4Kネイティブでは盛大な息切れが見られる
「The Last of Us Part I」
「The Last of Us Part I」はリリース当初からPCへの最適化に問題を抱えていたゲームだが、若干のアップデートを経て当初よりはマシになったようだ。画質は“最高”に設定し、開始序盤、街を逃げ回るシーンにおけるフレームレートを計測した。
フルHDならRTX 4060 Ti(8GB)で平均72fps弱出せるのでまあプレイアブル……と言えなくもないが、特定のポイントに到達するとハッキリとわかるほどのカク付きが出現。このゲームもBIOHAZARD RE:4に次ぐほどVRAM食いのゲームであるため、最低フレームレートの荒れ方はVRAM周りの処理で発生していると思われる。
メモリーバス幅の狭いRTX 4060 Ti(8GB)は、より強くその影響を受けてしまったようだ。4KともなるとRTX 4060 Ti(8GB)やRTX 3070 Ti以下のGPUは盛大に息切れしてしまう一方で、RTX 4070のみが(この中では)まともなフレームレートを出せているなど、VRAMを持たざるGPUにはとことん厳しいテストになった。
そこでDLSS“パフォーマンス”設定を追加して検証したのが次のグラフとなる。
フルHDだと負荷が低すぎてどのGPUもほぼ横並び気味になるが、WQHD以上だとGPUのパワー差がフレームレートに現れてくる。DLSSを有効化してもカク付きは出るので完璧なプレイ環境とは言いづらいが、RTX 4060 Ti(8GB)の場合、下位1パーセンタイル点は59fps(グラフの最低フレームレートは1パーセンタイル未満のフレームレートの平均値である点に注意)。5パーセンタイル点は76fpsであるため、ときどき下振れするといった感じになる。
DLSS“バランス”や“クオリティー”設定時のパフォーマンス検証はできなかったが、消費電力的にはDLSS無しの時とDLSS“パフォーマンス”時の間に収まるはずだ。RTX 4060 Ti(8GB)のターゲットであるフルHD環境で言うと、100WかそこらでTBPほぼ2倍のRTX 3060 Tiに比肩するパフォーマンスを出していることになる。
後編はDLSS FG検証とクリエイティブ系検証など
前編の検証はこれにて終了だ。今回はなぜか同じような案件の締め切りが同時に襲いかかってくる(そしてリードタイムもほとんどない)状況であるため、筆者も編集も必死の作業だ。後編はDLSS FGを含めた検証と、クリエイティブ系アプリでの検証となる。お楽しみに。
この連載の記事
-
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック - この連載の一覧へ