(BEV)ユーザーは少なくない。これは何も東京に限ったことではなく、ドイツでも同じ悩みを抱えているという。

 本施設は、そういった都市部における「充電拠点不足」「自宅で充電できない」「充電にかかる時間が長い」といったBEVユーザーの課題解決に役立てることを最大の目的として、アウディが設置を進めてきたものだ。

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急速充電をデモするアウディジャパンでブランドディレクターを務めるマティアス・シェーパース氏(写真:アウディジャパン)

 最初にこの施設がオープンしたのは2021年で、ドイツのニュルンベルク。そこからスイスのチューリッヒ(2022年)、ドイツのベルリン(2023年)、同ザルツブルク(2023年)、同ミュンヘン(2023年)、同フランクフルト(2024年)の順に開設が進み、そこから一足飛びに東京での設置が実現した。

充電時間を効率良く使えるような場所に設置する

 Audi charging hub 紀尾井町の周辺は、東京都心でも特にオフィスやホテル、商業施設、官公庁などが密集するロケーション。道路を挟んだ真向かいにアウディのe-tron(BEV)を取り扱う「Audi City紀尾井町」が、隣にはコンビニがあるなど、充電中はこれらを利用することで無駄なく時間を過ごせる。

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「Audi charging hub 紀尾井町」の隣にはコンビニがある

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「Audi charging hub 紀尾井町」の道路を挟んだ反対に側にある「アウディシティ紀尾井町」

 アウディとしては、特にこうした充電時間を埋めてくれる施設がある場所に対して急速充電ネットワークを提供することで、BEVの利便性を向上させようという意図がある。

 アウディジャパンでブランドディレクターを務めるマティアス・シェーパース氏によれば、「ニュルンベルクに開設した際、この施設はぜひとも東京に欲しいと懇願したが、日本はBEVへの関心が低いとの理由で否定された」という。しかし、そこから度重なる要請にドイツ本国も根負けし、それが今回の開設にこぎ着けたそうだ。

夜間に蓄電池で電力を貯めておき、昼間は急速充電

 アウディは、フォルクスワーゲン、ポルシェとともに、CHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電ネットワークサービス「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」を正規ディーラーにおいて展開している。アウディジャパンによれば、2024年4月時点で、急速充電拠点(150kW/90kW)は計356拠点あり、そのうち150kWは97拠点に達している。今後はすべてを150kWにアップグレードを完了する予定だ。

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急速充電中の車内側表示。145kWの高速で充電されているのがわかる(写真:アウディジャパン)

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パワーエックス社の蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger(型式:HC0358)」2台はこの枠内に設置されている

 そして、オープンしたばかりのAudi charging hub 紀尾井町だが、この施設の最大のポイントが、充電設備にパワーエックス社の蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger(型式:HC0358)」を2台採用していることだ。

 一般的な急速充電器の場合、大電力の給電を行なうために電源供給も必然的に高電圧であることが欠かせない。しかし、本施設では蓄電池を採用したことで、電源供給時こそ低電圧であっても、給電時は高電圧に変換して一気に放出することを可能にした。

 つまり、充電需要の低い時間帯に、内蔵する蓄電池にカーボンニュートラルで得た電気を蓄えておくことで、充電需要が高まる時間帯に急速充電の提供を可能としているのだ。なお、本施設の屋上には太陽光パネルを設置して本施設の運営に必要な電力を賄っている。

充電設備側だけでなくBEV側の進化も必要

 本施設には計2基の急速充電設備が用意され、1基につき2台の急速充電が可能。1台充電時の最大出力は150kW、2台同時の場合は1台当たり最大120kWの高出力で充電ができる。また、以前、パワーエックス社を取材した際は「(Hyperchargerは)今後のアップデートで最大240kWという超ハイスピード充電にも対応予定」とも話しており、これが実現すれば日本のEV充電事情を大きく変える可能性もある。

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「Audi charging hub 紀尾井町」の屋上には太陽光パネルを設置して施設運営に必要な電力を賄っている

 一方で、この急速充電の利点を最大限に活用するには、環境の整備だけでなくBEV側の進化も欠かせない。アウディが現在日本で販売しているAudi Q8 e-tron/Audi Q8 Sportback e-tron/Audi SQ8 Sportback e-tron/Audi e-tron GT quattro/Audi RS e-tron GTはすべて、150kWでの充電に対応済みだ。

 この結果、150kWで充電すれば、計算上では航続距離100km分の充電をAudi Q8 e-tronなら約8.5分、Audi e-tron GTなら約6.5分で可能となる。

アウディ以外のメーカーでも充電は可能

 本施設の運営時間は、年中無休の24時間利用が可能で、充電規格「CHAdeMO 2.0.1」に対応。CHAdeMOアダプターは利用できない。利用方法は、充電器にある二次元コードをプレミアム チャージング アライアンス(PCA)アプリ、あるいはスマートフォンのカメラで読み取ることで利用可能になる。利用料金はPCA月額会員は75円/分、PCA都度会員は200円/分、一般利用は250円/分。

 アウディチャージングハブ紀尾井町では、充電設備のうち1基2口をPCAメンバー専用とし、メンバーは優先的に利用できる。今後はメンバー向けに予約システムを導入し、待ち時間のないプレミアムなサービスを提供する。

 そんな中で見逃せないのは、本施設の利用者をPCAユーザーだけに限定していないことだ。そのため、クルマ側がCHAdeMO 2.0.1に対応していれば、他社製BEVユーザーでも利用できる公共性の高い充電ステーションとなっている。

 しかも、4月26日から6月30日の期間中はオープン記念キャンペーンとして、1ユーザーにつき、期間中最大2回まで急速充電30分が無料で利用できる。

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発表会では、伊藤忠総研 上席主任研究員の深尾三四郎氏(右)、国際環境経済研究所 理事・主任研究員でU3イノベーションズ共同代表の竹内純子氏(中央)も登壇し、EVに関するトークショーをした

 今後は充電にかかる費用を、時間制ではなく使った電力量に応じた課金への移行も想定。これが実現すれば、ガソリンを入れた際の「1リッターあたり〇〇円」のように「kWあたり〇〇円」となり、BEV側の充電能力に応じた精算が可能となる。

 また、多様な充電需要に応じるため、予約機能の運用も視野に入れているという。アウディジャパンによれば、今後は2025年に芝公園にも設置する準備を進めている。アウディの電気自動車への取り組みはこれからも要注目だ。

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