3番手のソフトバンク、経済圏もうまく作れず
一方で、ソフトバンクはこれまで自社ブランドでのクレジットカード業務にあまり注力できていなかったようで、クレジットカードとスマートフォン決済サービスの紐付けが、他社に比べて上手くいっていない感がある。だからこそ、PayPayとしては「紐付けは自社発行カードに限る」という拙速な改訂をしたものの、ユーザーの反発を食らい、結局、延期を余儀なくされたのだった。
NTTドコモやKDDIの場合、スマートフォンのユーザー基盤がしっかりしており、通信料金をクレジットカードで支払ってくれたユーザーにポイントを付与。そのポイントを活用できる手段のひとつとして、QRコードによる決済サービスを提供し、街中の店でポイントを使ってもらうという戦略がメインとなっている。
ソフトバンクは、携帯電話事業ではシェア3番手というポジションだ。ソフトバンクやワイモバイルユーザーだけに向けて、クレジットカードやポイント、QRコード決済サービスを提供しても、3番手というポジションからは抜け出せない。
そこで、ソフトバンクとしては「PayPay」という全く新しいブランドを立ち上げ、オープンに幅広い人に向けてQRコード決済サービスを提供することにした。結果としてドコモやKDDIなど関係なく、幅広い人たちがQRコード決済を使うようになったのだった。
ソフトバンクとしては、本来であればPayPayを軸に、ヤフーやLINEなどを融合し、楽天経済圏に勝てる巨大な経済圏を構築できれば大勝利であった。
しかし、Zホールディングス傘下にヤフーとLINEを入れたものの、統合効果が2年間、全く出ずに、今年10月1日にZホールディングス、ヤフー、LINEのほかZエンターテインメント、Zデータの5社を合併させ新社号「LINEヤフー」として再スタートを切ることになる。
今後はLINEとヤフーのID連携を進めるとともに、2024年度はPayPayとのID連携を視野に入れる。

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