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驚きの物量投入! ユニバーサルプレーヤーの本格派、MAGNETAR「UDP900」と「UDP800」発売

2024年02月22日 10時00分更新

文● ASCII

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MAGNETAR UDP900とUDP800

 エミライは、MAGNETARブランドのユニバーサルディスクプレーヤー「UDP900」「UDP800」の国内販売を3月1日に開始する。価格は上位のUDP900が55万円、UDP800が29万7000円。

UDP900とUDP800

日本語版のOSDについては、代理店のエミライからもフォントを始め、様々なリソースを提供した。

UDP900とUDP800

リモコンは異なる。サラウンド切り替えなどボタン構成の違いも反映してのもの。

 MAGNETARは、2021年設立の新進ブランドでUDP900とUDP800はその第1弾製品。チェス盤の市松模様をイメージしたフロントパネルが特徴。ヘアライン処理されたアルミパネルを異なる色に着色して組み合わせている。欧米市場では昨年から販売されているが、日本向けモデルの開発にあたって、独自のUI(OSD:On Screen Display)を開発。国内代理店のエミライがカスタマイズしたフォントデータを採用し、日本人が使っても違和感のない操作性を追究している。両モデルともEthernet端子を装備し、OTA(オンラインでの自動アップデート)対応。一方、ストリーミング配信などへの対応は潔く削っている。

MAGNETAR UDP900とUDP800

MAGNETARの製品共通のGUI。なじみやすいインターフェースで、超新星の壁紙が目を引く。

MAGNETAR UDP900とUDP800

見やすく、分かりやすいGUIに仕上がっている。

UDP900

 UDP900は、ソニー製の481AAAレーザードライブを搭載し、4K UHD Blu-ray Discのほか、SACDのマルチチャンネル再生も可能。Dolby VisionやHDR 10+やDLNAにも対応する。

MAGNETAR UDP900とUDP800

UDP900

MAGNETAR UDP900とUDP800

背面、目を引くのが7.1chのアナログオーディオ出力だ。

 ドライブは専用ケースに収めており、四隅に衝撃防止用スポンジを設け、ピックアップ部など細部まで振動対策。正確な読み取り性能と静粛性に配慮した造りとなっている。密閉構造のため、ホコリにも強く、レーザー装置の高寿命化にも貢献するという。

MAGNETAR UDP900とUDP800

トレーを繰り出したところ。フロントパネルの厚みが異なるため、ドライブの前に付いているパーツも異なるという。

MAGNETAR UDP900とUDP800

ドライブは同じだが、収めるケースは上位/下位で異なる。シルクにはMade in Chinaとあるが、ドライブ自体はソニーから外販されたものがベースになっているそうだ。

 専用プレーヤーらしく、音質にもこだわっている。音声はHDMIや同軸のデジタル出力に加えて、アナログ出力も搭載。2chと7.1chの2系統あり、DACは2ch用に「ES9038PRO」、7.1ch用に「ES9028PRO」を使用する。高精度・超低位相ノイズで温度補償タイプのTCXO水晶発振器を採用。4層のPCB基板上に各チャンネルが独立した配線で回路を形成し、ELNAコンデンサー、WIMAコンデンサーを多数使用するほか、マッチドペアリングのNCCオーディオグレードコンデンサー、ELNA SILMIC IIコンデンサーなどを配置。日本製のパーツを多数使用したものとなっている。2ch出力はRCA(アンバランス)とXLR(バランス)の2種類の端子が選べる。

MAGNETAR UDP900とUDP800

2chのオーディオ基板、左右対称の構成で、セパレーションを高めるためのプレートも装備するなどこだわりが感じられる。

MAGNETAR UDP900とUDP800

ESSのDACが確認できた。

 SoCはMediaTekのクアッドコアプロセッサー「MT8581」で、12GBのサムスン製DDRメモリーと4GBの東芝製NANDストレージを搭載。メイン基板は6層で、高精度・超低ノイズTCXO温度補償水晶発振器や高精度LDO電源、村田製作所製の積層セラミックコンデンサー、TDK製磁気デバイス、30個の日本ケミコン製の電解コンデンサーなどを採用している。

