富士通クライアントコンピューティング(FCCL)の「FMV WU8-K3」は、ディスプレー回転型2 in 1 PCの利便性と、最軽量モデルで約965gという軽さを両立したモデル。WEBマートでカスタマイズして購入できる。
前回はスペックやデザインを中心にチェックしたが、購入を検討するうえで最後の決め手となるのは、やはり実際のパフォーマンスである。
今回は「インテル Core Ultra 5 プロセッサー 225U」、メモリー16GB、ストレージ512GB構成のモデルを試用している。定番ベンチマークソフトを実施し、どのような用途であれば快適、あるいは実用的に利用できるのかを検証していこう。
まずCPU性能については、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」ではCPU(Multi Core)が8692pts、CPU(Single Core)が1749ptsを記録。また「CINEBENCH 2024」ではCPU(Multi Core)が490pts、CPU(Single Core)が103ptsとなった。
これらのスコアは、ウェブブラウジングやオフィスアプリの利用、オンライン会議といった一般的な用途であれば、ストレスなく快適に利用できる性能である。
一方、クリエイティブ系アプリについては、写真編集や軽めの動画編集などであれば実用的だが、4K動画編集のような高負荷作業には力不足を感じる。より高度な作業をしたいのであれば、「インテル Core Ultra 7 プロセッサー 255H」搭載モデルを選択するといいだろう。
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalは802、Time Spyは2347、Fire Strikeは4956、Wild Lifeは15498を記録した。
Core Ultra 5 225Uは内蔵グラフィックスに「Intel Graphics」(2GHz)が搭載されている。3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは8207(とても快適)を記録しており、平均フレームレートは57.19fpsとスムーズに動作した。ただし、これは比較的軽量な3Dゲームでの結果。新しめの重量級タイトルを快適に遊ぶのは難しい。
3Dゲームをプレイしたいのであれば、内蔵グラフィックスに「Intel Arc 140T GPU」を搭載するCore Ultra 7 255Hモデルを強く推奨する。
3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは8207(とても快適)、平均フレームレートは57.19fps、最低フレームレートは30fps
AI性能については、「Procyon」のAIベンチマーク「AI Computer Vision Benchmark」を実施したところ、結果はfloat16が366、integerが677となった。「インテル Core Ultra 5 プロセッサー 225U」はNPUを搭載しており、AI処理性能は12TOPSだ。
Copilot+ PCの要件である40TOPSには達していないものの、ビデオ会議時の映像エフェクトや音声ノイズキャンセリング、音声の文字起こしといった比較的低負荷なAI処理であれば、省電力で実行できる。
重たい生成AI処理向きではないが、日常利用における電力効率の向上には寄与してくれるはずだ。
ストレージにはPCIe Gen4 x4接続SSD「KBG6AZNV512G LA KIOXIA」を搭載しており、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 9」では、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が5035MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が4384MB/sを記録した。
PCIe Gen4 x4対応SSDとして最高クラスの速度ではないものの、前世代SSDと比べれば格段に速い。アプリの起動や大容量ファイルのコピー、クリエイティブ系のようにストレージアクセスが頻繁に発生するアプリでは、恩恵を受けられるはずだ。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度、ボリューム40%の条件でYouTube動画を2時間連続再生したところ、バッテリー残量は81%となった。
単純計算では、バッテリー残量0%までであれば約10時間32分の連続動作が可能ということになる。約1kgクラスのディスプレー回転型2 in 1 PCとしては、十分なスタミナ性能を備えている。
「FMV WU8-K3」は、ディスプレー回転型2 in 1 PCならではの多彩な利用スタイルと、約965gという軽さを両立した1台だ。
Core Ultra 5 225U搭載モデルは、日常用途からライトなクリエイティブ作業までをこなせる実力を備えている。セルフ交換バッテリーやスタイラスペン内蔵といった独自仕様も魅力だ。携帯性と高い汎用性を両取りしたい欲張りユーザーにはもってこいの1台である。
| 「FMV WU8-K3」の主なスペック | |
|---|---|
| ディスプレー | 13.3型ワイド、タッチパネル付、フルフラットファインパネル、ノングレア液晶(WUXGA)1920×1200ドット/1677万色、高輝度・高色純度・広視野角 |
| CPU | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 255H / インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225U |
| グラフィックス | インテル® Arc™ 140T GPU/インテル® グラフィックス(CPUに内蔵) |
| メインメモリー | 最大 8 / 16 / 32 GB (LPDDR5X-8400) |
| ストレージ | SSD:256GB / 512GB / 1TB / 2TB (PCIe Gen4) |
| インターフェース | Thunderbolt™ 4 USB4(Gen3)×2(USB Power Delivery対応、DisplayPort Alt Mode)、USB3.2(Gen1) Type-A、USB3.2(Gen1) Type-A(電源オフUSB充電機能付)、HDMI出力端子、LAN(RJ-45)、3.5mmステレオ・ミニジャック、microSDメモリーカード |
| サイズ/重量 | 308.6×215×18.2mm / 約965~1028g |
| サポートOS | Windows 11 Home 64ビット版、Windows 11 Pro 64ビット版 |
| Office | Microsoft 365 Personal (24か月版) / Office Home & Business 2024 オプション付 / なし |































