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鳥居一豊の「コンパクトスピーカーが好き!!」 第12回

4K UHD Blu-rayやSACDの再生にも対応!!

待望かつ優れた実力の新進ディスクプレーヤー、MAGNATAR「UDP900」「UDP800」を検証

2024年04月01日 13時00分更新

文● 鳥居一豊 編集●ASCII

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 ここまでの印象をまとめると、パナソニックのDP-UB9000に比べて音の点ではかなり優秀。UDP800もやや線が細いと感じるものの空間の再現やスピード感に優れる。UDP900は圧勝。ひとつひとつの音の実体感とエネルギー感がまるで違うし、空間の再現や個々の音の定位も優れる。間違いなくシャーシの剛性などのS/N感が大きく効いているし、情報量が多い。しかも厚みのある音の再現はアクション映画ならば満点の出来だ。

 映像についてはDP-UB9000を超えるのはDMP-ZR1だけと思っていたが、UDP800でも同等。好みはわかれるが精細感ならばパナソニック、自然な感触ならばMAGNETARとなりそう。UDP900は暗部の階調性もごくわずかながら優れると感じたし、自然な感触で精細感にも不足がない。しっかりと磨き上げられた映像だ。

音楽ソフトでアナログ音声出力の音質もチェック

 今後はアナログ出力だ。パナソニックのDP-UB9000もアナログバランス出力を備えるし、MAGNETARの2機種も同様。そこに音楽ソフト再生用として今も現役のOPPO BDP-105DJPも加えた4機種で音楽ソフト視聴してみた。ライブ映像ソフトだが、音質メインで評価する。音声出力はバランス出力をベンチマークのHPA4、パワーアンプはAHB2×2(モノラル動作)としたステレオ再生仕様。スピーカーはB&WのMatrix 801 S3だ。

インプレ3 高橋幸宏「SARAVAH SARAVH!」

 ライブBDを聴く。洗練されたポップスが持ち味の楽曲なので迫力というよりは凄腕揃いのメンバーの演奏や高橋幸宏の色っぽい歌声が聴きどころとなる。

DP-UB9000の音質:
 HDMI出力は悪くはないが優等生的な真面目な音のDP-UB9000だが、バランス出力では中低域の厚みの増したバランスで聴き応えも出てくる。細かな音まで粒立ちよく聴かせて演奏テクニックの上手さもよくわかる。ボーカルは色っぽさや繊細さはよく出るが実体感というか音の厚みはほどほど。

BDP-105DJP(OPPO)の音質:
 筆者が買い換えたくないとなぜ思ったのか改めて実感した。音の厚みがしっかりと出てボーカルがしっかりと前に出てくる。バランスとしてはさらに中低域がリッチになるがバックの演奏も含めて細かな音が埋もれるようなこともなく、しっかりと音が立つ。高橋幸宏の楽曲は曲によって世界各地の音楽の魅力が垣間見えるポップスとしてもより洗練されたセンスの良さを感じるが、そういう曲によるノリとかグルーヴの違いがよく出て楽しい。

UDP800の音質:
 HDMI出力の細身の感じはなくなり、なめらかでやや落ち着いた感触になる。声もどことなく優しげでニュアンスが豊かだ。低音はややタイトだが細身というほどではなく、フラットなバランス。曲によるグルーブ感もよく出る。そして一番は音場の広さ。ステレオ再生だがスピーカーの外側から音が出ているような感覚がある。それぞれの音の定位もしっかりとしているのでぼやけたような音の広がりにならず、見通しはクリア。力強さは不足はないもののどちらかというと整然とプレイしている感じで、きめ細かさや繊細なプレイを楽しめる鳴り方だ。

UDP900の音質:
 エネルギーがたっぷりと出てくる。個々の音の定位や実体感も増すので、ライブコンサートの会場というよりもステージの直近でかぶりつきで見ている感じになる。中低域も厚みがあって、高域の伸びも鋭い。やんちゃなバランスのようにも感じるが音のエネルギーでそう感じさせるので、リッチな音なのに混濁したりにぎやかな音にならず、きちんとバランスは整っている。そのうえでエネルギーや高橋幸宏らプレイヤーが楽しんでいる感じ、ライブならではのノリの良さが伝わる感じだ。これだけ色気や輝き、迫力を感じる音で情報量やきめ細かな表現まできちんと聴かせてくれる音というのも見事だ。

インプレ4 ピンク・フロイド「狂気」(SACD)

 最後はSACDの「ピンク・フロイド/狂気」。50周年記念のリマスター盤だ。SACDにはマルチチャンネル音声も収録されているが、今回はあえてステレオ音声で聴いている。

DP-UB9000の音質:
一番手だが、SACDの再生はできないので、CDトラックを再生。1曲目冒頭の鼓動のようなリズムはしっかりと出るしコーラスというか効果音の笑い声も生々しい。ステレオ録音の左右の動きも明瞭だ。「TIME」の鳴り響く時計の音も分解能は良好。ボーカルはやや細身になる。これまでのCD再生よりもリマスターで音質が向上していることはわかるが、SACDの再生と比べると差はかなりある。

BDP-105DJP(OPPO)の音質:
 ここからSACD再生だ。鼓動のようなリズムのローエンドの伸びが明らかに違っていて、CDとの音質差がはっきりわかる。S/Nも良くなっていて音場が広く深い。「TIME」の個々の時計の針の音がクリアで、左右でチャイムが鳴り響いてもきちんと聞こえる。どの音も明瞭度が高く、エコーの深みもよくわかる。ボーカルの実体感も高まっていて、聴き応え十分の演奏だ。

UDP800の音質:
 UDP800では鼓動のような音に芯が通ったような力強さが出る。音場の広さと深さはさらに広がってくる。ボーカルがしっかりと前に出てくるのも良い。「TIME」ではSACDマルチチャンネルを再生したかと確認したくなるほど音場が広く深くなる。この音の浮遊感は見事なものだ。時計のチャイムの音もそれぞれの音に方向感があるだけでなく、遠近感まであることがよくわかるし、遠くのチャイムの音もぼやけずにリアルな音だ。リマスターで甦った部分もあるだろうが、50年前の制作時にここまで作り込んだスタジオワークにも頭が下がる思いだ。演奏としても声をクリアに再現しつつエネルギー感もしっかりとしている。

UDP900の音質:
 UDP900は鼓動のようなリズムの質感が向上。より細かな音やニュアンスまで再現されて、深みを増した音場に吸い込まれるような感覚になる。声はしっかりと浮かびあがり、歌詞も聴きやすくなる。音の厚みやニュアンスの表現がさらに向上した感覚でこれだけ情報量が増えているのに雑味はむしろ減っているとさえ感じる。「TIME」の時計の音やチャイムの音の再現は見事。マルチチャンネルに迫る音場感だし、耳を聾するレベルで鳴り響いているのに個々の音が埋もれずに粒立ちよく再現される。雑味はまったく感じず、ノイズの付加もそれとよくわかるレベルで楽曲のすべてを露わにしてしまうような解像感がある。演奏や歌唱を含めてパワフルなものではないが、エネルギー感というか迫真性のある音だ。

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