 電源部はオーディオ用のアナログ基板にリニアトランス電源、メインとなるデジタル基板に高効率なスイッチング音源を分けて使用する“デュアルパワーサプライ設計”。60Wのリニアトランス電源はOFC線を使用したトロイダルコアトランスを金属シールドに収め、エポキシ樹脂を充填し、振動、ノイズ、熱などの悪影響を低減するという。スイッチング電源も60Wで低リップル。PQ3220ハイパワートランス、2段入力フィルター設計、独立した金属シールドに収めている。

MAGNETAR UDP900とUDP800

UDP900の電源部。上部の丸くくぼんでいる部分にトライダルコアトランスが収納されている。

MAGNETAR UDP900とUDP800

UDP900の内部。右端が電源、中央上がドライブ、左端が2chのアナログ基板、手前が7.1chのアナログ基板。

 内部は電源部、ドライブ部、2chアナログ部、7.1chアナログ部、メイン基板がそれぞれ独立しており、金属カバーによるシールドなどを施して相互干渉を低減。2chのアナログ回路はデジタルのメイン基板の上に積む形だが、高周波ノイズの飛び込みを防ぐため、アルミパネルでシールドしているという。

MAGNETAR UDP900とUDP800

右はUDP900のトッププレート

 オールアルミのシャーシや筐体はかなりの物量投入がなされており、シャーシの外側に肉厚のパネルを重ねて補強するダブルシャーシ構造、カウンターウェイトプレートによる強化構造で振動を抑制。メカニカルグランドに配慮した脚部を持ち、15.5kgと重量級の本体を支えている。

MAGNETAR UDP900とUDP800

しっかりとした脚部

 HDMI出力は映像と音声を分離。映像用(メイン)のHDMI OUT 1と音声専用のHDMI OUT 2の2系統を持つ。HDMI OUT 2から出力する信号は映像が1080p固定の黒となっており、高音質化。また、USBデジタル入力端子も装備しており、PCMは最大768kHz/32bit、DSDはDSD512(ASIO)/DSD256(DoP)の再生が可能。RCAおよび同軸のデジタル出力も持つ。本体サイズは幅445×奥行き321×高さ133mm。

UDP800

 UDP800は、コアとなる部分をUDP900と共通化しつつ、スリムな筐体であるのが特徴。使用するSoCやドライブなどは同じ、メイン基板の構成もほぼ同じで、UIも共通化されている(メイン基板の映像回路も同じチップだが、基板自体は異なる)。ただし、アナログ音声出力が2chのみとなり、DACもTiの「PCM1795」を左右独立構成で使用。筐体構造や素材(鉄)、内部レイアウト、シールド用の金属ケースの形状、電源が60Wのリニア電源のみとなるなどの違いがある。

MAGNETAR UDP900とUDP800

UDP800

MAGNETAR UDP900とUDP800

薄型でアナログ出力は2chのみとなるが、バランス出力を備えている。

MAGNETAR UDP900とUDP800

ドライブを繰り出したところ。薄型筐体であるため、ドライブ周辺の造作には違いがある。

MAGNETAR UDP900とUDP800

とはいえ、バネでダンピングするなど振動対策には細かく配慮している。

 HDMI出力は映像/音声を分離した2系統、同軸/光デジタル出力などを持つ点はUDP900と同様だが、USB入力は持たない。本体サイズは幅430×奥行き300×高さ90mmで、重量は8kg。

MAGNETAR UDP900とUDP800

2chのアナログ出力はPCM1795をデュアルで使用している。

 なお、SACDの信号を出力する際、AVアンプなどDSDに対応した機器と接続している場合は、HDMI/アナログ出力ともDSDの信号が流れるが、テレビなどPCMにしか対応していない機器の場合はPCMの信号が流れる(アナログ出力もPCMからD/A変換される)とのこと。これはHDMIの仕様によるものとのことだ。

MAGNETAR UDP900とUDP800

SACDのマルチチャンネル再生にも対応している。

MAGNETAR UDP900とUDP800

SACDは自動のほかPCMとDSD出力の設定を選べるが、HDMI接続側の機器がPCMしか対応していないとPCMでの出力になる。確実にDSDからアナログ出力したい場合は、DSD対応のAVアンプなどと接続する必要があるとのこと。

訂正:発表時に参考とした資料に誤りがあったため、本文を修正しました。(2024年2月22日)

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