ソースの味が濃いのはいいのだけれど……:
松屋「シャリアピンソースハンバーグ」はごはんを食べるためのハンバーグ
2024年02月22日 17時00分更新
「シャリアピンソースハンバーグ定食」
松屋
2月20日発売
890円
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/whatsnew/menu/58338.html
松屋の期間限定はシャリアピン
シャリアピンソースの味が、好きかどうかです。
松屋は「シャリアピンソースハンバーグ定食」を2月20日から販売しています。松屋のハンバーグに「シャリアピンソース」をあわせた一品。
シャリアピンソースは、煮詰めたタマネギとニンニクの旨味が決め手の洋食ソース。松屋では、ごはんに合うように“和風仕立て”で、まろやかな味わいも感じられるように仕上げているそう。
フランスの郷土料理である「ドフィノワーズ」(じゃがいもをソースとともにオーブンで焼いた料理)を、これまた松屋流にアレンジして添えています。
<価格>
・シャリアピンソースハンバーグ定食 890円
・エッグシャリアピンソースハンバーグ定食 940円
・チーズシャリアピンソースハンバーグ定食 1050円
アスキーグルメ編集部では、ナベコさんが販売開始当日にさっそく記事を公開していました。
アスキーグルメ編集部・ナベコさんの記事はこちら
アスキーグルメのナベコさんが松屋の「シャリアピンハンバーグ」を食べた記事です。ナベコさんはソースに注目したようですが……。
そのため、自分は(ハンバーグそのものは食べたものの)記事を書かなくてもいいかなあ……と考えていたのですが、ナベコさんが「小嶋さん、松屋はお好きですよね? シャリアピンソースハンバーグ、どうでした?」と聞いてきたので、返事の代わりに記事にすることにしました。ナベコさんには「直接言えばよくないですか?」とは言われましたが。
ソースの味が濃い、かなり濃い
ナベコさんも書いている通り、特徴はソースです。そもそも“シャリアピン”とは、1936年に日本に訪れたオペラ歌手、フョードル・シャリアピンのこと。
やわらかいステーキが食べたいという要望に応えて、帝国ホテル「ニューグリル」の料理長・筒井福夫が発案したのが「シャリアピン・ステーキ」。よく叩いて薄くした牛肉をタマネギのみじん切りに漬け込んで調理するものです。そこからタマネギとニンニクを用いた「シャリアピン・ソース」が生まれています。
そういったわけで、タマネギとニンニクを使っている以上、立派なシャリアピンソースといえるでしょう。醤油の感じが強めというか、テイストとしては和風な感じ。タマネギの甘味もありますが、ニンニクが効いていることもあって、パンチにも欠けていません。というか、濃い。かなり濃い。
ソースが濃いこと自体はよいのですが、ハンバーグ自体の味わいや、肉汁の魅力などをちょっと邪魔しているのではないか……とも思うのです。そのあたりは松屋らしいというか、「ハンバーグの魅力を引き立てるソース」というより、「定食のおかずのソース」として作られているのでしょう。
だから、ごはんは進むんですよね。というよりも、ごはんを進めるためにソースがある気さえします。その分、ふっくらしたハンバーグそのものの魅力が犠牲になってしまった感もあるかなあ。
ちなみに付け合わせのドフィノワーズですが、松屋アレンジのため、ポテトサラダにチーズをかけて焦がしたようなものになっています。これ自体はハンバーグの付け合わせとして悪くないのですが、やはりソースが濃すぎるかなという気はしました。じゃがいものホクホクした感じやチーズのコクが、ソースの塩気に負けてしまうのですね。
とにかく、「シャリアピンソースの味が強い」という点に尽きます。ナベコさんは「ソースだけでもごはんが進む!」と書いていましたが、その通り。ただ、ハンバーグやドフィノワーズにばっちり合っているソースかと言われると、ちょっと悩ましい。
松屋は公式サイトで「ごはんがどうにも止まらない無敵定食」とうたっているようです。ごはんが止まらないというか、「ごはんがないと、単体ではちょっとしょっぱすぎるかも」という気もします。その辺りは好みの問題かもしれませんが……。
ソースの個性で、“ごはんを食べるためのハンバーグ”にはなっていると思いました。ガツンとした味で、白米をパクパク食べるにはよいでしょう。逆に、ハンバーグそのものを楽しみたいと考える人には不向きかもしれません。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願いします。
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