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Stable Diffusion入門 from Thailand 第13回

Macで始める画像生成AI 「Stable Diffusion」ComfyUIの使い方

2024年03月27日 09時00分更新

文● 田口和裕

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ワークフローが使えるか試してみる

 連載第11回でも取り上げたが、ComfyUIの大きな特徴として「ワークフロー」の利用のしやすさがある。

 ワークフローは、ComfyUIのノード(接続して使う様々な機能)の種類、配置、接続関係などの情報を保存したデータのこと。ファイルとして簡単に保存・読み込みができるため、以前の設定を呼び出したり、他のユーザーとの共有がしやすい。画像を生成するときの“レシピ”をとっておくような仕組みと考えればいい。

 ここではWindows機の方で作成・保存したワークフローをMacで再現可能か試していく。

 ComfyUIの操作パネルにある「Load」をクリック。

 Windows機で作成したワークフローファイル(.json)を指定する。ちなみにこれは連載第10回で作成したワークフローだ。

 ワークフローを開くとエラー画面が表示された。一瞬ビビるも、落ち着いて内容を読むと、モデルと「VAE(変分オートエンコーダー、画像の質感を変える機能)」のファイル名が違うので読み込みに失敗した、ということらしい。

 エラーが関連するノード(ここでは「Load Checkpoint」)は赤く囲まれているのですぐわかる。

 「sd_xl_base_1.0_0.9vae.safetensors」を手動で選択してやればよい。

 なお、本来指定されていたのは「sd_xl_base_1.0.safetensors」。ダウンロードしたのはこれに「VAE」を追加して強化したバージョンだったので、ファイル名が変わってしまったということのようだ。

 もう1ヵ所赤く囲まれているのは「Load VAE」。その名の通り「VAE」を指定するノードだ。

 前述の通り、VAEはモデルと一体化されてしまっているので、ここはノードごと削除してしまえばいい。

 線が切れてしまったので「Load Checkpoint」ノードの「VAE●」と「VAE Decode」ノードの「●vae」を線で繋ぎ直しておこう。これをやらないとVAEの効果がなくなってしまう。

 エラー処理が終わったので操作パネルの「Queue Prompt」をクリックして生成。かなり時間はかかったが、無事に美少女画像が生成された。

 なお、今回発生したエラーが出なければ無視してそのまま進めてもらって問題ない。

 もしエラーが出たとしても落ち着いてエラーメッセージを読めばなんとかなるということを伝えたくてあえて残した。メッセージを読んでもわからない場合はそのままChatGPTやClaudeなどに突っ込んで質問すればよい。本当に便利な時代になったものだ。

独自UI「Inference」を試す

 ところで、Stability Matrixには、インストール可能な各種UIの他に、ComfyUIをベースにした「Inference」という独自UIが用意されている。こちらも試してみよう。

 当然だが、Inferenceを利用するためにはComfyUIがインストールされている必要がある。

 サイドメニューから「Inference」アイコンをクリック。シンプルなUIなので、WebUIやComfyUIを触ったことがあれば問題ないだろう。

 ここでは、「モデル(sd_xl_base_1.0_0.9vae.safetensors)」、「サンプラーの種類」、「ステップ数」、「CFG Scale(プロンプトの影響度)」、「画像サイズ」を指定し、プロンプト(ネガティブ/ポジティブ)を入力した。

 準備ができたら「Generate Image」をクリックしよう。なお、ComfyUIが起動していない場合は起動を促すメッセージが表示される。

 さすがにWindows機に比べてずいぶん時間はかかったが、無事に美少女(後ろ向きだが)が生成された。

 サイドメニューから「Output Browser」を選ぶことで生成した画像を原寸で閲覧することも可能だ。

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