定番「スパイスカレーシリーズ」新作:
ココイチの傑作「マッサマンスパイスカレー」香りもコクも深い!
2023年09月21日 16時00分更新
「マッサマンスパイスカレー」
CoCo壱番屋
980円
https://www.ichibanya.co.jp/menu/detail.html?id=1714
スパイスカレーシリーズの新作
カレーハウスCoCo壱番屋(以下、ココイチ)から、期間限定メニューとして「マッサマンスパイスカレー」が登場しています。9月1日から登場しているので、もう食べたという人も多いかもしれません。
ココイチ期間限定メニューの新たな定番「スパイスカレーシリーズ」の新作です。「マッサマンカレー」をココイチ流にアレンジしたとのこと。
ゲーン・マッサマン、いわゆるマッサマンカレーは、簡単にいってしまえば、タイカレーの一種。ゲーンというのはスープ状の食品で、ごはんにかけて食べることが多いものです。ただ、ゲーンにはさまざまな種類があり、「こういうものである」と簡単に定義することはできません。
マッサマンカレー自体はイスラム教徒から伝来したそうで、豚肉ではなく、鶏肉、牛肉、羊肉で作ることが多いのだとか。さまざまなスパイスが用いられており、レシピも多種多様のようですね。
多くの人がマッサマンカレーを知ったきっかけは、CNNインターナショナルのCNNGoが、「世界で最も美味な料理ランキング50(World's 50 most delicious foods.)」でマッサマンカレーを1位に選出したことでしょう。日本でも大きく話題になりました。
ココイチのマッサマンスパイスカレーは、シナモンやクローブの香りとココナッツミルクの甘さとともに、唐辛子やショウガなどのじんわりとした辛さを感じるとうたうカレー。
具材には、スパイスで下味をつけたチキン、じゃがいも、インゲンを使用。3種のナッツ、スパイスがミックスされた調味料である「デュカ」をトッピングし、コクをプラスしたとのこと。さっぱりとした口当たりの大根とショウガのピクルスも添えられています。
芳醇な香りとコク、ほどよいスパイスの刺激
タイカレーそのものではなくアレンジと考えよう
ポイントは、3種のナッツと、スパイスがミックスされた調味料である「デュカ」ではないでしょうか。コクだけでなく、甘味もプラスされているのです。ココイチ公式がうたう“芳醇な香り”も、確かに感じられました。
また、ココナッツミルクの甘さもあることで、ただスパイシーなだけではないところに深みがありますね。後味には、かすかにほろ苦さが残るような印象もありました。カレーの中にいろいろな味の要素があるというか、「奥行きがある」という感じでしょうか。
さらに、コンセプトとしては“スパイスカレー”なわけで、スパイスの刺激は十分にあります。ただ、純粋な辛さとしてはそれほどでもない。むしろ、シナモンを始めとしたスパイスの香り、ココナッツミルクの甘さやコクなどによる、重層的な味わいがポイントです。
具材にもきちんとしたクオリティーがあります。とくにチキンは下味が付いていて香ばしいので、まったりとした味わいのカレーの中でコントラストになっている。一方、じゃがいもやインゲンは食べごたえをプラスしてくれるイメージといえばいいかな。
大根とショウガのピクルスは、もちろん付け合わせとして食べるのもよいですが、思いきってカレーに混ぜてしまってもおもしろいかもしれません。カレー自体にスパイスが効いているので、そういうことをしてもバランスが狂うようなことはないかと。
「タイのマッサマンカレーそのものを再現した」という雰囲気ではないと思います。マッサマンカレーをヒントに、ココイチがスパイスカレーをアレンジしたとみるべきでしょう。
香りもコクも深みがある、その中にほどよいスパイスの刺激が出てくる、バランスのよいカレーです。単に「刺激的!」「辛い!」という風味ではなくて、コクもあり、スパイシーさもあり、甘味(と、かすかな苦味)などもあり……という、なかなか奥深いテイスト。まさに芳醇。
具材のチキンの味付けも含め、満足感の高いメニューでしょう。なくなり次第終了だそうですが、これは長く出し続けてほしい傑作カレーではないか……と個人的には思いました。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願いします。
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