G-Master Spear X670Aをレビュー
Ryzen 7 7800X3D&RTX 4070の最新タッグなら5年先も戦えるゲーミングPCに
2023年05月13日 10時00分更新
メモリーは2本ずつの組み合わせを選ぶべし
優先度は下がるが、メモリーも忘れずカスタマイズしておきたいメニューの1つ。タワー型PCであれば、たいていはメモリースロットが4本ある。メモリーモジュールは2本単位で使用するとより高い性能を引き出せる(デュアルチャンネル)。そのため、最初は必要最小限の2本構成でPCを購入し、大容量のメモリーが必要になったら残り2本のスロットに増設する人もいる。
しかし、ここで注意点がある。Ryzen 7000シリーズのサポートメモリー速度は、メモリーモジュールが2本ならDDR5-5200だが、4本だとDDR5-3600になる。G-Master Spear X670Aで選べるメモリー速度はすべてDDR5-4800で、標準構成では8GB×2(合計16GB)。カスタムメニューでは16GB×2(合計32GB)、32GB×2(合計64GB)、32GB×4(合計128GB)と選べるが、32GB×4(合計128GB)のみ、モジュールの規格はDDR5-4800だが実際の速度はDDR-3600に制限されることになる。
とはいえ、メモリー速度が体感速度に影響するアプリはそこまで多いわけではない。ゆえに、モジュールの規格を考えるとややもったいない気もするが、速度よりも容量を重視したい人は32GB×4(合計128GB)でも全然アリだ。
ほか、本稿では「ゲーミングPC」らしさを追求するために、PCケースはガラス強化サイドパネルモデルに変更し、LEDストリップ(2本)も追加してみた。また、今回はいじらなかったが、より多くのゲームをインストールしたければSSDの容量を増やしたいところ。
なかなかマネできないプロの組み立て
好みのスペックにカスタマイズしたPCを、美しく仕上げてくれるというところもBTOパソコンの醍醐味の1つ。サイコムは裏配線を駆使した組み立てが大変美しい。そのため、サイドパネルが強化ガラスで中身が見えるモデルだと、その精巧さが際立つ。
裏配線と言っても、邪魔なケーブルを見えないところに無理やり押し込んでいるわけではなく、裏は裏でこれまた見事に美しくまとまっている。
中央部分のケーブルをよく見ると、取り外し可能なケーブルタイで結束していることがわかる。つまり、HDDの増設やビデオカードの換装など、ケーブル構成を変更する時にまとめ直しやすいということ。この細かな配慮もありがたい。
ちなみに、先に紹介した簡易水冷CPUクーラーの写真を見て、「ラジエーターにファンがない?」と思った人がいるかもしれない。今回の試用機では、天面側にファンを装着し、ラジエーター越しにPCケース内の空気を外に排出する仕組みになっていた。
近年のビデオカードは熱をPCの背面から排出する構造ではなく、PCケース内に拡散するものが多い。今回選んだ「DUAL-RTX4070-12G」もその1つで、高負荷が続くとPCケース内の温度が上がってくる。
PCケース内の温度の上昇を抑えるには、いかにすばやく熱気を外に排出できるかがポイントになる。G-Master Spear X670Aは背面にPCケースファンがあるものの、120mmファン1つでは限界がある。そこで、簡易水冷CPUクーラーのファンもPCケースファンとして活用しているというわけだ。
PCケースの「MasterBox CM694 TG」は天板がメッシュで、熱を逃がしやすい構造になっている。ここにラジエーター越しとはいえ、ファンを装着しているため、熱された空気をスムーズに排出できる。このように、どうしたらPC全体で最適なエアフローになるのかを考え抜いてカスタムメニューを決めている点もサイコムの魅力だ。