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アップルのARグラス「Vision Pro」でスマホの次がハッキリ見えた! 「WWDC23」特集 第18回

初めてiPhoneを触り、タッチパネルで操作したとき以来の感動

アップルがこれまで培ってきた「技術の集大成」Apple Vision Pro(石川温)

2023年06月08日 11時30分更新

文● 石川 温 編集●飯島恵里子/ASCII

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両耳のすぐ横に配置されたデュアルドライバー搭載のオーディオポッドが、環境に合わせてパーソナライズされたサウンドを届ける

アップルにしか作れない「空間コンピュータ」

 Apple Vision Proでは、さらに「音」で驚く。高精細な映像に加えて、空間オーディオにより、本当に別の場所にいったような感覚が味わえるのだ。もちろん、映画であれば、まるで映画館にいるような音響を楽しめる。見た目は小さな板のようなデバイスなのだが、立体オーディオによって没入感をさらに高めてくれるのだ。

 こうしたノウハウはおそらく、AirPods ProやHomePodといったワイヤレスイヤホンやスマートスピーカーを手がけていたことが大きかっただろう。

 特にHomePodは部屋の状況を把握し、その環境に見合った音を出すというのが特徴だ。HomePod自体はあまり売れている感じはしないが、そのノウハウは確実にApple Vision Proに生かされているように感じた。

 またApple Vision Proは、装着感がしっかりしている。40分ほど装着したが、痛くなったり苦痛になったりすることは皆無であった。

ヘッドバンドはシンプルな仕組みにより取り外しできるため、 別のサイズやスタイルのバンドに簡単に交換できる

 後頭部を包み込むヘッドバンド部分は、ひょっとするとApple Watchのベルトで付き合いのある繊維メーカーとコラボしている可能性も考えられる。こうした繊維のノウハウを持つパソコンメーカーはあまりないのではないだろうか。

 Apple Vision ProはiPhone、iPad、AirPods、HomePod、Apple Watchとなどの技術の粋を集めた製品のような気がしてならない。

 Apple Vision Proのような「空間コンピュータ」はアップルにしか作れない。ほかのメーカーは今後、ヘッドマウントディスプレイをつくるのであれば、アップルとは全く違った切り口で戦うしかないだろう。

 

 

筆者紹介――石川 温

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)、『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

 

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