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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第211回

LC3の次にある「LC3plus」とは何なのか? 特徴と音質を解説

2023年08月13日 09時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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32kbps、20%パケットロスでも内容を聞き取れた

 LC3plusについてはデモを聴くことができた。

 接続安定性(ロバストネス)を示す会話のデモでは、LC3plusだけでなくmSBCとLC3を比べて試すことができた。

 mSBCはBluetoothのHFP(ハンズフリー・プロファイル)で採用されているSBCをベースにしたコーデックだ。このデモでは10%パケットロスの状態で、mSBC(60kbps)とLC3(32kbps)は同じくらい聞き取りにくいが、かろうじて理解はできる。ほぼ同じくらいのクリアさだがLC3の方が32kbpsとより低いビットレートでの比較なので、これはやはりLC3の方が優れていると言える。

 これがLC3plusになると、32kbpsとかなり低いビットレートでも明瞭に言葉を聞き取ることができた。

 さらに20%パケットロス(圏外付近の相当厳しい状態)では、mSBC(60kbps)とLC3(32kbps)はほぼ内容を聞き取ることができない。しかし、LC3plusはLC3と同じ32kbpsでも内容を聞き取ることができる。

 ハイレゾ音質でも試聴してみた。オリジナル音源と、LC3plusで圧縮された500kbps、200kbps、128kbps(それぞれ両チャンネル)の音源を比べてみたが、確かにかなり音質は良い。そして、128kbpsでもあまり音質が低下していないことに驚いてしまう。オリジナルとの音質差がかなり少ないように感じられる。

 Bluetoothにおけるハイレゾコーデックは既にいくつかあるが、それらと直に比べた場合のLC3plusの実力はまだ試せていない。しかし、LC3plusは今後主流となって行くであろうLE Audioでの動作が保証されているという強みを持つ。今後が期待されるハイレゾコーデックだと言える。

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