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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第206回

qdcとしては破格に安価な「SUPERIOR」発売、整った音の再現はさすが

2023年07月23日 09時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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qdc SPERIOR

ハイクラスへのあこがれを持つユーザー層にもいい

 基本的な音の特性が良いようなので、少しソース機器のレベルを上げてみた。ケーブルを別売の4.4mmケーブルに変え、「A&norma SR35」で聞いてみた。海外製イヤホンの2ピン端子は質の良くない場合も多いが、SUPERIORではしっかりとはめこめた。危なげなくケーブル交換ができると思う。

 SUPERIORは音の基本的な素性が良いので、リケーブルをして音を変えてみたいというエントリーユーザーにも向いていると思う。

qdc SPERIOR

 専用のDAPを用いてバランス駆動で聞くと、パンチの良さがいっそう際立ってロックやポップの迫力が上がるとともに、ジャズヴォーカルでは声の再現力が向上する。リアルな声の肉質感が感じられるのが分かった。録音のいいKate Wadeyの「Round Midnight」を聞いてみた。ウッドベースとヴォーカルだけのシンプルな曲でもその良さを十分に引き出せた。

 コンシューマーモデルらしい低音の誇張感はあるが、価格にしては基本的な音再現力が優れているイヤホンだと思う。低価格モデルでは筐体の材質によって音に歪み感が出るモデルもあるが、さすがにqdcはそうしたところはなく、端正で歪み感の少なく再現できているように思う。

 SUPERIORは、qdcユーザーの底辺を広げる戦略的な意味合いを持つ製品で、ハイクラスへの憧れを持つユーザー層へブランドの雰囲気を伝える製品でもあると感じた。

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