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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第821回

【緊急追悼企画】iPhoneで撮り続けた「かふか」の15年を振り返る

2023年06月23日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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ソファーの背で妙な格好でくつろいでる、かふか。こんな格好で寝てたら(カメラ向けたら起きちゃったけど)……撮るよね。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 実は、前回の記事を書いた数日後、かふかが亡くなったのである。病気ではあったけど、毛ツヤも悪くないし、死相も出てなかった(はずだ)し、その前の週に治療してもらってから食欲も出て元気になりつつあったので、病状の詳細は略すけれども、急激な悪化で心の準備も足りず、大変だったのである。

 かふかをかわいがってくださった皆さま、本連載でかふかの存在を覚えてくださった皆さま、ありがとうございました。

 で、考えてみたら、この連載が始まったのが2007年の5月。iPhone 3Gが日本で発売されたのが2008年の6月。そして、かふかが生後3ヵ月くらいでうちにやってきたのが2008年の8月。なんと、とあるキジトラの一生を超えちゃったのである。出会った子猫のときから亡くなるまで、iPhoneで撮られ続けた、わが家の最初の猫でもあるのだ。

 そこで今回は、予定を変更して緊急特別企画「iPhoneで振り返るかふか」である。

 何はともあれ、わが家にやってきたかふかから。2008年8月16日の朝。ショルダーバッグ型の猫バッグに入れられ、自転車で家まで運ばれたかふか。バッグのファスナーを開けた瞬間を、購入して2ヵ月のiPhone 3Gで撮影したのがこの写真だ。日本最初のiPhoneなので、AFもないし、200万画素だしで隔世の感がある。

生後3ヵ月(と保護した方が言ってた)のかふか。いきなり見知らぬ場所へ連れてこられて、きょとんとしてるのがかわいい。2008年8月 アップル iPhone 3G

 あっという間に家になじみ、先住の大五郎ともなじみ、ほっとしたものである。

 次の写真は2009年発売のiPhone 3GS。画素数は300万画素だった。ベランダに鳩が来てるのを、かふかと大五郎が気づいて網戸に張り付いてるの図である。

 最初は2匹並んでじーっと見てたのに、かふかがガマンできなくて立ち上がったのだ。でも、鳩は平然としてるのがまた面白い。なお、このあと鳩がつついてた植木鉢も片付け、ベランダを掃除して鳩が来ないようにいたしました。

ベランダに来てた鳩が気になって身を乗り出す、かふか。「しっぽがじゃま!」と大五郞は思った。2009年7月 アップル iPhone 3GS

 当初のiPhoneは毎年画素数が上がり、カメラ性能を強化してたので、毎年買い替える人もけっこういたなあと思う。そして、iPhone 4で初めてHDRが搭載され、500万画素に増えたのだった。

 そのiPhone 4で撮ったのは、赤いソファーでくっついて寝てる大五郎とかふか。ちなみに、このソファーは2匹の猫が遊び回ったおかげでボロボロになり、今は布をかけてあります。

大五郎とかふかは、特に冬になるといつもくっついて寝てたのだった。顔の大きさが違うのは、遠近法です。2011年1月 アップル iPhone 4

 こんな感じで古いiPhone写真を引っ張り出してるのだが、実は私が今までiPhoneで撮った写真は14万枚くらいある。そこから目視で探すのは無理。旅行先で撮った写真とかなら探しやすいけど、自宅で撮った猫写真なんて、いつ撮ったかなんてまったく覚えてないくらい日常的に撮ってる。

 じゃあ、どうしたか。写真アプリの検索機能を使うのだ。このように、「自宅」で「猫」という検索をかけると、5308枚まで絞り込めた。ここまでくれば、目視でもなんとか探せるというものだ。

iOSの「写真」アプリで「検索」を使えば、こんなふうに写真を絞り込めるのだ。赤い枠が今回使った検索のキーワード。

 初期のiPhoneは、写真に付く位置情報が信用ならないことも多かったけど、途中から精度がかなり上がってるので実用性は高いのだ。

 続いて、iPhone 5s時代のかふか。どんなおもちゃにも反応してくれる年頃の1枚だ。昔のiPhoneは高感度に弱くて、動きものが苦手だったのである。そんな中、奇跡的に顔は止まって、手だけが動いてるカットが撮れたのだった。

おもちゃにじゃれつくかふか。模様がシンメトリーのキジトラで、顔が丸くてかわいいのだった。2013年 9月 アップル iPhone 5s

 iPhone 6の頃からは、画質もぐっと上がってきた。これは、今iPhoneのロック画面に使っている写真。マッチョ系の大五郎と、しっぽがたぬきみたいなかふか。

2匹の顔が縦に並んでて、背景には青空という構図がロック画面向きなのである。2015年1月 アップル iPhone 6 Plus

 やがて、iPhoneのカメラは2つ3つと増えていき、ポートレートモードで背景をボカせるようになった。家の中で撮るとき、背景をぼかせるのはありがたい。

紙袋に入って落ち着いてしまったかふか。後ろの台所がぼけてくれて助かったポートレートモード。2019年 1月 アップル iPhone XS

 そして、2020年に相棒だった大五郎が18歳で亡くなり、2021年には黒猫のミルがやってきた。見てのとおり、仲はよくなかったけど、まあ猫どうし、なんとかうまくやってねと祈ってた頃だ。

基本、温厚なかふかであるが、ミルのやんちゃが過ぎると怒るのである。2021年 アップル iPhone 13 Pro

 そして2023年。いろいろと不調を抱えて体重も落ち、病院で検査をしたり薬を投与したりしてたのが春先。今回の最後の写真は病院から。このあと食欲も戻って、少し回復してきたのだがなあ、という1枚だ。

 この写真は、「写真」アプリの「撮影地」機能を使い、地図で動物病院を探したもの。撮影地機能を使えば、その場所で撮った写真を全部見せてくれるので、いつ病院へ行ったかがすぐわかる。

診療がひととおり終わり、早く家に帰りたいと訴えるかふか。2023年3月 アップル iPhone 14 Pro

 なので、猫を飼っている皆さま、いざというときにこうして元気な頃の様子を振り返れるよう、スマホで日常的に写真を撮っておきましょう。位置情報をオフにしてる人は、ぜひオンに。位置情報はあとから写真を探すときに効いてくるから。

 そして、大量の写真をすべてスマホに蓄積し続けるのは不可能なので、クラウドを使うこと。私は、アップルの「iCloud 写真」を使ってる。

 10万枚を超えるので、月々それなりの料金を払っているけれども、全ての写真や動画をいつでもiPhoneから引っ張り出せるし、iPhoneを買い替えても壊してしまっても、写真はすべてクラウドにあるので失うことがないというメリットは大きい。Androidスマホの人には「Google フォト」がある。

 写真を大量に撮ること、残すこと、そして、そのライブラリからいつでも見たい写真を探せること。それが可能なデジタルで、記録を残せる時代なのだ。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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