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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第391回

BMW「M3 ツーリング」は4WDでもFRっぽさを残す快適性と走りを両立させる1台

2023年12月24日 12時00分更新

文● 西川昇吾 編集●ASCII

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◆高速道路での渋滞運転支援が便利すぎる

 そしてコンフォート性能の高さは首都高速でも実感。「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」は渋滞中の首都高速でも、ドライバーの負担をかなり軽減してくれます。街乗りから高速道路での渋滞などの低速域では、乗りやすく快適そのもの。8速ATのトランスミッションもシームレスに変速をし、510PSのハイパワーマシンであることを忘れてしまいます。

BMW

 高速道路での巡行時も安定性と快適性はバツグン。制御に優れた運転支援システムと振動の少なさで、長距離ドライブでの疲労度はかなり少なめ。仕事で片道300kmの目的地に行くことがありましたが、驚くほど疲労が少なかったのが印象的でした。ただ、タイヤがハイグリップなミシュラン「パイロットスポーツ4S」で、フロント275、リア285幅というサイズを装着するためロードノイズは一般的なサルーンよりも大きいかも。

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◆ワインディングでは飛ぶように軽快に走る

 ワインディングへ入ると、ノーズが思った通り入っていくことに驚かされます。1870kgという車重を感じないほど軽快に連続のS字をクリアし、4WDであることを忘れるほど素直なハンドリングを示してくれます。それは飛ばさなくても楽しめるハンドリングで、自分でギアをセレクトするMTモードでなくても、3000rpm手前で小気味よくシフトアップしてくれるトランスミッションの制御は、必要なトルクバンドを外しません。ただただ、次々と来るコーナーをリラックスして、ジェントルな気持ちで楽しむことができます。

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 しかし、ペースを上げるとM3の真骨頂を楽しむことができます。吸いこまれるようにノーズは入り、意のままにコーナーを駆け抜けていくことは得意中の得意。どこに荷重が乗っているのか? クルマがどんな状況なのか? それが分かりやすく伝わってきて、4WDでも操る歓びが十分に確保されていると思いました。2WDモードも試しましたが、一般公道ではその違いは大きく感じられないほどで、4WDのネガは一切ないと言えます。

 また、驚いたのはペースを上げてもリラックスした気持ちでドライブできるということ。全体的な雰囲気はバリバリのスポーツモデルなのですが、実際に乗ってみるとどこかジェントルな気持ちで落ち着いて運転できる。そんな雰囲気がこのM3ツーリングにはあります。

 また、高回転域までエンジンを回すと、さすがエンジン屋BMWといった印象。Mモデルにターボが装着されてから大分時間が経ちましたが、トルク変動が少なく、ターボラグという言葉とは一切無縁で、高回転までキレイに回るフィーリングは、NAの高性能ユニットを思わせます。ターボでこのフィーリングは、かなり驚かされました。

◆快適さとスポーツ、どっちも欲しがるワガママな人向け

 高いコンフォート性能と優れた運転支援システムによる高速道路での疲労の少なさ、そして楽しいハンドリングとエンジンフィーリング。走りに関しては欲張りな性能を有しているM3ツーリングですが、3シリーズツーリングの実用性の高さがそのままというのも大きな魅力です。

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 トランクルームからワンタッチでリアシートを倒すことが可能で、リアガラスのみの開閉も可能となっています。荷物が多かったり、長物を積んだり、狭い駐車場での開け閉めだったりと様々なシチュエーションでツーリングワゴンとして役立つラゲッジスペースの機能はしっかりと採用されています。

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 快適で、速くて、運転も楽しくて、利便性もあって、そんなM3ツーリングはあらゆるワガママに高い次元で応えるクルマだなと思いました。今回の車両はカーボンエクステリアパッケージ(64万4000円)やMカーボンセラミックブレーキ(107万5000円)など高価なオプションが装着され、1658万3000円という価格でしたが、オプションだけで260万円を超えています。1500万円を切る価格で購入することが可能であり、各種総合性能が高いことを考えると決して高くはない(筆者には買えませんが)。そんな印象を受けた1台です。

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