6種類つながったボールペンを切り離して使う
軸が厚紙で作られた「Paper Pens」
伝統があり歴史の長い筆記具中でも、鉛筆は基本的に1本から入手が可能だが、レガシーな鉛筆の中には割安な1ダースのボックスで販売されるモノも多い、一方、筆者も大好きなBICボールペンなどの安価な海外製品は、12本セット以外にも6本、8本とか10本とか25本、50本とか60本とかいう大量のキット販売も多い。
今回ご紹介する衝動買いアイテムはボールペンの軸が厚紙で作られた、その名もずばり「Paper Pens」(以降、ペーパーペン)という商品だ。ペーパーペンは、全部で6種類の外観デザインが異なるボールペンが連続し、1本を切り取り線で切って使う楽しいボールペンの半ダースキットだ。
一般的には同じペンが6本とか12本とかをパッケージして販売するのが一般的だ。しかし、ペーパーペンは厚紙に一気に6種類の異なるペンの外観を、等間隔で印刷した2枚の厚紙の間に6本のボールペンリフィルをサンドイッチし、圧縮して作られているようだ。
昔、筆者も使っていたことがあるが、六角木軸の鉛筆を10本ほど隣の鉛筆と切り離す寸前まで削ってあり、実際に使う寸前にポキッと折って単体で使う鉛筆があった。イメージ的には限りなくそれに近いだろう。
またペーパーペンの仕組みは、比較的最近まで手に入った卵のパッケージの様な素材で作られたUSBメモリーにも似ている。このUSBメモリーは、16GBのUSBメモリー4個が枝にくっついたようなモデルだ。必要な時に1個をポキッと折って使うモノだ。超お気に入りで友達にプレゼントしたり自身でも愛用していたが、最近はなぜか極めて入手困難な製品となってしまった。
ペーパーペンの一番上の見出し部分には、「Fabulously Flat」(素晴らしく平坦)と筆記体で記述されている。6本全体を少し斜めから眺めると、全体としてペンはかなり立体的に見えるが、よく1本だけを見てみるとリフィルの軸の直径分だけが盛り上がっているに過ぎない。しかし、切り離した一本をまたいろいろな角度から眺めてみると、また立体的に感じるからなかなか不思議で楽しい。
ペーパーと聞くと筆者が一番最初に思い出すのは、実際には紙ではなくて繊維のクズを集めて紙状にした合成繊維のデュポンのTyvek(タイベック)という素材だ。一般的には面倒くさい説明をするより、スッキリと「紙」と表現した方がピッタリの素材なのだ。
そんなタイベックで作られた財布やカバンなども、現在では多くのカテゴリーの商品が作られ販売されている。そんな中で筆者が長く興味を持って実際に愛用している製品に、TYVEK製の腕時計がある。一見してチープに見えるというのと、今回のペーパーペン同様超軽量性がウリの「Cheap but Stylish」な製品だ。
試しにペーパーペンの1本をキッチンはかりで重さを測ってみたら、たったの3gだった。これは一般的な鉛筆やビックボールペンの半分くらいの軽さだ。そしてペーパーペンとして印刷されている6種類のペンは、どれもがどこかで見たことのあるデザインのモノが多い。筆記具好きの人なら思い当たるペンがいろいろありそうだ。
最初に引きちぎられる運命の一番下側にあるペンは、どことなく筆者が長く愛用している金属製の元祖シャープペンシルである「早川式繰出鉛筆」に極めて似ている。大正時代のリーディングエッジテクノロジーの筆記具は、その後「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」(常備芯尖鉛筆)と呼ばれるようになったのは、有名なお話だ。

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