シボレーのスポーツカー、コルベットのC8と呼ばれる8代目は、駆動形式がFRからミドシップになりました。その評価は高く、絶賛の嵐となっています。そんな8代目コルベットに伝統のハイパフォーマンスモデルである「Z06」が登場しました。
モータースポーツ由来のエンジン「LT6」を搭載するこのモデルは、公道を走るレーシングカーとも言われています。そんなアメリカンスーパーカーのコルベットZ06を街乗りから高速道路、ワインディングに至るまであらゆるシチュエーションで試乗したのでレポートします。
◆日本の道路で走れるのか!? 横幅が超デカい!
実車を見た第一印象は「横幅がデカい!」の一言に尽きます。標準のコルベットでも1940mmという全幅でなかなかのワイドボディなのですが、このZ06はそれよりもなんと85mmも全幅が拡大され、2025mmという2mの大台を超えたサイズです。そして、低い全高にエッジがバリバリと効いたデザイン。ホイールまで全身ブラックのその姿形は、存在感……というか威圧感がものすごくあります。
今回のC8型から右ハンドル仕様が日本で導入されることになったのですが、何とこのスペシャルなZ06でも右ハンドルとなっています。事前に知ってはいたけれども、あらためて見るとコレにはちょっと驚きです。
前後にトランクも用意されていますが、フロントは5つ(!)あるラジエーターの後ろ、リアはエンジンの真後ろなので、熱に弱いものはトランクに入れない方が良いでしょう(チョコレートとか)。ちなみに5つあるラジエーターはフロントに3つ、両サイドのエアインテークの後ろにそれぞれ1つずつとなっています。
◆自慢の低速トルクも日本の道路事情に合ってない
5.5LのV8エンジンを始動させていざ試乗開始。街中ではアメ車独特の低回転でトルクフルな走りで楽々……と思ったのですが、ちょっと日本の道路事情にはギア比が合ってないかもしれません。8速もあるトランスミッションは低速域でも2000rpmオーバーまで引っ張る様子。今どきの流行りの快適多段トランスミッション搭載モデルたちのように、小気味よく低回転でシフトアップする様子はありません。
排気量があるためトルクはあるものの、思ったより低速トルクは細いかもという印象です。実は排気量単体で見れば標準のコルベットは6.2Lエンジンを搭載するので、こちらの方が大きいのです。街乗りを快適かつ経済的に乗るなら標準車の方が優れているのは間違いないでしょう。
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