連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第114回
IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 12月16日~12月22日
ゲーミングPCは「BTOで購入」が4割、6年後のスマホデータ消費量は月間56GB、日本の労働生産性が過去最低順位に、ほか
2023年12月25日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2023年12月16日~12月22日)は、ゲーミングPCの購入方法や情報入手先、日本の労働生産性の国際比較、BtoCモバイルサイトのユーザビリティ調査、今後の5Gの普及動向、旅行/ホスピタリティ業界を狙うサイバー攻撃についてのデータを紹介します。
[PC][消費者]ゲーマーの40%がゲームPCをカスタム購入、情報源としてYouTubeが急増(GfK Japan、12月21日)
・ゲーミングPC入手方法は「カスタムして購入(BTO)」(40%)が最多
・情報源は「パソコン情報サイト」(50%)、「ブランド公式HP」(34%)
・情報源としての「YouTube」は4年前の19%から31%へと急増
ゲーミングPC所有者を対象に、購入方法や使用実態についてたずねた。1年以内に「Steam」などのダウンロード型ゲームを使ったユーザーに、所有するPCの入手方法を聞いたところ、「カスタムして購入」(40%)が「既製品の購入」(27%)を上回った。「パーツからの組み上げ(自作PC)」も25%を占める。購入価格と予算を比較すると、全体の75%は「予算並みで入手」しているが、BTO購入者の15%、自作者の17%は「予算を上回って入手」。ゲーミングPCやパーツの情報源、トップ3は「パソコン情報サイト」(50%)、「ブランド公式HP」(34%)、「YouTubeのテックチャンネル」(31%)。2023年の購入者は、2019年以前の購入者よりも13ポイント多くYouTubeを参考にしている。
[生産性]日本の時間あたり労働生産性は52.3ドル、1970年以降で最低の順位に(日本生産性本部、12月22日)
・2022年、日本の1時間あたり労働生産性は52.3ドル(5099円)。OECD 38カ国中30位
・就業者1人あたり労働生産性は85329ドル(833万円)。同 31位
・製造業の労働生産性は94155ドル(1078万円)。34カ国中18位
OECD(経済協力開発機構)のデータベースなどをもとに分析/検証した年次調査「労働生産性の国際比較 2023」より。2022年の日本の労働生産性(就業1時間あたりの付加価値)は、OECD 38カ国中で30位となる52.3ドル。2021年から0.8%上昇(実質ベース)したものの、順位はデータ取得可能な1970年以降で最低となった。同様に、1人あたり労働生産性も8万5329ドルで、38カ国中31位と最低順位に。1人あたり労働生産性のトップ3はアイルランド(25万5296ドル)、ノルウェー(21万9358ドル)、ルクセンブルグ(18万2738ドル)。アイルランドは2015年以降、首位を堅守している。

G7 7カ国の「就業者1人あたり労働生産性」順位の変遷。日本(青)は31位(出典:日本生産性本部)

同じく「時間あたり労働生産性」順位の変遷。日本(青)は30位(出典:日本生産性本部)
[モバイル][5G] 2029年、世界の5G契約数は53億件を上回り、スマホ1台あたりの月間データ消費量は56GBに達する(エリクソン・ジャパン、12月21日)
・5G契約数は2029年末までに53億件を上回ると予測。6年間で330%以上の増加
・2029年末までに世界人口の85%が5Gでカバーされる
・スマホ1台あたりの月間データ消費量は、2023年の21GBから2029年には56GBに急増
5Gに関する世界の統計を中心に、2029年までを予測範囲とした「エリクソンモビリティレポート 第25版」(2023年11月号)より。北米における5G契約の伸びは堅調で、2023年末までに5G加入者割合が61%に達する見込み(世界全体の5G加入者割合は15%程度)。5Gの人口カバレッジも、2023年末までに45%(世界)を超え、2029年末には85%に達する見込み。スマホ1台あたりの月間トラフィックは、2023年末から2029年末までの間におよそ3倍に増加すると予測されている。その理由を「デバイス機能の向上、データ集約型コンテンツの増加、展開されたネットワークの性能の継続的な改善などに起因するもの」としている。

現在はまだLTE(緑)が主流だが、2029年には5G(オレンジ)の契約者数が58%を占めると予測(出典:エリクソン・ジャパン)
[モバイル][UI]BtoCスマホサイトのユーザビリティ評価、トップは「J:COM」。トップ4を通信事業者が独占(トライベック、12月19日)
・BtoCのスマホサイト、ユーザビリティトップはJ:COM。前回2位からトップへ
・平均スコアは「81.03」で、昨年より0.38ポイントアップ
・アコーディオンなどスマホならではの閲覧体験に高い評価
スマートフォンで閲覧した企業サイトのユーザビリティを調査。同社がPCサイトでユーザビリティ調査を実施している150社のうちBtoC企業50社を対象に、100点満点で評価した。1位は「J:COM」で、スコアは95.44。前回1位だった「UQコミュニケーションズ」は2位に(スコアは94.66)。以降、3位は「ソフトバンク」(同92.57)、4位「au」(同91.24)と、通信事業者がトップ4を独占した。限られた画面サイズでユーザーがストレスなく情報を探せるように、アコーディオン(折りたたみ式の表示)を用いたり、スクロールするとヘッダが消えるといった取り組みが見られたと評価している。
[セキュリティ]2023年第3四半期、旅行/ホスピタリティ業界へのサイバー攻撃は週平均で1組織1000件に(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ、12月20日)
・2023年第3四半期、旅行/ホスピタリティ業界へのサイバー攻撃は前年同期比5%増
・メッセージシステムを使って予約先ホテルにマルウェアを拡散するなど、犯罪手口は多様化
・Booking.comに登録した宿泊施設に悪意あるパートナーシップを求める動きも
レジャー/ホスピタリティ業界は2023年第3四半期、週平均で1組織あたり1000件のサイバー攻撃を受けたという。これは前年同期から5%の増加。よく標的にされるBooking.comへの攻撃を分析すると、「Booking.comで宿泊予約を行い、メッセージシステムを経由して予約した宿泊施設を感染させる」といった“仕事”が、ダークウェブのメッセージフォーラムに投稿されているという。また“内部協力者”として、Booking.comに登録している宿泊施設に悪意あるパートナーシップを持ちかけるような投稿も確認されている。

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