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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第360回

メルセデス・ベンツのEV「Mercedes-AMG EQE 53」は驚異の運動性能とモダンさを両立させた

2023年08月26日 15時00分更新

文● 鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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スペックもスゴイが中身はもっとスゴイ!
左右141cmの中に収まった巨大スクリーンの衝撃!

 スペック的に驚きの多い「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」ですが、実車に触れるとさらに驚かされました。

 まず、インテリアにびっくりします。全体のレイアウトや6本スポークのステアリングは、それほど珍しいものではありません。しかし、運転席の前からセンターコンソール、そして助手席の前まで、ダッシュボード全体が1枚のワイドスクリーンになっていました。これはオプションとなる「MBUXハイパースクリーン」と呼ばれるもの。左右141cmのガラスの中に、12.3インチのコクピットディスプレイ、17.7インチの有機ELメディアディスプレイ、そして助手席の前に12.3インチの有機ELフロントディスプレイが備わっています。まるでコンセプトカーのようなディスプレイは圧巻の一言でしょう。

 走らせてみると、また別の驚きがあります。街中を流れに乗って走らせている分には静粛性に優れたEV、しかも上級セダンとしての上品さを感じさせます。どっしりとしており、そして穏やかな所作です。ところが、いざアクセルを深く踏み込めば、AMG版ならではの強烈な加速を見せます。460kW(625馬力)、最大トルク950Nmの加速力は尋常なものではありません。まるで遊園地のジェットコースターのよう。身構えていないと、首が痛くなりそうなほどです。

これがEVへのパラダイムシフトサウンドだ!
メルセデス流EVサウンドが流れる

 ステアリングについている丸いダイヤルでドライブモードを変更することができます。そこで「スポーツ」にして加速すると、加速にあわせて不思議なサウンドが車内に響き渡ります。これが「サウンドエクスペリエンス」というもの。メルセデスいわく「内燃機関モデルから電気自動車へのパラダイムシフトを耳に聞こえるものとしました」とか。エンジン音ではなく、EVならではの新しい加速サウンドが楽しめるというわけです。

 強烈な加速に、ドライバーの気持ちを高めるEVサウンド。とはいえ「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」がスポーツカーかといえば、そういう印象はありません。車両重量が2540kgもある超ヘビー級ということもあり、どれだけ加速力に優れていようとも、動きそのものはセダンの範疇です。ただし、快適でゴージャスな気分に浸れる高級セダンでありながらも、その上で驚くほどの動力性能を備えている存在は稀有なもの。しかも、モダンさもあわせ持ちます。

 EVというだけでなく、驚くほどのモダンさと高級感、静粛性と高い実用性。そして驚異の動力性能。それらすべてを満たす、欲張りな1台が「メルセデスAMG EQE 53 4MATIC+」だったのです。

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筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 

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