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これぞアメリカンマッスル! 新型コルベットを乗り倒した!

2014年03月29日 18時30分更新

文● 松永和浩 写真●松永和浩

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乗ってやらなきゃお前のコルベット!
新型コルベットはレースのフィードバックから生まれた

 4月12日から一般発売される7代目シボレー・コルベット。デザイン的には今までのコルベットのイメージ、ロングローズショートデッキを残しながらも各部が戦闘的なテイストにまとめ上げられた印象が強い。

 それもそのはずで、コルベットはこれまでも積極的にモータースポーツに取り組み、2011年に6代目コルベットがル・マン24時間レースのLM GTE Proクラスで優勝を果たしているが、そのル・マンやFIA GT3クラスでのノウハウやフィードバックを最大限に取り入れた設計がなされているのである。

昨年のWEC in Japan Fuji 6H出場のコルベットGTE

昨年までSUPER GTに参戦していたコルベットGT3

 ベースモデルのクーペに搭載される、6.2リッターのV型8気筒エンジンですら460馬力の出力と624N-mの大トルクを発生させる。しかし、そのパワーや排気量を期待してカーボン製の逆ヒンジ式ボンネットを開けてみると、エンジンが意外と小さいことに驚きを隠せない。

 エンジンのバルブ開閉システムが、一般的なスーパースポーツのDOHCに対し、システム的には旧式といわれるOHVを伝統的に採用したコルベットのエンジン。OHVはエンジン上部にカムシャフトと呼ばれるバルブ開閉用のシャフトを持たないためエンジンの全高がかなり低く設計でき、部品点数も減らせるので、エンジンのコンパクト&軽量化が可能であり、そこに伝統で培ったノウハウと技術を駆使してエンジンの高性能化を図っているのだ。

 実際、寸法や重量は同じ排気量であるメルセデス・ベンツ SLSのAMG63ユニット6.2リッターV型8気筒よりも見た目で2/3程度に見えるほど、かなり小さい。その6.2リッターとは思えないコンパクトなエンジンを思いっきり後方に搭載し重量配分を適正化しているのである。

 フロントミッドシップともいえるエンジン搭載位置のおかげで可能な限り低いノーズを実現でき、また前輪から前の部分に生まれたスペースで、徹底的な冷却機能とダウンフォースを含めた空力特性の最適化を図ることができた。

 そのコンパクトなエンジンを活かすべく、ボディー構造もかなりの軽量化が図られ、主要構造体のモノコックは総アルミ製、応力のかからない外板パネルは強化プラスティック、そして単体で一番面積の大きくなるボンネットと地上から一番高い位置にあるルーフはカーボンファイバー製となる贅沢な造り。モデルごとに2~3万台を生産するモデルとしてはカーボンボンネットとカーボンルーフの採用は世界初となるとのこと。そのおかげで軽量低重心を実現している。

 ポルシェ 911カレラS(991)の1455kgには適わないにせよ、日産GT-Rの1740kgやアストンマーティンVantage Sの1610kgよりはるかに軽量な1540kg(クーペ)となる。

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