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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第79回

IT市場トレンドやユーザー動向を動向を「3行まとめ」で理解する 4月8日~4月14日

日本社会の分断は深刻化のおそれ、意思決定をAIに委ねたい企業が6割超、“ポイ活”でいくら稼いだ? ほか

2023年04月24日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年4月15日~4月21日)は、意思決定におけるデータ/AI活用の意向、2022年のランサムウェア脅威総括、政府や企業に対する信頼度の国際比較、“ポイ活”で集めたポイントや年間の価値総額についてのデータを紹介します。 c

■[データ]データの収集や解釈は悩みの種、64%が「ロボット/AIに意思決定を委ねたい」(日本オラクル、4月19日)
・意思決定は3年で10倍に、78%が「意思決定で用いるデータが増えすぎと感じる」
・64%(ビジネスリーダーの70%)が、「データにまつわる困難さからロボット/AIに意思決定を望む」
・77%が「ダッシュボードやチャートが意思決定に直結していない」

 日本を含む17カ国/1万4250人の経営層や従業員を対象として実施した調査。ビジネスリーダーの85%が過去1年の間に「意思決定について後悔、罪悪感、疑問などの苦悩を経験した」と回答。さらに「データ量が膨大なことやデータへの信頼欠如が、意思決定を妨げている」という回答は72%にのぼった。70%は「データの収集と解釈で悩んでいる」とも回答しており、こうした困難な状況を受けて、64%(ビジネスリーダーの70%)が「ロボット/AIに意思決定を望んでいる」とした。

■[セキュリティ]ランサムウェア攻撃、身代金要求額の中央値は65万ドル、支払額中央値は35万ドル(パロアルトネットワークス、4月20日)
・ランサムウェアの身代金要求額、中央値は65万ドル
・身代金支払額の中央値は35万ドル、当初要求額より46%の減少率
・日本では製造業が最多のターゲットに

 同社のUnit 42が2022年に対応した約1000件のインシデント事例、およびダークウェブのリークサイト分析などから洞察をまとめた「ランサムウェア脅威レポート2023」より。2022年は毎日平均7件の窃取された情報がリークサイトに投稿され、通年で2679件となった。最も狙われた業種はグローバルも日本も「製造業」。また、米国拠点の組織がリークワイトにおける漏洩の42%を占めた。大規模な多国籍企業がターゲットになっているという。ランサムウェアの身代金要求額は3000ドル~3000万ドル(中央値65万ドル)、同支払額は3000ドル~700万ドル(中央値35万ドル)。2023年は「クラウドランサムウェアによる大規模侵害」「内部脅威関連の脅」迫などが増加すると予想している。

左は日本を脅威とする脅威アクター内訳、右は日本でターゲットにされた業種内訳(出典:パロアルトネットワークス)

■[トレンド][生活]日本人の政府への信頼は世界最低レベル、二極化は「深刻化する危険性のあるレベル」(Edelman Japan、4月20日)
・日本は政府への信頼度は33%、企業、NGO、メディアを下回り世界最低レベル
・自分と家族の経済的な見通し、「5年後の状況は良くなっている」は9%
・所得に基づく信頼の格差は19ポイント、世界平均の15を上回るギャップとなった

 年次信頼度調査として、2022年11月、世界28カ国・3万2000人を対象に調べた。世界的に所得による信頼の差が広がっており、社会的分断が進行し、二極化が深刻化しているという。日本では「政府への信頼度」は33%と前年から3%低下し2013年以来10年ぶりの最下位となった。将来への不安も顕著で、「自分と家族の経済的見通しについて、5年後の状況が良くなっている」はわずか9%、前年比6ポイント低下し28カ国最低となった。各国民の政府、企業、メディア、NGO/NPOに対する信頼度の平均値「トラスト・インデックス」の所得に基づく格差は、19ポイント。二極化が深刻化していることも浮き彫りになった。

日本は「政府」に対する信頼が低く(33%)調査28カ国でワースト3位、人に対する信頼度調査でも「政府のリーダー」が最も信頼されていない(22%)結果に(出典:Edelman Japan)

「トラスト・インデックス」を所得の高/低で比較すると、日本は19ポイントと大きなギャップがある(出典:Edelman Japan)

「自分の国が二極化している」と感じる比率。日本は「深刻化する危険性のあるレベル」に入っている(出典:Edelman Japan)

■[生活]ポイ活は「楽天ポイント」が圧勝、「PayPayポイント」も躍進、獲得した価値は平均「年間2.5万円」(ジー・プラン、4月19日)
・貯めている(70%)・最も貯めている(40%)ともに「楽天ポイント」がトップ
・最も貯めているポイントでは、3位「PayPayポイント」が12%と躍進
・2022年に貯めたポイント価値は平均2万5710円

 全国11都道府県、10代~60代の男女990人に聞いたポイントサービスに関する市場調査。「現在貯めている」(70.5%)、「最も貯めている」(40.5%)の両方で「楽天ポイント」がトップに。そのほか「現在貯めている」では「Tポイント」(53.7%)、「Pontaポイント」(47.9%)が続く。「最も貯めている」は「dポイント」(12.8%)、「PayPayポイント」(12.1%)など。PayPayポイントは前回調査からの躍進が目立つという。なお、貯めやすさや使いやすさからの点から特定のポイントサービスに支持が集まる傾向にあり、上述の“5大共通ポイント”で全体の8割以上を占める。

現在貯めているポイント(棒)と最も貯めているポイント(折れ線)(出典:ジー・プラン)

2022年に稼いだポイント価値は「5000円以下」が24.1%と最多だが、平均値は「2万5710円」(出典:ジー・プラン)

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